伝えることの楽しさを引き出した先に描く、一人ひとりの「らしさ」が輝く社会 | キャリコネニュース
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伝えることの楽しさを引き出した先に描く、一人ひとりの「らしさ」が輝く社会

SMBCコンサルティングでは、さまざまなビジネスパーソン向けのセミナーを開催している。その中で、話し方やプレゼンテーションをテーマにしたセミナーの講師を担当する三浦 由起子は、かつてテレビ、ラジオ番組でレギュラーを務めたアナウンサーだ。そんな「話し方のプロ」が、セミナーを通じて伝えたいこととは。【talentbookで読む】

滑舌フレーズなどの非日常体験を通じて、話し方、伝え方のコツを伝授

あぶりカルビ、あぶりカルビ、あぶりカルビ……。

セミナーの冒頭、受講者たちは三浦が用意した「滑舌フレーズ」に挑戦する。うまく発声できない人、いい続けているうちに「あるびカブリ」などと別の言葉に変わってしまう人など、多くの受講者は四苦八苦。それでも、難解な言葉に夢中で挑むうちに、緊張感が漂っていた表情は徐々にやわらいでいく。

三浦 「“プレゼンテーション”や“わかりやすく伝えること”に対して漠然と不安を抱えて、難しいイメージを持つ方も多いです。そのイメージを、もっと気楽で楽しいものに変えていきたいと思っています。

冒頭に滑舌フレーズに挑戦してもらうのも、そうした想いから考えた工夫の一つ。声を出してもらうことで緊張を解き、まずは楽しい雰囲気を作ることを心掛けています。リラックスしたほうが、学べることも多いはずですから」

そんな滑舌フレーズには、もう一つ、狙いが込められている。

三浦 「滑舌フレーズに挑戦することは、受講者の方にとって非日常的で、新鮮なおもしろさがあると思います。それを、単なる非日常体験として受け止めて終わるのではなく、日常に置き換えて普段の話し方に活かしてほしいのです。

たとえば、“あぶりカルビ”は、言葉の始まりの音を高くし、終わりになるにつれて低くする“高低アクセント”を用いると、きれいに聞こえます。また、網の上で焼かれているお肉をイメージすると、いいやすくなります。

これは、他の物事を説明するときにも共通すること。伝えることを頭に浮かべながら話すと伝わりやすくなるのです。セミナーでは、滑舌フレーズに限らず、非日常体験を通じて、日常に落とし込めるコツを必ず伝えるようにしています。話し方、伝え方のコツは、習う機会があまりなく、受講者の方はどうしても不安を感じてしまうもの。セミナーでは、そういった不安を取り除くためのコツや技術を伝えていきたいと思っています」

ミスコンをきっかけにアナウンサーの道へ。ラジオ放送やリポーターの経験で自らを磨く

▲2014年の上京の前には、地元・青森のラジオ局でパーソナリティーを務めていた

わかりやすさと、実務にすぐに活かせるセミナー内容で人気を博している三浦。その礎となっているのが、地元・青森でフリーアナウンサーとして活動していた経験だ。

三浦 「アナウンサーを目指したきっかけは、大学3年生のときに弘前市が実施している“弘前城ミス桜コンテスト”に応募し、観光大使のような役目をいただいたことです。それまで人前でマイクを持って話す機会はほとんどなく、PR活動の際には不安でいっぱいでした。

それでも、いざ始めてみると、私の話しにわざわざ足を止めて聞いてくれる人や、終わった後に『今度、青森に行ってみようかしら』と声をかけてくれる人がいました。そのときに、反応が返ってくるのは、なんて楽しいんだろうと思ったのです。そういった経験から、物事を伝える仕事であるアナウンサーを目指すようになりました」

