自分の仕事は自分でつくる!挑戦し続ける楽しさを実感した、入社3年目の武者修行 | キャリコネニュース - Page 2
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自分の仕事は自分でつくる!挑戦し続ける楽しさを実感した、入社3年目の武者修行

NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 川畑友理恵

NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 川畑友理恵

お客様のグループ各社で個別運営されていたポイントサービスを共通化する、グループ共通ポイント構築プロジェクトは、その複雑さから何度も試行錯誤が繰り返されていました。そんな中でお客様のフロントに立つことを任された川畑友理恵。持ち前の明るさと問題解決能力の高さで仕事に取り組む彼女の「仕事観」に迫ります。【talentbookで読む】

プロジェクトを進行せよ――たったひとりでお客様先へ

そのプロジェクトは、お客様の多数のグループ会社を全て巻き込むという複雑な案件でした。扱うのは、お客様がカード会員向けに実施しているポイントサービス。

グループ企業がそれぞれ個別に実施していたポイントサービスと、自社のポイントサービスとを共通化し、新たな「共通ポイント」制度を設ける計画が立ち上がりました。お客様の一大プロジェクトに、決済プラットフォームを担当していたNTTデータも加わり、検討がはじまります。

カード決済に関わる、大規模で重要なシステム変更。グループ各社の既存のポイントサービスも生かしたうえで、新たな共通ポイントに関するルールづくりから取り組まなければなりません。

お客様だけでなく、そのグループ会社10数社の協力と合意も必要でした。それだけに検討内容は複雑化し、基本検討と要件定義を行ったり来たりすることもありました。

そんなプロジェクトを前進させることに挑戦したいと、チームに加わることになったのが川畑でした。

川畑 「私をアサインくださった事業部長は『うちの部署からきみが大阪に入って、このプロジェクトの進め方にアドバイスをしてほしい。でも断ってくれてもいいよ』と言ってくださったのですが、『やります!』と即答しました。

チャンスがあるならなんでも挑戦してみたくて。でも冷静に考えたら、私、部署が違うし、システムのこともよく知らない――。本当に私でいいのかな、と少し不安もありました」

それもそのはず。お客様企業のポイントサービスを一括管理するソリューションは、川畑の所属する事業部とは別の部署が扱う商品。当時まだ入社3年目だった川畑は、イチからソリューションについて学ぶ必要がありました。

川畑 「不安はありましたが、ポイントサービスを扱うのは初めてではありませんでしたし、ぜひやってみたいと思いました。お客様拠点は関西にありました。

これまで縁がなく、友達もいなければ土地勘もない場所でしたが、『まずはとにかく行ってみよう!』と心を決めました」

東京にはプロジェクトチームのメンバーもいましたが、「NTTデータの担当者」として関西に常駐するのは川畑ひとり。いわば“武者修行”ともいえる川畑の関西での生活は、こうしてスタートしました。

「社会に大きなインパクトを与える仕事」 それが進路を変えるきっかけに

新入社員時代をともにした同期とは、今でもよく集まるという

新入社員時代をともにした同期とは、今でもよく集まるという

川畑と「ポイントサービス」との出会いは、入社前に遡ります。

大学で情報工学を学んでいた川畑は、ITのエンジニアを目指し、大学院へ進学するつもりでした。ところが大学4年の夏、その後の進路を大きく変える出会いが訪れます。

川畑 「教授に『進学希望でもインターンシップを経験してみては?』と勧められて、NTTデータのインターンシップに参加したんです。そのとき担当させてもらったのが、ポイントサービスに関するシステムでした。

自分が携わったシステムが世の中で広く使われているのが嬉しくて。進路を進学から就職に変更したのはそのとき。『この会社に入れば、社会に大きなインパクトを与えるような仕事ができるかもしれない!』と思ったんです」

SI(システム・インテグレーション)業界のおもしろさに目覚めた川畑は、大学卒業後、NTTデータに入社。所属チームでの仕事が本格化する前に、川畑と同期入社の新人4人は、まず流通小売系通販サイトのポイントサービスを担当する、別チームに支援に行くことになりました。

川畑 「総合試験のテスターとして、消費税の計算式をチェックしていたときのこと。『バグを見つけた!』と思ったんです。でもそれは正確にはバグではありませんでした。

端数を切り捨てるか、繰り上げるか、通販サイトに出店した店舗ごとに計算式の考え方が違っていたのです。そのとき、各社の制度をすべて理解しておかないと、共通化の構築や管理ができないことを実感しました」

そんなある日、川畑ら4人の支援メンバーは、自分たちが担当する総合試験の進行管理に改善できる点があることに気づきます。

川畑 「管理の仕方を変えれば、もう少し無駄なく進められるのではないかと思い、 4人で話し合いました。そして現場のリーダーに『試験の進行管理を自分たちにやらせてほしい』と提案してみたら、『じゃあ、やってみて』と任せてもらえたんです。

後で自分たちの部署に戻り上司に伝えたところ『そんな大事なこと、よく新人にやらせてくれたね』と驚かれました(笑)。でも今思えば、最初にこの通販サイトの仕事を手伝えたことは、後の仕事にすごく役立っています」

与えられた仕事だけではなく、自分で考え、自分で仕事をつくる――。そうした姿勢は、そのまま問題解決能力にも結びつきます。

やがて川畑は、蓄積したポイントサービスの知識と問題解決能力の高さから、事業部長に「ポイントなら川畑」と言わせるほど成長していました。お客様先への常駐に川畑が指名されたのも、そんな彼女に対する期待と信頼の現れだったのです。

