サッカーの世界からビジネスの世界へ。自らの“戦闘力”にこだわる営業マンの挑戦
大手ネット系広告代理店を経て、2017年にマーケットワン・ジャパンに入社した根本 駿(ねもと しゅん)。彼は、なぜまったくの未経験からBtoBマーケティングの世界に足を踏み入れたのか? “営業”という仕事に対して強い信念を抱く根本がこれまで歩んできた人生、そして内に秘めた熱い想いを紹介します。【talentbookで読む】
22歳。プロサッカー選手という夢からビジネスパーソンへの転身
根本は5歳からはじめたサッカーで頭角を現し、ジュニア時代から8年間大宮アルディージャの下部組織に所属。各年代別の日本代表にも選ばれるなど、大学時代までサッカーに打ち込む日々を送っていました。
しかし、大学4年生の10月。夢をつかみかけた根本は、突如として怪我に見舞われ、サッカー選手として生きていく道が絶たれることになりました――。
絶望のふちに立たされた根本。同世代の大学の友人はすでに多くの企業への内定が決まっており、ほとんどの企業が採用活動を終了していました。
「この後、どうするか……」と不安に襲われながらも、根本は軌道修正をして就職することを決意します。そして、思い立つとすぐに行動を開始していました。
根本 「同期はすでにプロサッカー選手になって活躍している仲間もいたし、大学の友人も就職先が決まっていた頃。1年留年して翌年に就職するという道もあったのかもしれない。でも、このままでは自分が他の人から遅れをとってしまう。『遅れてたまるか』という想いが真っ先にありました。迷っている時間が無駄ですから。
就活をはじめて、ビジネスマンとして自分が働いている姿をイメージしたとき、最初に思い浮かんだのが広告代理店でした。長くサッカーをやっていて、広告代理店で働く人と接する機会があり、自分が働いているイメージが容易にできた、というのが大きかったですかね。
多くの企業は新卒採用のWebサイトもクローズしている状況でしたが、何も行動せずして言い訳を並べるなんて野暮。
行きたい企業の人事に直接問い合わせて事情を説明し、『1回だけ会ってほしい』と志願すれば面接の機会をつかむことができました。
こうして話を聞いてくれた複数の企業の選考を受け、一番強く私のことを欲しがってくれた企業に就職することを決めました」
ビジネスもサッカーと同じ。自らの営業スタイルを築いた新人時代
新卒で大手ネット系広告代理店に入社し、営業としてのキャリアをスタートした根本。そこでの上司との出会いが現在の彼の姿を形づくっていると話します。
根本 「選考期間外にも関わらず、私の思いを受け止め、採用してくれた営業本部長を尊敬していましたし影響を受けました。その方はクライアントに対してブレることなく正面から向き合い、社内外から頼られる存在。その上司の姿を将来の自分に投影することで一種の“憧れ”に近い感情を抱いていました。
新人時代は時にミスをすることもありました。ただ、ミスをしたときにその方に言われた
――ミスしたことは変えられない。すぐに消化して“失敗してよかった”と思える状態に早くもっていけ。その回復までの時間が短ければ短いほど良いスパイラルを生むんだ。
という言葉は今でも意識し、仕事において肝に銘じています」
働きはじめてしばらくたつと、ビジネスとサッカーとの共通点を見出すようにもなりました。
根本 「社会人1~2年目の頃は、どうしても個人の売上にばかり目を向け、心のどこかで“自分さえよければ”と考えがち。
しかし、ふと立ち止まると、プロを目指してサッカーをやっているときの自分が最優先に考えていたのは、“チームに貢献するために、自分がどう動くべきか”ということでした。
ビジネスも、チームプレーという意味では本質は同じ。それ以降は自分のパフォーマンスを最大限に発揮できるようにしつつ、チームの仲間と一緒にビジネスをつくり上げる“チームプレー”を意識して動くようになりました」
自らの市場価値を上げる――攻めのキャリアチェンジで個の成長機会をつかむ
新卒で入社した広告代理店で5年が経った頃のこと。新卒からビジネスを学んできた営業本部長の元を離れ、根本自身の未来に目を向け、新たに挑戦するステージを考えるようになります。
根本 「入社以来、その上司のもとでビジネスの基礎を学びました。身近で目標としてきた方から卒業し『自分も新たなフィールドを攻め、戦闘力をあげたい』と思うようになりました」
決意が固まるとすぐに行動する根本。営業という職種にやりがいと誇りを持っていたこともあり、転職先も営業職に絞って新たなフィールドを探しました。
根本 「これまで同様に“自社のソリューションをクライアントの課題にマッチさせる”というスタイルは崩さない。無形のソリューションを提供し、これまで以上にクライアントの課題にしっかり向き合える仕事がしたかった。
企業を選ぶ基準はもうひとつ。『規模の小さい企業で活躍して自分の貢献で大きくしたい』ということ。成長する企業に入社しバリューを生み、会社の成長にコミットする。そして、会社を拡大するフェーズに携わるコアメンバーでなければ価値はありませんから」
こうした決意を携え、根本は転職活動を開始。
営業という軸はぶらさずに転職活動をしていたときに根本が出会ったのが、BtoBマーケティングを支援するマーケットワン・ジャパンでした。
根本 「BtoBマーケティングの仕事はさっぱりイメージが湧かなかったものの、なぜか一番熱心に誘ってくれたのがマーケットワンだったんですよね。
