エンタメをアップデートせよ。「XFLAG PARK 2019」つくり手たちの矜持
仲間とハシャいで、熱くなれ──。ミクシィでエンターテインメント事業を担うXFLAGがプロデュースするゲーム・アニメ・音楽・スポーツなど、多彩なジャンルが融合したイベント「XFLAG PARK」。2019年は史上最大規模で開催します。このイベントをひも解くことで見える“真のエンターテインメント”とは。【talentbookで読む】
XFLAG PARKで提供するエンターテインメントの“新しい形”
複合型LIVEエンターテインメントショーのXFLAG PARK。XFLAGの持つIP(知的財産)の世界観を“体験”によって拡張することで、幅広いエンターテインメントを包括するイベントを目指し、挑戦を続けています。
XFLAG PARKを初めて開催したのは、2016年。当初は1日だけのイベントでした。しかし、翌年の2017年には2日間、2018年にはファン向けの前夜祭(XFLAG FREAK)を含めて3日間開催するなど、少しずつ規模を拡大。2018年の動員人数は4万人を超えました。そして、4年目を迎えた2019年は、会場の規模を前年よりも広げ、さらなる高みを目指します。
XFLAG PARKでこれまで扱ってきたコンテンツは、主なIPとなるモンスターストライク(スマホアプリ)のプレイを楽しむゲームショーのほか、アニメや音楽、スポーツなどと多彩です。モンスターストライクを、あらゆるエンターテインメントの切り口から感動に結びつけるという点を意識しています。
今回、このXFLAG PARKをけん引するのが、ライブエンターテインメント事業部の森本周平。彼は、XFLAGが“リアルイベント”を大切にする理由をこう語ります。
森本 「あえてイベントという形で挑戦を続けているのは、モンスターストライクのユーザーの皆さまと近い距離で接することができるからです。 XFLAG PARKを通じてユーザー様からいただけるフィードバックは、熱量が高いんです。こうした交流の場を大切にしたいという気持ちが大きいですね。
また毎年開催することで、 XFLAG PARKが皆さまのなかで習慣化されることを願っています。年に 1回集まる場所として認識してもらうことで、 “長期的な文化づくり ”にもつながると思うんです」
お客様とつながり、共に文化を育てていく──。
こうした想いの裏側には、私たちXFLAGが戦略コンセプトとして掲げる「B.B.Q(バーベキュー)」があります。
XFLAG PARKが目指すのは、誰もが思い思いに楽しめるイベント
XFLAGが掲げる戦略コンセプト「B.B.Q」には、 屋外で楽しむ“バーベキュー”のように「友達や家族と集まって、熱く盛り上がれる場所をつくる」という想いが込められています。
森本 「私が考えるバーベキューのおもしろいところは、参加者の目的がひとつではないところ。焼くこと、食べること、自然を楽しむこと、子どもと遊ぶこと……。思い思いに楽しんだ結果として、好きなものを共有したりオススメしたりといったコミュニケーションが生まれるのが、バーベキューだと考えています。
私が XFLAG PARKにおいて考える B.B.Qは、『思い思いに楽しめる場にすること』です。ステージを楽しみに来る人、飲食が好きな人、グッズ購入が目的の人。さまざまなお客様を想定して、一つひとつのイベントをつくり上げます」
しかし、「どうぞご自由に」といった完全な“放任主義”では、お客様も困ってしまうでしょう。
そこでXFLAGが大切にしているのが、企画の解像度を上げる工夫。お客様が「何を見てどんな感情を抱くのか」を明確にしてから、それにひもづくコンテンツを逆算してつくり上げていきます。
森本 「エンターテインメントは提供する側がどんなに入念に準備をしても、受け手側が想像通りの反応をしてくれるかどうかは、当日までわかりません。しかし、私たちはできる限り確実に皆さまに楽しんでもらえるコンテンツをつくるために、シミュレーションを徹底します。そこに狙いや目的がなければ、再現性がありませんから。
たとえば、ステージで行われるトークのシナリオに関してはどのタイミングでお客様が盛り上がるのかなど、リアクションの一つひとつをシミュレーションします」
さらに森本たちは、お客様のニーズに応じたコンテンツのマッピングを行い、イベント全体のコンテンツのバランスも調整しています。
友人同士、家族同士、恋人同士、あるいはゲーム仲間など、XFLAG PARKに参加する方々の関係性は多様です。そこで、誰もが楽しめるよう、それぞれを対象にしたコンテンツをイベント全体にバランスよく配置していくのです。