ITのジェネラリストとして、世の中を動かすような仕組みづくりがしたい

川畑は、さっそくお客様の担当者とともに、グループ会社のヒアリングを開始。同時に、10数社それぞれで異なる現行のポイントサービス制度を徹底的に研究しました。

川畑 「『グループ会社のポイントサービスに関しては、私が一番詳しくなってやる!』くらいの気持ちで猛勉強しました。たぶん今、世界で一番私が詳しい(笑)。自信あります」

プロジェクトを進める大前提となるのは、お客様が“本当に望むこと”の明確化。でも、それをヒアリングで導き出すのは並大抵のことではありません。

特に今回のように新たなシステムをつくる場合、お客様自身も「新システムで何ができるか」までは想像しにくいからです。だからこそ、コンサル的役割を担う川畑の提案力が問われていました。

川畑 「まずは『共通ポイント』という新たな制度をつくる目的を明文化して、お客様に納得していただくことに注力しました。そのうえで、共通ポイントというサービスをどう位置づけるか、現行のポイント制度とどう関連づけるか。

それをどうやってかたちにするのか。小さなステップをひとつひとつ積み重ね、複雑なパズルを組み立てるような作業でした」

夜、滞在先のウィークリーマンションに戻ると、調べものや勉強に明け暮れました。わからないことがあれば、チームメンバーにメールで問い合わせ、判断に迷えば、上司に電話で相談しました。

そうして深めた知識をもとにお客様とコミュニケーションを重ねるうち、お客様が本当に必要としていることが徐々に見えてきました。滞りがちだったプロジェクトは、少しずつ動き出し、開発の1期目は無事終了。2期目も順調に進行しています。

学生時代にエンジニア志望だった川畑は、プログラミングを得意としていました。入社後も、社外のデータマイニングのコンペに参加し、本職のエンジニアたちを相手に2位に入賞したほどの実力の持ち主。

エンジニアの道も選べたはずですが、今回のようなコンサル的役割や、プロジェクトの管理・進行のほうが好きだと川畑は話します。

川畑 「自分はたぶん、スペシャリストよりジェネラリストのほうが向いているような気がします。システムでもサービスでもプロジェクトでも、全体を考えながら『仕組みづくり』をするのが楽しいんです」

自分の無力さを痛感することも。しかしそれが未来へのエネルギーになる

久しぶりに東京に戻ってきた川畑(中央)。同じチームの仲間たちと

久しぶりに東京に戻ってきた川畑(中央)。同じチームの仲間たちと

期待に応え、お客様とともにプロジェクトを前に進めていった川畑。上司やチームのメンバーに電話やメールで相談することはできても、お客様の前では基本的にひとり。

川畑 「孤独だとか、仕事がつらいと思ったことはありませんでした。昔から集団行動よりひとりで動くほうが好きなタイプでしたから。ただ、自分の『無力さ』みたいなものを痛感する場面は何度もありました。

私が全然できなかったことを、上司がサラっと解決したりするのを見ると『あぁ、本当に私は、まだまだだな……』と。でも、それでいちいち落ち込んではいられません。自分の足りない部分を知ることは、私にとって『未来へのエネルギー』だと思っています」

好きだから、頑張れる――。常にパワフルな川畑の原動力は、実はそんな誰もが知っているシンプルな力なのかもしれません。

川畑 「難しいプロジェクトでしたけれど、その分、取り組み甲斐もありました。仕事の仕方を自分で決めて、ある程度自由に動けたので、楽しく仕事ができました。もともと忙しくしているのは好きなんです。 配属面談のとき『忙しい部署に配属してください』とお願いしたくらいです。『ワークライフ バランス』という言葉がありますが、今の私にとっては『ワーク イズ ライフ』。

1日のうち仕事をする時間って長いので、そこを充実させれば、きっと人生そのものがおもしろくなる。だからこそ、どんなに大変な仕事でも“楽しむ”ことを大切にしています」

仕事を楽しむためには、楽しく仕事ができる環境をつくることも大事。

川畑 「自分はもちろんですが、周囲の人にも楽しく仕事をしてもらえたらいいなとも思っています。ですから上司や同僚とのコミュニケーションも、普段から大切にしています。 気をつけているのは『自分とは違う価値観』も尊重すること。たとえば、私は『ワーク イズ ライフ』ですが、周囲にそれを押しつけるつもりはありません。

『ワークライフ バランス』を大切にする人がいて当然だし、それは尊重すべき。お互いの考えや価値観を尊重しあうからこそ、新しいアイデアが生まれてくるのだと思います」

今、仕事が楽しくてたまらないという川畑。常に“楽しい”と思える理由は、仕事に対する彼女の姿勢そのものにありました。

川畑 「自分の好きな仕事をやりたいから、何かやりたいことを見つけたら『私、やりたいです』って言います。新人だから、女性だからと遠慮するような雰囲気が一切ない職場ですし。

上司や同僚には本当に恵まれています。これからも ITのジェネラリストとして、世の中を変えるような新しい仕組みづくりに携わっていきたい。そのためにも、もっともっと勉強して知識や経験を身につけたいです」

関西での武者修行は川畑にとって、未来へのストレッチともいえる出来事でした。ひと回り成長を遂げた川畑は、また新たな目標に向かって軽やかに歩みを進めています。

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