本部長はアルバイト入社!?チャレンジ精神で失敗も乗り越えてきた20年のキャリア | キャリコネニュース - Page 2
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本部長はアルバイト入社!?チャレンジ精神で失敗も乗り越えてきた20年のキャリア

▲Shop Japan Channel Department. 本部長の浅野茂樹

▲Shop Japan Channel Department. 本部長の浅野茂樹

ショップジャパンの企業文化のひとつに“チャレンジ精神”があります。まさにチャレンジを続けた結果、コールセンターのアルバイトから100名の社員を統括する本部長になった、浅野茂樹のお話をお届けします。【talentbookで読む】

本部長はアルバイトだった?

オークローンマーケティングが運営する「ショップジャパン」は、創業当時から展開しているテレビショッピング以外にも、Eコマースや店舗卸し、直営店の運営、コールセンター業務など、他チャネルでの展開もしています。

この「ショップジャパン」が展開するチャネルの責任者を務めているのが、Shop Japan Channel Department.本部長の浅野茂樹です。浅野はお客様がどこでも楽しくお買い物ができるよう、「ショップジャパン」が展開するチャネルの最適化を行っています。

浅野が入社したのは1999年3月のことです。実は入社の経緯は正社員ではなく、アルバイトでした。コールセンターのコミュニケーター(お客様からの受注入電、カスタマーサポート、アウトバウンドを対応する者)のアルバイトでした。

浅野 「最初にショップジャパンに出会ったのは20歳の時でした。当時はやりたいこともとくになく、目に飛び込んできたコミュニケーター(お客様からの受注入電、カスタマーサポート、アウトバウンドを対応する者)のアルバイトの募集広告を見て応募しました。
もともと人と話すことが好きだったということもあり、軽い気持ちでやってみようと思いました」

そんな浅野が正社員になったきっかけは、トレーナーからの「次のステップとして人を育てる立場になってみないか?」というひとことでした。

浅野 「今思えば本当に恥ずかしい話ですが、この時のトレーナーからの正社員化の提案も、誘っていただいたから……という軽い気持ちでお受けしました。本当にキャリアのこととか何も考えていない、ただの若者だったんですよね(笑)」

こうして軽い気持ちで育成係に就いた浅野でしたが、その仕事に対する意識は、当時コミュニケーションセンターで責任者をしていた、現ショップジャパン取締役のハリー・A・ヒルからの言葉で、少しずつ変わってきたと言います。

浅野 「ヒルから『ショップジャパンにとってはお客様の声がもっとも大切。お客様との接点となるコミュニケーションセンターは、ショップジャパンのビジネスの中心だ』と言われ、自分が携わっている仕事の重要さを身に染みて感じ、会社の要に携われているという自信にもつながりました。

このひとことは、私が仕事に意味を見出すきっかけになっています。 “来たチャンスには乗る、チャレンジすることで得られるものがある ”と学びましたね」

ビリーズブートキャンプの成功の裏で……

▲2006年に発売したビリーズブートキャンプ

▲2006年に発売したビリーズブートキャンプ

そんな浅野に、またしても転機がやってきます。ヒルから「キャリアをさらに広げるために異動してみてはどうか」と提案があり、2006年に本社へブランドマネージャー(現マーケティング担当)として異動したのです。

浅野 「ショップジャパンの商品は海外からの仕入れが多いため、ブランドマネージャーは海外サプライヤーとのやりとりが発生します。正直な話、英語はまったくできませんでした(笑)。なので、自分には向いていないのではとも思いました。

けど、ここでも “チャンスに乗る、そしてチャレンジする ”というマインドを思い出し、話を受けてみることにしたんです」

こうして先輩社員のアシスタントとして異動した浅野。最初に携わったのは一大ブームを巻き起こしたエクササイズDVD、「ビリーズブートキャンプ」でした。

「ビリーズブートキャンプ」は2006年の発売からわずか1年で150万セットを売り上げるという、驚異的なヒット商品となりました。これによりショップジャパンの売上も約2倍に増えたのも事実です。

しかし、浅野にとってこの出来事は、決して恵まれたスタートではありませんでした。

浅野 「ビリーズブートキャンプは成功事例でもありますが、学びが多かった商品だなという認識でいます。

というのも、購入したお客様の中にはエクササイズ内容がハードすぎるゆえに、途中で挫折される方が多かったのです。また、私たちもお客様に使い続けていただけるようなサポートをできていませんでした。

本来はお客様のエクササイズやダイエットを応援するための商品なのに、使っていただけていないのは意味がありません。やがてブームは 1年で過ぎ、売上にも影響しました。もし使い続けて商品の良さを実感してくださっていれば、家族や友人に勧めていただくこともあったでしょう」

この経験から、浅野は“お客様のニーズにあった商品を見つけ、使い続けていただけるサイクルをつくり、市場の拡大にも貢献したい”との想いが芽生えたと言います。そして、この想いが後に「コアリズム」という大ヒット商品を生みます。