森本 「とはいえ、ニーズを意識しすぎると、同質なコンテンツに偏ってしまいがちです。既視感のあるものに収まってしまい、新しさが欠けてしまいます。そこを自分たちで刷新していく意識も必要ですね。毎年、守破離(しゅ・は・り)を重ねます」
“お客様視点”でさらに加速する、XFLAG PARKの挑戦
この「守・破・離」。コンテンツはもちろん、XFLAG PARKのタグラインにもその姿勢は表れています。
XFLAG PARKでは、これまで「“ケタハズレ”の幕が上がる。(2016年)」「ケタハズレな興奮を、ここに。(2017年)」「ケタハズレを、超えていけ。(2018年)」と、「ケタハズレ」という言葉をタグラインに組み込んできました。
しかし2019年、「仲間とハシャいで、熱くなれ。」というこれまでとは異なるタグラインを打ち出しました。
XFLAGが今まで目指してきた「ケタハズレ」は、つくり手の視点から見たコンテンツの指標です。そのケタハズレを実現した先に何があるかチーム全員で深く議論してたどり着いたのは、お客様の「一体感」でした。
「仲間とハシャいで、熱くなれ。」は、お客様同士の一体感を表現するために選んだタグラインです。つまり、XFLAG PARK 2019では、お客様の視点でテーマを語るようになったのです。
2019年から新たに導入されたロゴも、興奮や感動が伝播していく様子を象徴してつくられました。長期の議論を重ね、XFLAGチームの社員投票によって選ばれ、メンバー自身が熱い想いでつくり上げたロゴといえるでしょう。
森本 「タグライン、ロゴ……。これらの変化は、 XFLAG PARKというイベントそのものが次のステージへ移行したことを表しています。
こうした変化の中で期待したいお客様の反応は、『また来年の XFLAG PARKで会おう』というものです。エンターテインメントを思い思いに楽しんでもらうことを意識してつくられてきた XFLAG PARKは、いつしかファンコミュニティ形成の場へと進化しつつあるということです」
そういったお客様の変化も鑑みつつ、 2019年の新しい試みとしてファミリーエリアを設けたり、お笑いステージを導入したりといったコンテンツ面での強化が進んでいます。
アトラクションとして楽しめるドローンシューティングなど、会場の仲間同士で楽しみ、コミュニケーションが生まれることを想定した企画が目白押しです。しかし、これはあくまで一例だと森本は語ります。
森本 「率直に言えば……すべてに思い入れがあって、 “一押しの企画 ”を選べないんですよね。一つひとつの企画に、お客様に楽しんでいただくための想いや工夫がある。アーティストがアルバムをリリースする際にオススメの 1曲をなかなか選ぶことができない、そんな感覚です」
メンバーの想いは、お客様にも確かに通じているはず。「XFLAG PARKで、サーカスやミュージカルを初めて見たけどおもしろかった!」という声や、「キャラクターへの愛着が一層深まった」という声が毎年寄せられています。
森本 「皆さまの “声 ”を聴くたびに、手応えを感じますね。多様なコンテンツを包括したイベントの特徴も浸透してきていて、参加の目的が明確なお客様が増えているように思います。お客様が XFLAG PARKを思い思いに楽しんでくださっていることが実感できて、うれしいです」
エンターテインメントを、人生の“価値”たるものに昇華する
私たちXFLAGが提供するエンターテインメントは、衣食住のように生活に必要なものではありません。極論を言えば、「なくても生きていけるもの」です。
森本 「それでもつくり続けるのは、エンターテインメントがもたらす感動は人生を変え得ると信じているから。たとえば、『あの映画との出会いが自分の価値観を変えた』という瞬間って、誰しもあると思うんです。私は、そうした “人の人生に価値をもたらすもの ”を提供したいと願いながら、 XFLAG PARKをつくっています。
だからこそ、お客様の “感動 ”を主軸とした緻密なコンテンツづくりにこだわるんです。そこまでこだわって初めて、エンターテインメントに “意義 ”が生まれると考えています」
今後も私たちXFLAGは“遊び”のアップデートを続けていきたいと考えています。厳密に言えば、完全に新しい“遊び”というものはなかなか生まれません。誰もが原体験としている“遊び”のおもしろさを抽出し、ほかの要素と組み合わせることにより、“遊び”が新しいエンターテインメントへアップデートされると考えます。
その挑戦の在り方を拡張するという点で、今後はイベントという形にとらわれずに、さまざまな形のエンターテインメントに挑戦していきたいと考えています。
XFLAG PARKを、今後より一層“お客様のもの”にしていくために──。思い思いに楽しんでもらい、毎年その場に参加することがお客様の人生にとってプラスになる。そうしたカルチャーを、XFLAGはつくり出していきます。