史上最短でリーダーに昇格。32歳未経験者のサクセスストーリー
営業本部ゲーム営業部リーダー、押山睦。2019年現在はゲーム営業部の中核として活躍していますが、初めはまったくの異業界から、30歳の節目でデジタル業界に飛び込んできた異端児でした。今の活躍に至るまでの、未経験者だからこそのサクセスストーリーをひも解いていきます。【talentbookで読む】
本気でやりたいことを求めて
押山 「正直、新卒の就職活動は真面目に取り組んだとは言えませんでした。とくにやりたいことがあったわけでもなかったので、業界は絞らず、知名度のある企業だけを受けていました。早稲田大学卒だし、どこかしらは引っかかるでしょ、みたいな。結果は撃沈です(笑)。
そんなときに前職の社長と出会いました。うまく言語化はできないのですが、とにかくその方のパワーに強く惹かれたことを、今でも覚えています。自分自身はあまり覇気があるタイプではないので、熱量高く働く人への憧れもあったんだと思います」
大学卒業後、新卒で店舗店頭の活性化をミッションに、販促支援といったフィールドマーケティングサービスを提供する営業に従事していた押山。商材はさまざまで、覆面調査サービスから店頭CS満足度向上サポートサービス、販売員の提供等、和菓子の小売業まで、幅広い事業に携わっていました。
そうやってさまざまな事業、商材を手がけていく中で、押山にある想いが芽生えます。
押山 「プライベートなことですが、結婚をしたということと、30歳という節目のタイミングも重なり、就職活動のときと違って、真剣に今後のキャリアを考える機会が増えました。自分は生涯をかけて何をしていきたいのかと考えたときに、今まで店頭という領域での販促にずっと携わってきたけれど、今後はその領域をもっと広げられないかと思いついたんです。
さらに、当時の市場はデジタルに移り変わりつつあったことと、もともと数値分析が好きということもあり、データを活用した販促やデータとリアルの融合など総合的に学びたくなりました」
そんなとき、当時押山が出向していた和菓子屋が事業方針として売却されることが決まりました。押山はこのタイミングで、新しいステージに挑戦しようと決心したと言います。
押山 「まったく異業界ではありましたが、とにかくまずはデジタルの領域に飛び込まないといけないと思いました。自分は店頭販促のことしか知らないので、デジタルの中でも広告業界に入れば、データとマーケティングの両方が同時に学べるのではないかと考えたんです。
そこでデジタルの広告代理店に絞り、転職活動をしました。今思うと、就職活動のときとは打って変わって、本当に熱量高くやりたいことを探していましたね」
そこで押山はD2C Rと出会います。
押山 「まず、デジタル広告が事業の中心なので、デジタルマーケティングは間違いなく学べるなと。また、自社開発の ART DMPを持っており、お客様のデータをプロモーションに活用できる点も魅力でした。さらに docomoの孫会社ということもあり、いずれは docomoのユーザーに関する大きなデータを扱うこともできるのでは、という可能性を面接で感じ、ここでなら自分のやりたい領域の仕事ができると確信しました」
そしてもうひとつ、D2C Rへ入社を決めた理由がありました。
押山 「面接後の結果回答が、毎回どこの企業よりもダントツで早かったんですよ(笑)。面接の帰宅途中に連絡が来るんです。そういう会社ってすごくいいなって素直に感じました。それに求められているという気持ちにもなれたので、入社を決めました」
30歳、異業界から飛び込み感じた苦労と営業としての気づき
入社してからは、一貫してゲーム案件を担当している押山。担当タイトルのプロモーション戦略の設計、提案、実施、それに関わる社内ディレクションを主な業務として取り組んでいます。 今となっては営業部の中核メンバーとなっている押山ですが、初めての仕事はまったく未知の領域だったと言います。
押山 「初めての仕事が美少女ゲームの広告のラフ案作成だったんですよ。美少女……? え、美少女!!??という感じでした(笑)。
美少女ゲームはプライベートでもやったことがなかったので、完全に未知の領域でした。先輩には自分がおもしろいと思うことを書けば大丈夫と言われたのですが、その言葉でさらに混乱したのを覚えています(笑)」
さらに押山はゲーム案件のアカウントプランナー、広告業界のチーム体制という壁にぶつかります。
押山 「僕自身ゲームは好きでしたが、入社すると D2C Rにはコンテンツをすごく理解している人、いろんなジャンルにめちゃめちゃ詳しい人、タイトルに関連するイベントを熱心に語っている人など、ゲーム愛のある人がたくさんいて、自分の今の知識では全然太刀打ちできないと思いました。
あと広告業界では多いと思うんですが、案件ごとにチームが組まれるんです。前職ではチームで仕事をするというよりかは個人商店みたいな感じだったので、都度都度『これは誰に聞けばいいんだっけ?』『これはどのタイミングでどう伝えるべき?』など、とにかくチームでリレーションを取るという仕事の体制に苦戦していました」