自分が関わった商品が、街の人たちの会話に出てくるってすごい

▲浅野が初めて主担当で携わったコアリズム

▲浅野が初めて主担当で携わったコアリズム

2008年に発売した「コアリズム」はダンスをベースにしつつ、初心者の方でも続けていただけるよう、比較的簡単な動きで構成されたエクササイズプログラムです。ラテンやサルサなどさまざまな音楽を用意したことで飽きにくく、多くの女性のお客様にご好評いただきながら、300万枚を突破する大ヒット商品となりました。

浅野はこの商品をブランドマネージャーとして初めて主担当し、その後も「ヤーナリズム」や「TRF イージー・ドゥ・ダンササイズ」といった数々のエクササイズDVDを発売して市場拡大に貢献していきます。

浅野 「何気なく入った近所のファミレスで、後ろの席に座った女子大生の『最近流行っているコアリズムやばくな〜い?』という声が聞こえてきた時は、本当に嬉しかったですね。

自分が関わった商品が街中の人たちの会話に出てくるってすごいな、と思いました。一大ムーブメントを起こせる会社ってなかなかないですから。

でもこのヒットはビリーズブートキャンプの前例があったからこそできたものです。ヒット商品の裏側にはたくさんの失敗があるんです」

浅野はその後、フィットネスカテゴリー以外にも、ショップジャパンすべてのプロダクトブランドのマーケティング責任者を務め、数々のヒット商品を生み出してきました。

そんな浅野が大切にしていることとは──。

浅野 「ただ物を売るだけではなく、お客様に楽しくお買い物をしていただきたい。そして私たちの商品を通して、お客様が抱えるお悩みや課題が解決し、楽しい毎日を送っていただきたい。そんな想いを持って商品をお届けしています。

そのため、商品はユニークで便利ではなくてはいけません。そしてお買い求めいただく売り場は、思わずお客様が “ WOW! ”と言いたくなるエンターテインメント性のある演出があった方がいいと思っています。この軸は今も昔も変わることはありません」

この軸は「お客様に楽しくお買い物をしていただけるのであればどんなチャレンジもさせてもらえる」というショップジャパンのカルチャーにもつながっています。

浅野 「私自身がなんの経験やスキルも持たないままこの会社に飛び込んだこともあり、ショップジャパンはチャレンジができる環境であることを身をもって発信しています。20代前半の時に同級生との会話で、友人たちよりも自分が任せてもらえている仕事の領域の広さに驚いたことを、今でも覚えています。

この時の感動体験を多くの社員に体感してもらえるよう、機会をつくっていくことがマネージメントの立場としてやるべきことだと考えています。年間 100億円規模のヒット商品に携われる機会や、無名だった商品をマーケット No.1に育て上げる経験を、若いうちからできる環境を守り続けたいですね」

入社21年目の今も、挑戦することを忘れない

▲2019年現在のコミュニケーションセンター「札幌センター」。Shop Japanにとって大切な場所

▲2019年現在のコミュニケーションセンター「札幌センター」。Shop Japanにとって大切な場所

長年に渡りマーケティングに携わってきた浅野ですが、2018年よりショップジャパンが展開するチャネル(Eコマース、店舗、コールセンター)を統括するShop Japan Channel Department.の本部長に着任しました。

浅野 「チャネルへの異動は執行役員の加藤からのリクエストでした。実は半年ほど、この話をお断りしていたんです。
マーケティングの戦略は中長期目線で物事を判断しますが、チャネルの場合は毎日が勝負なので、短期での目線を持っておく必要があります。この経験は私の 20年の社会人経験で初めてとなりますし、組織で言うとかなり大きな部類に入るので、まだ自分には実力不足なのではないかと」

しかし、加藤は浅野がブランドを経験してきたからこそ、次は販売を経験していくのがスキルアップになると、期待と信頼を置いてくれたそうです。

浅野 「その時に、自分で自分のチャレンジを止めてしまっていると気付きました。ありがたいことにショップジャパンは失敗しても、そこでの学びを次に生かすことが認められる環境なので、やってみようと決意できました」

現在浅野が統括するShop Japan Channel Department.は、100名のメンバーが在籍する巨大組織です。年齢、性別、学歴、拠点、入社経緯(新卒or中途)など多様なメンバーが在籍している中、浅野がマネージメントとして気を付けていることとは。

浅野 「私の 3 / 4の時間は、部下のための時間です。たとえば部長クラスだと、週に一度は必ず 30分の 1 on 1をやります。課長クラスだと 2週間に 1回、スタッフだと四半期ごとに必ず 1 on 1をして、私が今考えている方向性や会社の現状を話しつつ、社員が今やりたいことなどをヒアリングし、フィードバックをしています。かなりアナログですが、この時間がとても大切なんです。
自分がこれまで楽しく仕事をできてきたのは、かつて上司に背中を押してもらえたり、チャンスを与えてもらったりしたことによります。私が入社した時代からすると、ショップジャパンはだいぶ大きな会社になりました。しかし、会社のカルチャーであるチャレンジ精神は薄れてほしくありません。そのために、これからは社員一人ひとりのチャレンジが増していくことに貢献していきたいですね」

アルバイトから本部長に躍進した浅野のチャレンジは、まだまだ続きます。

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