大学在学中からフリーのアナウンサーとして活動を始め、テレビ番組の中継リポーターや、地元のFMラジオではパーソナリティーも務めた。

三浦 「原稿を正確にハキハキと伝えることや、原稿の要点が視聴者に伝わるように強弱をつけることなど、伝え方の基本はここで身につけました。リポーターのときには原稿も自分で作っていたので、ストーリー性のある文章の展開を考える経験もできました。ラジオでは3時間の生放送を週3回担当。フリートークで話すネタに困らないよう、よく街歩きをしていました。いろいろな着眼点が磨かれたと思います」

反応が見える喜びを味わいながら、「伝えることの楽しさ」を受講者へ届けていく

ラジオパーソナリティーを約5年務め、「地元の顔」として認知されてきた中、2014年、さらなるステップアップを目指して上京。これが講師を始めるきっかけとなる。

三浦 「東京で仕事をすることが、子どものころからの憧れでした。しかし、上京してもアナウンスのお仕事はなかなかいただけず、焦りが募りました。

ただその一方で、友人の紹介から始めたのが、元テレビ局アナウンサーが経営するプレゼンテーションやスピーチの研修を行っている会社での、講師スタッフとしての活動です。アナウンス業界は『若いうちが華』といわれることもあります。セカンドキャリアを考えたとき、これまでの経験を活かせる講師業に可能性を感じました」

スタッフとして働き始めてしばらくして、実際に講師として登壇する機会にも恵まれた。

三浦 「率直に楽しかったですね。テレビやラジオでは視聴者の直の反応が見えない一方で、セミナーではリアルな反応が返ってきます。“弘前城ミス桜”時代に感じた喜びを思い出しました」

講師としてのキャリアをスタートさせた三浦。受講者に寄り添うことへの意識も、そのキャリアの中で磨かれたものだった。

三浦 「講師を始めて3、4年たった時、セミナー中にふと、『どうしてこんなに上から目線で話しているんだろう』と思ったことがありました。そういう言い方なので、小難しく聞こえ、時には説教をされているように感じる人もいたと思います。

当時の私はまだ、セミナーを滞りなく運営するのに精いっぱい。ベクトルが受講者の方に向いていなかったのです。これを機に立ち返ったのが、『受講者の方に伝えることは楽しいことだと感じてもらいたい』ということ。そこからは、普段の話し方、伝え方を『直そう』『正そう』と押し付けるのではなく、多くのコツを試してもらい『今日からがスタートですよ』と、伝えていこうと思いました」

「その人らしさ」をより引き出すセミナーにも挑戦していきたい

2022年で講師業を始めて、8年目を迎えた三浦。今後セミナーを通じて、どのような人材を送り出していきたいと考えているのだろうか。

三浦 「受講者の方は、セミナーでお伝えする多くのコツやテクニックを実践することで、相手に話が伝わりやすくなり、自分に自信が持てるようになると思います。しかし、このコツやテクニックは、絶対に守らなければならないものではありません。

逆にがんじがらめになると、無機質な印象に聞こえてしまうこともあります。ですので、コツやテクニックを通じて自信が持てたら、その次は、自分が感じたことをのびのびと伝えてほしいです。その段階に入ると、一人ひとりが持つ生き生きとした個性が、伝える内容にも表れてきます。そんな“生き生きと輝いて何かを発信する人”を送り出していきたいです」

セミナーはあくまで、伝えることのハードルを下げるきっかけ作りだと捉える三浦。

今後、新しいテーマにも取り組んでいきたいという。

三浦 「まだ思いつきの段階ですが、五感や感性を使った表現を題材にしてみたいです。今まで取り組んできた話し方、伝え方の技術の部分は、いつかAIでもできる時代が来ます。

ただ、話す人の個性は、置き換えることができない部分。豊かな個性や感性を磨いて、“その人らしさ”をより引き出すようなセミナーがあったらおもしろいなと考えています。人とは違った着眼点を持ったすてきな人が増え、より魅力的な社会につながればいいなと思います」

SMBCコンサルティング株式会社

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