そんな仕事の始まりを経験した押山に、早々に転機が訪れます。
押山 「入社 2カ月後、チームメンバーの部署移動があり、異動したメンバーの案件を僕がアカウントプランナーとしてメインで引き継ぐことが決まりました。そこから怒涛の日々が始まります(笑)」
入社早々に案件に携わる機会を得たことで、異業界での苦労も経験しつつ着実にスキルアップをしてきた押山。ですが一方で、前職とD2C Rでの営業を経験して気づいた共通項もあると言います。
押山 「前職も含めて、いろんな業界には触れてきたなという自負はあるのですが、結局営業として前に立ったときに大事なことは、どこの業界も共通なんじゃないかなって思いますね。当たり前のことなんですけど、やっぱり『クライアント視点の思考』『対応スピード』『誠実さ』『先回りすること』これに尽きるのかなって。広告代理業では、扱える媒体はどの代理店も同じです。
その中で差を生みやすいのは『誰が提案するか』だと思います。知識のベースはもちろんですが、先ほどの 4つのことが信頼関係の構築につながっていると考えています」
最短でのリーダー昇格
入社して半年、さまざまな経験を積み成果を残してきた押山ですが、入社のタイミングであることを決めていたと言います。
押山 「何かしら自分の売りはつくりたかったんですよ。もともと器用貧乏というか、苦手なことはあんまりないけど、強みもとくにないみたいな。なので、これだけは僕に聞いてくれればすべて解決!みたいなものをひとつつくって、愚直にやっていこうと思っていました。当時で言うとそれはエクセルでしたね」
エクセルというと、誰でも使えるんじゃないかというイメージを持たれがちですが、データをどうまとめると仮説が立てやすいか、どうやると効率的に業務が進むのかなど、使い方ひとつでアウトプットが変わってきます。
押山はそこに強みを持ち、積極的にチームメンバーだけでなく、社内でコミュニケーションを取り、困っている人がいれば自分から声をかけていくことを続けました。すると徐々に「エクセルで困ったことがあれば押山に聞けば大丈夫」というブランディングが社内でも確立していったのです。
押山 「そのようなブランディングができていき、メンバーとコミュニケーションが増えたことで学ぶことも本当にたくさんありました。僕が意識していたのは、若い会社なので自分よりも年下の先輩メンバーばかりでしたが、斜に構えず素直に吸収していこうと。その甲斐あってか、いろいろな方に助けていただけるようにもなりました」
そのようにして会社の中核メンバーとして存在感を出し始めた押山に、また転機が訪れます。リーダー昇格の打診です。しかしそれは、押山にとっていい意味で、大きな分岐点ではなかったと言います。
押山 「リーダーやってみる?と上長に言われたときには素直に嬉しかったのですが、加えて上長に『あえて言うけど、これはゴールではなく通過点だから』と言われ、はっとしました。たしかにここは通過点。あんまり斜に構えず、今まで通りクライアントに誠実に向き合い、それをメンバーに見せていこうと」
一方でリーダーを経験してみて、やはり難しいと感じた点もあると言います。
押山 「当たり前のことですが、人によって感じ方は違うので、それぞれのメンバーに合わせたコミュニケーションが必要です。さらに言うと個人の営業スタイルの向き不向きもあるため、自分のやり方を押しつけるのではなく、示しつつ考えさせなければいけないというのは非常に難しかったです。あとは自身の案件に割く時間とリーダーとして割く時間のバランスの取り方にも苦労しました」
そこから押山が学んだことがあります。
「重要度×緊急度の 4象限のバランスは今でも強く意識しながら業務にあたっています。時と場合によって何が重要で緊急かは異なってきますが、ここを意識することで『今一番に取り組まないといけないことは何か』というのは常に意識しています」
データドリブンマーケティングを意識し、D2C Rを強くしていく
リーダーとしてマネジメントの領域でも活躍する中で、さらに事業領域でも挑戦する姿勢が押山にはあります。それは入社したタイミングから抱いていたデータドリブンマーケティングを、実務に取り入れていくこと。
押山 「異業種から D2C Rにジョインして 1年半、デジタル広告やプロモーションの基礎知識は手前味噌ですが習得できたかなと思っています。なので入社当初持っていたデータドリブンマーケティングへの想いを再燃させ、自身の分析・解析のスキルを磨き、そのスキルをもって D2C Rを『データも強い広告代理店』にしていきたいです。
データに強い、クリエイティブも強い、このふたつの武器が確立できれば、デジタル広告代理店としても大きなステップアップになるのではと勝手に思い描いています」
D2C Rを強くしていく鍵を握る「データマーケティング」。データを分析する力はこれからも強化されていかなければなりません。その第一人者を押山が担っていくと信じています。