お客様の満足を追求するために、ユニクロは変革の一歩を踏み出す
製造小売業から“情報製造小売業”へ。世界中の人々に、「本当に良い服を着る幸せ」を届けることを目指すユニクロ。あらゆる情報を融合させ、お客様が本当に欲しい服を適切なタイミングでお届けする情報製造小売業への変革を進めています。そのカギとなるのがグローバルEC事業の拡大。変革を進めるチームの挑戦を追います。【talentbookで読む】
この服が欲しい──そのニーズに、あらゆる方面で応える
着たいと思った服が、欲しいタイミングで、欲しい分だけ手に入る──。
そうした真のニーズに応えられれば、服を着る喜びが増し、服と共に送る生活がより豊かになるはず。
このお客様の立場に立脚したサービスの実現は、もはや夢物語ではありません。さまざまな販売チャネルやSNSなどから得られるあらゆる情報を連動させれば、デザインやタイミング、数量などを含め、お客様が本当に望む商品の提供が可能になるはずです。
私たちユニクロは、高品質の商品を生産し、お求めやすい価格で販売してきました。しかし、デジタルの発達によりあらゆる情報の取得が可能になった今、もっとお客様に寄り添ったサービスが展開できるのではないか?──私たちはそう考えています。
そして私たちは、お客様のニーズをあらゆる情報から汲み取り、サービスに生かしていく“情報製造小売業”への変革を進めることにしました。
具体的には、EC事業をお客様のニーズを汲み取る重要なチャネルと位置付け、国内はもちろん、グローバルの展開にも力を注いでいます。
グローバルヘッドクォーター(GHQ)としてECの展開を支えるのが、「ITプランニングチーム」と「グローバルペイメントチーム」。2つのチームでリーダーを兼任する岡山拓は、チームの役割をこう語ります。
岡山 「私たちの役割は、全世界が同じ方向を向いて事業を進めていくための仕組みづくりです。ユニクロの商売の原理原則をもとに、すべてのマーケットで同じやり方、同じ水準でお客様に接することが、私たちの目指すところです」
お客様の満足を追求するために、世界中の力を結集する──。
その世界の実現に向けてひた走る彼らの目には、どんな景色が広がっているのでしょうか。
店舗とECの連携──国内外2000店舗とECで同じ体験を提供する
物事の上流に位置し、時にその命運を決める“企画”。ECの企画を担い、サービスの方向性を定めていくのがITプランニングチームです。
求められるのは、「ユニクロの事業にとって、今何が必要なのか」という視点。
ECサイトそのものやユニクロアプリはもちろん、その裏側にある在庫・受注管理といったバックエンド機能も含めて、事業を展開する上で必要なすべての仕組みをつくり上げていきます。
岡山 「さまざまな企画を提案する上で大切にしているのが、『お客様に店舗と ECで同じ体験をしていただくこと』です。 EC事業の拡大を進めているとはいえ、やはり私たちの強みは、日本国内で約 800の店舗を展開しているところですから」
また、その“体験”をユニクロが事業を展開する、日本以外の世界22の国と地域に広げていくこともITプランニングチームの重要な使命です。日々、各マーケットとのミーティングを重ね、システム導入の進捗確認や問題解決に奔走しています。
世界の動きを見ながらチームをけん引する岡山。彼は、今の状況がまさに本望だと語ります。
岡山 「私は 2016年に SIerから転職をしました。転職を考えた理由は、『常に変化をしている会社で新たなチャレンジをしたい』と感じたからです。ユニクロの『世界一のアパレルグループとなることを目指して、グローバルで競争をしている』という点に惹かれましたね。
世界一を目指す中で事業を展開するとはどういうものなのか。自分の肌で感じてみたい──そう思って飛び込みました」
そんな岡山がユニクロの「世界一を目指す本気度」を感じたのは、前職時代の3倍にも感じられるという“スピード感”でした。
岡山 「ここまで速いのかと圧倒されましたね。入社して 3年が経ったんですが、あっという間でした。前職は、ひとつの大きなプロジェクトが終わったら、休みを挟んで次のプロジェクトに取り掛かるというペースだったのですが、今は常に走りながら考えている感じです。
でも、私たちユニクロがスピードを重視するのは、お客様起点の意識が根付いているから。世の中もお客様も絶えず変化している。だからこそ、私たちも変わり続けなければ、良いサービスは提供できないと思っています」
こうしたスピード感はもちろん、店舗とECの両軸で事業を展開するからこそ得られる“手触り感”に喜びを感じるメンバーもいます。
それが、岡山と共にITプランニングチームの中核を担う、リーダーの増田直。彼は、2017年にコンサルティングファームから転職をしました。
増田 「コンサルタントの仕事は、課題解決への道筋を示し実行支援をすることです。実行後の結果や責任は、どうしてもクライアントに委ねられてしまいます。さまざまなプロジェクトに参画していくうちに、事業に対して自分自身で責任を取り、最後までやり遂げたいという想いが芽生えてきました。
また、昨今の技術革新を見たり、多くのプロジェクトを経験したりしていくうちに、これからの時代は、さまざまな情報を持ち、活用していく事業会社が世の中の中心になっていくと考えるようになりました。
