大切なのは自らの向上心。リーダーとして、母として生き続けるために
リックソフトのヘルプデスクでお客様の困った状況に丁寧に向き合い、解決に導く南澤 。彼女はヘルプデスクのリーダーであり時短で働くママでもあります。2013年に中途入社した南澤は産休・育休制度の利用を経て、在宅制度なども積極的に活用する時短ワーカー。そんな彼女がリックソフトで輝き続ける理由をご紹介します。【talentbookで読む】
刺激を受け続けた学生時代
大学時代は物理を専攻していた南澤がIT業界に飛び込んだのは海外と関わる仕事がしたかったから。海外に興味を持ったきっかけは大学時代に過ごした仲間たちが影響していました。彼女は自らが過ごした寮生活は少し変わっていたと話します。
学生の9割が下宿生という中で、隣には芸術系の学部生、その隣には日本代表に選ばれるようなスポーツ選手という環境。多種多様なバックグラウンドをもつ人々の中で、多くの考えや価値観に刺激を受けました。
大学の入学当初こそ海外に興味がなかった南澤ですが、彼らと触れるうちに外の世界へチャレンジしてみたくなったのでした。
南澤 「新卒で技術商社を選んだのは、海外とつながれる仕事をしてみたかったからです。学生時代は 5カ国くらいしか行けなかったのですが、より多くの国に行ってみたかったんです。入社当時は慣れない英語でのビジネスメールに四苦八苦しましたね。ただ、そこでの経験はリックソフトでの海外のお客様とのやりとりに生きてると思います」
また、ソフトメーカーへの転職のタイミングで中南米を回ったのは今も楽しかった思い出として心に残っていると語ります。
南澤 「九州に行くような感覚で行ったから、季節が逆なのも知らなくて(笑)。現地で防寒具を買って寒さを凌ぎながらひたすら観光していました。パワーを使い果たした 3カ月でしたね」
てきぱきと仕事をこなすクールな彼女の意外とアクティブな一面。そんな彼女はなぜリックソフトに入社したのでしょう。
学ぶ自由を求めて──「もっと学びたい」を押してくれる環境がここにはある
2013年、まだ20名ほどの小さな規模だったリックソフトに南澤は飛び込みます。
リックソフトでは、お客様からサポートへの問い合わせは、メール、Web、オンライン会議などさまざまな方法があります。一時期に大手銀行へ出向し、OEM提供しているソフトウエアのサポートを担当していた前職のときのお客様からの問い合わせ方法は電話のみでした。
銀行ということもあり、数億円規模の送金エラーといった重大な問い合わせを電話口でリアルタイムに対応するのはかなり気を揉む業務でした。
また立場上、契約以外のツールを触ることは禁止されていたので自由に原因調査ができないなど悔しい思いをした経験も多くありました。技術をたくさん吸収したい南澤にとって、それはすごくもどかしかったのです。
そんな中、南澤に転機が訪れます。
南澤 「入社して 4年ほどでチームリーダーになることができたのですが、それと同時に今後の自分の目標を見失ってしまったんです。自分のキャリアを考えたときにもっと技術を学べるところに行きたいなと思って」
多くの転職先が候補にありながらその中でも惹かれたのはリックソフト。その最大の決め手は社長の大貫浩でした。
南澤は大貫との面接で大きな“ショック”を受けます。Atlassian製品の説明をした後に、南澤の質問に対して回答してくれましたが、大貫の話はどんどん広がり技術的な話や将来こうなりたいという話をなんと30分も語りました。社長という立場の方が、入社するかもわからない人間に対してこんなに一生懸命に話をするなんて思ってもみませんでした。
面接の帰り道、南澤は「こんなおもしろそうな社長がいる会社に入ってみたい」と強く思い、入社を決めたのです。
Webアプリケーションに触るのは初めてだった南澤にとって、入社後は未知の世界でとにかく勉強する日々が待っていました。少人数だったこともあり誰もが業務を兼任していて、多忙を極めていましたが、それでもわからないことは社内チャットに書けば誰かが答えてくれるし、直接聞けば教えてくれる。
おもしろそうなツールを見つけてやってみたいなと思ったら、決してNoとは言われない環境がありました。