広告でも、マーケティングでも、扱うものが違うだけで本質的な課題解決を行なうという点では変わらない。これから伸びる会社という意味でも自分のフィールドだと感じましたし、年齢的にもまだまだ新しい領域にチャレンジできると考えました。
また、入社するまでに代表の山田をはじめとした複数の社員と話をする機会があり、プライベートのことも含めて意気投合し、マーケットワンで働きたいと思いました。
何より、畑違いの私にも熱心にオファーしてくれたというのが大きかったですね。営業という仕事には強い思いを持っていましたし、その熱が伝わったのだと思います」
根本を面接した代表の山田 理英子は、当時のことをこう振り返ります。
山田 「私たちが求めているのは、業界の知識やスキルを持ってきてくれる方ではなく、 熱量を持って“一緒に高みを目指して登ってくれる仲間”です。そういう意味で、根本はまさに求めていた人材でした」
こうして、広告からマーケティングへと活躍のフィールドを移し、根本の新たな挑戦がはじまったのです。
根本 「マーケットワン に入社して感じたこと。それは、広告業界にいた頃よりもクライアントの年齢層が高く、部長職やカントリーマネージャー、マネジメント層の方が多いということ。自分の今の年齢ではなかなか会えない方々と一緒に仕事をしています。
経験を重ねてきた方と比べれば、私の“戦闘力”はまだまだ。でも、まずは、そうした方と肩を並べようとすることが自分自身のレベルアップにつながりますし、よりレベルの高い環境に身を置くことがなにより大事なんです。
営業として、受注することは大切。ですが、自分の成長を考えた時に30代前半でクライアントである、カントリーマネージャーやマネジメント層の方々と同じ言語、目線で対峙できるようになっていないと、かっこ悪いじゃないですか」
2017年にマーケティングの世界に足を踏み入れてまだ1年。経験が浅いなかでも顧客に対してソリューションを提供しなければいけません。28歳の根本がビジネスのフィールドで意識していること、特にクライアントとの向き合い方には強いこだわりを持っています。
根本 「マーケットワンにいれば成長機会やチャンスはたくさんありますし、SOSを出せば手を差し伸べてくれる人もたくさんいます。そういった環境に助けられているのは事実ですが、常に“自分から動く”ことを意識しています。
そして、クライアントに対峙するとき意識をしていることは、先方の状況をしっかり聞き把握すること。クライアントのなかには、私よりはるかに知識を持つ方もいれば、まだマーケティング担当になったばかりという方もいます。
でも、何かしらの課題を抱えているという部分では共通していますし、歩幅を合わせて“伴走”することが何より最優先です」
根本の営業スタイルは、代表の山田も初めて目にしたときに驚いたと言います。
山田 「根本は、クライアントと対峙するとき、きちんと準備をして設計もしているけれど、決して強引な誘導はしない。でも、最終的に納めるところにはしっかり納める。独特の営業スタイルを築いていると感じましたね」
「この人に連いていきたい」と心から思われる人になる
仕事に対しては攻めの姿勢で向き合っている根本ですが、休日にはサーフィンでしっかり“充電”することも大事にしています。
根本 「サーフィンをはじめたのは2016年頃。海の中には携帯も時計も持っていけませんから、物理的にいろいろなものからオフラインにしてくれるので、いいリフレッシュになります。
海で初めて会う方もいますが、仕事から離れ、ひとりの“根本 駿”として扱われる時間が好きですね。悩みやストレスなど、仕事の邪魔になるものは海に流してくるようにしています」
マーケットワン・ジャパンの社員は現在60名程度(2018年12月現在)。
今後は新卒の採用も予定しています。根本は、20代後半の中途社員や新卒社員の採用活動にも積極的に関わりたいと考えています。
根本 「営業として6~7年のキャリアの中で、ある程度自分の“型”ができてきました。しかし、多少の経験はあるものの、マネジメントに関しては“戦闘力は0”に近い状況。今後、マーケットワンにも新しい人がどんどん入ってくるので、マネジメント力も磨いていきます。
そして、後輩やこれから入社してくるメンバーに、そしてもちろんクライアントにも『頼りたい』と思われる存在になっていきたいと思っています。セルフイメージは40代で、アメリカのドラマ『SUITS(スーツ)』に出てくる弁護士のハーヴィー・スペクターのようなビジネスマンになっていることですね」
仲間と一緒に高め合いながら、頼れられる存在になること――。
壁にぶつかっても「挫折」とは捉えずチャンスに変え、常に高みを目指し続ける根本。
常に社内の情報に耳を傾け、戦略を実行しながら自分の成長のチャンスを貪欲につかみとる。困ったときに手を差し伸べてくれる先輩を待ち、SOSを出している暇など根本にはない。常に1カ月先、3カ月先の明確な目標を掲げ、そのゴールに向かって行動を逆算しながら日々、成果に向けて走り続けていく。
根本「組織としてチームで成果をあげることはもちろん重要ですが、究極的には各局面で発揮される個の力がすべて。目標を常に定量的な数字で追いかけながら、しっかりとイメージして楽しみながら仕事をする。“プロフェッショナル”ってそういうものだと思うんですよ」
これからも彼は戦闘力を磨き続け、挑戦を続けていきます。