さまざまな情報を活用しながら、サービスとして具現化することで、ビジネスの本質に触れられる機会を探していたときにユニクロに出会いましたね」
こうして、ユニクロの一員となった増田。店舗に足を運んだときのことが、深く心に残っていると振り返ります。
増田 「店舗に服が並んでいる様子や来店されるお客様、そして接客しているスタッフの姿を見ると、愛着が湧くんですよね。
良い商品があり、親切に接客するスタッフがいて、支援するシステムがあってこそ商売が回っていく──。このバリューチェーンを最適化させて、お客様体験を ECとしてどう表現するかを考えさせられます。実際にお客様やスタッフの姿を見ることで、 1週間でも 1日でも早くサービスやシステムを導入し、成果を出したいと思えるんです。
やはり、店舗(オフライン)と EC(オンライン)の両軸を展開しているユニクロだからこそ、こうした実感を持てるのでしょうね」
お客様との最後のタッチポイントである「決済」でもご満足いただけるように
一方で、ユニクロとお客様の“最後のタッチポイント”となる決済の仕組みを整えるのが、グローバルペイメントチームです。
2019年4月に発足したこのチームは、日本国内の決済手段の拡充や、グローバル全体のペイメント機能の管理を担っています。
チームが発足される前、各マーケットの決済手段の決定は、各国・各地域のCEOやCFOの手に委ねられていました。リーダーを務める山崎雄也は、その現状に問題意識を抱えていたのです。
山崎 「各国・各地域で最善の決済手段を決めていくことは、決して悪いことではありません。しかし、今後はグローバルで一律に高品質のサービスを提供する必要があります。また、高まるセキュリティ上の脅威に対応するため、 GHQである私たちが司令塔となって、各国や各地域のガバナンスを強化していくことを目標にチームを置くことになったんです」
全世界のお客様に、より安心してご利用いただくために──。
現地と密にコミュニケーションを取り、議論を重ねながら用意すべき決済手段の検討をしていきます。
山崎 「お客様のために、信頼のおける決済システム・決済手段を提供しなければいけない、という責任感を持ちながら業務に励んでいます。
そうした責任感を覚えるのは、お客様の消費行動に近いところで仕事ができているからですね。実際にユニクロの店舗に立つと、決済をしているお客様の姿を目の当たりにできます。当たり前のことですが、世の中の消費が動くダイナミズムを感じられるんです。決してこの流れを止めてはならないと感じ、それが私の中で大きなモチベーションにつながっています」
なぜ、山崎はお客様の姿を間近に感じられることにやりがいを感じるのでしょうか。彼のバックグラウンドをひも解くと、その理由が見えてきます。
山崎 「前職は金融機関に勤めていたのですが、コモディティ化した金融商品の販売に限界を感じていました。そんなときに、 LifeWearという強いポジショニングのもと、実物の “服 ”という商品を通じてお客様や社会に貢献しているユニクロの姿に大変魅力を感じました。『服を変え、常識を変え、世界を変えていく』というファーストリテイリンググループのステートメントも心に響きましたね。
当社はお客様の声を真面目に聞いて、吸い上げて、商品に生かす姿勢を常に持っています。そのため、何かを仕掛けたときにはお客様から必ずリアクションが返ってくる。そういったお客様起点の姿勢も大きなやりがいになっています」
変化の速さにひるむな──その先に、お客様の喜びと満足がある
真に、お客様のためになるのは何か──。
日々その想いを念頭に置いて業務と向き合っている2つのチーム。
お客様の姿を間近に感じることに喜びを感じ、変化を厭わない仲間と共にこの先のユニクロをつくっていきたいと考えています。
山崎 「『お客様のために何ができるのか』という本質的な部分に力を注ぎたい人と共に、この先の事業をつくりあげていきたいです。
ユニクロは、大企業でありながらベンチャーのようなスピード感で物事が進んでいくのが特徴です。一般的な企業にありがちな社内の調整や決裁に余計な時間や手間がかからないので、より本質的な部分に力を注げています。本質を大切にする人が成果を上げられる環境がありますね」
岡山 「スピードがあるからこそ、考え方や物事の進め方も大きく変わります。これまで積み重ねてきた実績にこだわりすぎず、新たな気持ちでチャレンジできる人と共に、世界一のアパレルグループを目指して革新と挑戦をしていきたいです。
正解がない中で、変化にスピーディーに対応していくためにも、常に新しいスタイルを模索する “柔軟性 ”がある人がいいですね」
増田 「私たちはデジタル化を推進していますが、本質はサービス業です。お客様やプロジェクトメンバーに対するサービス精神を持っている人がマッチすると思いますね。
また、あくまでもビジネス部門になるので、 “商売感覚 ”を持っている方と一緒に、新たなサービスをつくり上げていきたいです」
お客様を起点としたECを実現し、あらゆる情報を駆使して世界を変えていく──。その革新と挑戦は、まだ始まったばかりです。
服を通してお客様の幸せを創造していくために、ユニクロは変化の激しい時代を駆け抜けていきます。
※記事内容および社員の所属は取材当時のものです。
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