企業の環境によって醸成される働きやすさ──福利厚生の充実と周知に邁進 | キャリコネニュース - Page 2
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企業の環境によって醸成される働きやすさ──福利厚生の充実と周知に邁進

▲福利厚生の充実に取り組む幾田

働きやすい環境の土台づくりを目指して、福利厚生の充実に取り組む幾田 千尋。新しい仕組みを取り入れるだけでなく、社員への周知と、使いやすい仕組みづくりに奔走している。縁の下の力持ちとして社員を支える幾田の想いとは。【talentbookで読む】

福利厚生は実際に活用されることが重要。社内報での周知で利用率アップ

幾田が所属しているのは人事部の人事厚生室。その中の6人のメンバーで主に福利厚生を担当している。

幾田 「富士ソフトでは福利厚生として、選択制確定拠出型年金制度、社員持株会、財形貯蓄、グループ保険、社宅寮に加え、連携した数カ所の保養所を提供しています。また2018年からは、総合福利厚生サービスであるベネフィット・ステーションの導入も始めました。レジャーやレストラン、ショッピング、家事代行、自己啓発など、多種多様な場面でお得に利用できます。コロナ禍に入ってからは、とくにスポーツ系の利用が増えてきています」

さらに富士ソフト独自の取り組みとして、“まる得”がある。提携企業の優待サービスが利用できるほか、レジャー施設のチケットや宿泊施設の割引券などの抽選を行っている。

幾田 「仕事のお取り引き先やオフィス近隣の店舗などから声をかけてもらうなどして、レストランやホテルの割引、引っ越しの特別価格などを用意しています。社員へお得なサービスを提供したいという想いから積極的に活動しています」

福利厚生サービスは、さまざまな制度を用意できたとしても、実際に利用してもらわなければ意味がない。その一歩として大切なのが、社員への周知だ。入社式が対面のときはリアルで新入社員にガイダンスができたが、コロナ禍により入社式はオンライン開催となり、ガイダンスをしても興味を持ってもらえず利用者数が伸び悩んでいた。

幾田 「社員持株会や財形貯蓄などの新規加入は、新入社員の入社後が最も多くなるはずですが、そのタイミングで伸び悩むということは、社員への周知に問題があると考えました。そこで利用率を上げるため2020年7月から9カ月間にわたって、福利厚生に関する連載をWeb社内報で公開しました。結果として、福利厚生制度の利用率がアップし、社内表彰されました」

福利厚生の充実が、社員のモチベーションにつながる結果を生む

Web社内報を発信する効果を実感したことから、2020年以降も社内広報の担当者と連携しながら、新しい取り組みを社員に周知している。

幾田 「記事を掲載した後は、読んだ社員から複数の問い合わせがあり、手ごたえを感じました。また、社内報のアンケートでは、福利厚生に関心が高いという統計も出ています。とくにベネフィット・ステーションのサービスについては大きな反響があるので、詳しい内容なども定期的に発信していきたいと考えています。さらに資産形成は、運用期間が長いほど有利になるので、早いうちから興味を持ってもらえるように、選択制確定拠出年金制度に関する情報を定期的に紹介しています」

記事に対する反響は良く福利厚生の周知には一定の成果が出ているものの、その後につなげる部分では課題を感じていると言う。

幾田 「私自身が、字がみっしりと並んでいる記事は読むこと自体を躊躇してしまうので、社員が忙しいときでもパッと見てわかりやすいように改良していきたいと考えています。また、周知したことでさまざまな制度があることを理解してもらっても、仕事の合間に申し込みの手間をかけるほどの必要性を感じていただかなければ利用率は向上しません。申し込みをするための、あと一歩につながる工夫や案内、福利厚生専用のページを手厚くすることが、今後の課題です」

保育士を目指していた大学時代。実習の経験が働きやすい職場を考える契機に

幾田が新卒で富士ソフトに入社したのは2009年4月。リーマンショックの後であり、巷では内定切りの話題がニュースで報じられていた。そのため、内定が決まってもドキドキしながら入社式を待っていたと当時を振り返る。実は幾田は、保育士を志して教育学部のある大学に通っていた。

幾田 「学生時代は、自分は当然このまま保育士になるだろうと考え、迷わず保育士の資格を取得しました。保育の授業で、いくつかの保育所へ実習に行きました。そこで実際に働いて感じたのは、組織によって空気感がまったく違うということ。働きやすさは環境によって作られることを実感し、働く環境を作る側に興味を持つようになりました」

その経験がきっかとなり、働く人を支える側としての仕事をしてみたいと漠然と考え始め、就職活動では保育士ではなく、人事として働ける企業を探した。

幾田 「富士ソフトの会社説明会の中で、『城壁は大きな石だけでできているのではなく、小さな石を含めたいろんな大きさの石があるからこそ、その上に大きな城が構えられるのだ』という話を聞きました。私も新入社員の時点では小さな石にすぎないでしょうが、それでも価値を認めてくれるのなら、この会社で働きたいと思いました」

学生時代に想像していた企業で働くことのイメージは、厳しく殺伐としたものだったが、富士ソフトの説明会はアットホームで優しい印象を持つことができた。当時の印象は今も変わらないと言う幾田。入社後は希望通り人事部に配属され、2021年までは給与計算と社会保険などを担当してきた。

幾田 「私自身、入社当時はあまり福利厚生に意識が向いていなくて、社員持株会や財形貯蓄のメリットが理解できず、申請方法がよくわからなかったので利用に至りませんでした。当時の私に声を掛けられるなら、社員持株会や社宅寮に入って財形貯蓄も早くから始めて資産形成をするようにと伝えたいですね(笑)」

その後は制度を利用して2度の育児休業へ。その間にも福利厚生の制度がますます充実していき、働きやすさが格段に改善してきたことを肌で感じた。

幾田 「人事厚生室の中ではいろいろと経験し、最後に福利厚生だけが未知の分野として残っており、いつかは自分でも携わってみたいと思っていたので、担当できることになったときは嬉しかったです」

社会人になると1日の大半を占める“働く時間”を、より快適にしていきたい

▲上司の高橋(左)

これからも働きやすい環境づくりの手助けになるように、新しいことにチャレンジしていきたいと考えている幾田。

幾田 「給与計算や社会保険の担当をしていたころは、細かな業務にも新しいことを取り入れるように心掛けていました。世の中の流れとして紙から電子に切り替わる時期だったので、紙の運用を単純に電子に置き換えるのではなく、電子になるからこその利便性を想像しながら進めていったところもあります」

現在、新しい福利厚生として幾田が思案しているのは、金融機関と連携した取り組みだ。

幾田 「最近は資産形成に興味がある方が増えてきていると思います。でも、老後に向けて不安感はあるものの、具体的な行動ができていない人が大半なのが現実です。金融機関の方からは、資産形成の勉強会などの話をもらっているので、そういったセミナー系の情報を集約したページの作成を企画中です」

福利厚生担当として精力的に活動を始めている幾田に対して、同部の上司である高橋がエールを送る。

高橋 「遂行力と責任感がとても高く、いつも期待している以上のことを成し遂げてくれるので、これからも福利厚生の新しいアイデアを出してもらいたいです。そして、リーダーとしても後輩を育てていってほしいと思っています」

幾田 「社会人になると1日のうち仕事をしている時間というのは本当に長いので、社員の皆さんに良い時間を過ごしてもらいたい、という信念はずっと変わりません。働きやすい空気感を醸成できるよう、これからも福利厚生担当としてがんばります」

信念を持って突き進む幾田の視線の先には、富士ソフトの福利厚生が活発に活用され、働き方がますます進化した将来が見えている。

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