たったの入社半年で海外顧客向けヘルプデスクのJira(プロジェクト管理の形式、今でいうとJira Core)の初期設定を担当しましたが、その後サービスデスク機能に特化したJira ServiceDeskがリリースされたため、Jira ServiceDeskへ移行してみたいと検証結果も含めて大貫に伝えた所「You’re brave woman!」と背中を押してくれました。
1から10まですべて教えるのではなく、基本を教えたらあとは自由に学ばせるのがリックソフト流の育て方。でも「あれはダメ、これはダメ」と足を引っ張ることはしない。これは入社直後の南澤が頼りにしていた先輩社員である樋口晃が大切にしているポリシーでもあり、彼が広めた育て方でもあります。
そんなのびのびと勉強できる環境で、南澤は自分自身の技術力で早く追いつきたいと思うようになっていきました。
子育ては工数見積不可能!?働くママを受け入れてくれる環境
自分の技術力に貪欲に、着々と力をつけキャリアを積み重ねる一方で、南澤は母になります。
リックソフトとして初めての育休取得。当時は在宅勤務制度もなく、会社として試行錯誤している最中のリックソフトでしたが、自分の体調に合わせて自由に働ける環境がありました。
2019年7月現在、時短勤務制度を活用しながら働く南澤は仕事と育児の両立についてこう話します。
南澤 「両立って何を指すのかわからないけど、なんとかやれていると思います。でも、子育てがこんなに大変だなんて知らなかった!子供によるとは思いますが、何をするにも本当に時間がかかります。
仕事であれば工数を見積もることでこのくらいで作業が終わるかなと計画を立てながら進めることができるけど、子育ては工数見積もりが全然できないなって思いました(笑)」
子どもは自分の世界の自分の時間で動きます。お風呂に入れたり、外に出かける準備などは15分で終わることが30分以上かかるのは当たり前。仕組みや工程が決まっているわけではないため、一つひとつの行動とその理由に向き合う必要があります。
南澤 「仕事だったら不具合やエラーの原因はログを見ればわかるので、育児に比べてかかる負担が全然違いますね(笑)。今は本来の勤務時間から 1時間短縮した 9~ 17時の 7時間勤務で働き、月 2回は在宅勤務も活用しています。
在宅勤務は往復 1時間半の通勤時間を考慮せずに働けるのでとても助かりますね。送り迎えなどにも対応可能になりますし。女性だから、ママだからと差別されることはなく、むしろ寛容に受け止めてくれる社風があるなと感じています。
特に当時のリーダーは、私含めメンバーの体調や家庭環境に対し配慮してくれていました。何があってもメンバー第一という方で、本当に感謝してもしきれないです。」
チームリーダーとして大事なことは“背中を押し”“見守る”こと
現在のヘルプデスクチームは8名で構成され、その中には今年入ったばかりの新卒がふたり在籍しています。
このような状況の中でチームリーダーを務める南澤は、毎日指導の日々を過ごしているのかと思いきや、彼女の口から出たのは「何もしていない」という言葉でした。
南澤 「みんな勝手に育ってくれた、という感覚です(笑)。今ではみんながリーダーみたいに動いてくれているから “見守る ”ことを重視しています」
エンジニアは自分から学んでいかないと技術が身につかない──。
リックソフトの先輩たちが、かつて自分が入社した時にしてくれたのと同じように、メンバーが勉強したいと感じたことへのNOは出しません。
そして基本を教えたらあとは自由に学ばせてひたすら見守る。
南澤 「今は育児に時間を割かなければならない場面も多いから、自分の体調を崩さないのはもちろんだけど、みんなの足を引っ張らないようにしようって一番に思っています。みんなには何より楽しく幸せに仕事をしてほしいですね」
以前はエンジニアとしての価値を高めたい一方で、興味のある技術を自由に勉強することが出来なかった悔しさをバネに、「何もしていない」と言いながらも、チームメンバーそれぞれがのびのびと学び、業務ができる環境をつくっている南澤。
もしかしたら彼女は“ヘルプデスクチームリーダー”というよりは、“ヘルプデスクの母”なのかもしれません。