派遣社員一人ひとりのキャリアと人生に寄り添い続ける「キャリアコーチ」という仕事 | キャリコネニュース - Page 2
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派遣社員一人ひとりのキャリアと人生に寄り添い続ける「キャリアコーチ」という仕事

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アデコグループでは派遣で働く人々に寄り添いキャリアを支援していくため、きめ細やかなサポートを提供する「キャリアコーチ」という職種を2016年に設けました。その仕事を担っているのが、入社以来一貫して派遣社員の支援を続けてきた新井幸栄です。キャリアコーチという仕事の本質を新井が語りました。【talentbookで読む】

派遣社員のキャリアと人生に寄り添う仕事

「キャリアコーチ」──この聞き慣れない職種がアデコグループに誕生したのは、2016年のことでした。その仕事は、アデコから企業に派遣される派遣社員がより良く働けるように支援すること。

派遣先企業を担当する営業スタッフと、そこに派遣される人たちをサポートする専門スタッフが連携して、顧客企業と派遣社員の双方がハッピーになるようなマッチングを実現し、キャリアアップできるようサポートしていく。それがキャリアコーチ体制のコンセプトです。

正式に発足してから3年ほどが経つキャリアコーチ体制ですが、アデコにおける「派遣社員を支えるしくみ」の歴史は、14年前までさかのぼります。派遣先の企業目線だけではなく、派遣社員一人ひとりの視点に立った人財マッチングを目指す──その新しい取り組みのスタートとなったスタッフコーディネーターの、最初期メンバーのひとりが新井幸栄です。

複数の企業で勤務したのちに、出産で一時仕事をリタイアした新井は、アデコに登録する派遣社員としてキャリアを再開し、スタッフコーディネーターの発足にともなって社員となりました。2019年現在はキャリアコーチとして派遣社員のサポートをしながら、4人のキャリアコーチを率いるチームリーダーも務めています。

新井 「派遣社員として働きたい方々に選んでいただけなければ、会社として派遣ビジネスを継続していくことはできないし、顧客企業に貢献していくこともできません。選んでいただくためには一人ひとりに寄り添い、きめ細やかなサポートを提供していく必要があります。その仕事を担うのがキャリアコーチです」

キャリアコーチの役割を新井はそのように説明します。アデコに登録している派遣社員の就業先が決まると、その人を担当するキャリアコーチが選ばれます。そこからが仕事の始まり。希望する就労期間、今後の目標、長期的なキャリアビジョンなどをヒアリングし、派遣社員が目標を持って生き生きと働けるようサポートします。

また、そのヒアリング内容をもとに、営業担当と連携しながら派遣社員の就労環境の改善提案などをクライアント企業に行う場合もあります。

新井 「派遣期間が終わった後も、希望を聞きながら次の派遣先を一緒に探すなど、継続的なサポートを続けていきます。新しい派遣先が決まってからも同じキャリアコーチが担当させていただくので、長いお付き合いが続いていきます」

「派遣社員のキャリアと人生に寄り添う仕事」──キャリアコーチの仕事を新井はそう表現しています。

キャリアに寄り添うために、距離感を保ちながらサポートする

派遣社員が働く企業は規模も職種もさまざまであり、業務内容も千差万別です。また、一人ひとりの個性も家庭環境もキャリアビジョンも異なります。

その多様な派遣社員たちとコミュニケーションを行うにあたって新井が最も気をつけているのは、「適度な距離感を保つ」こと。

新井 「キャリアコーチは派遣社員にとって相談しやすい相手でなければなりません。ですが、キャリアという観点からその人の人生に寄り添うためには、離れすぎず、近づきすぎない。そんな距離を保つことをいつも心掛けています」

もう一点、相手の個性や考え方を決して否定しないことも重要だと新井は考えています。

新井 「どんな個性の人でも、その人に合った就業先が必ずあるはずです。それを根気強く探していくのも、私たちの仕事です」

派遣社員として働くことを選択すると、気軽に自身のキャリアを相談できる人が周りに存在しない場合があると思います。だからこそ、真摯に向き合い話を聞き、アドバイスしてくれる存在は必要不可欠だといえます。

新井 「この仕事をしていて一番嬉しいのは、 “あなたがついているから大丈夫だと思う ”と言っていただけることです。大変なプレッシャーですが、その人のために頑張らなければならないと身が引き締まる想いになります」

派遣社員のキャリア開発を支援する

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アデコでは、2016年から「キャリア開発があたりまえの世の中をつくる」を全社のビジョンとして掲げています。自分が描くキャリアのイメージに合わせて仕事のスキルを高め、自信を深め、継続的に世の中に価値を提供していけるように支援していくこと。それがアデコの考える「キャリア開発」です。

これは派遣社員に限らず、働くすべての人に当てはまる言葉なのだと新井はいいます。

新井 「資格を取ることや時給が上がっていくことが必ずしもキャリア開発なのではありません。何よりも “働きたい ”という気持ちを維持して、自分らしくやりがいを持って働き続けること。そして、一年前の自分より今の自分が成長できているという実感を得られること。

それもまたキャリア開発のひとつの形なのだと私は思います。キャリアコーチとは、まさしく派遣社員の皆さんのキャリア開発を支援する仕事なのです」

この新たなビジョンのもとで、アデコグループは派遣社員の無期雇用化にも力を入れています。とくに、事務系の分野では有期の雇用契約がほとんどだった同社の人材派遣サービスにとって、これは大きな変化でした。

新井 「派遣社員の方に提案できる働き方の選択肢が増えて喜んだものの、新しい働き方だったため、どういったキャリア開発支援をしていけば良いのだろうと、初めは戸惑いもありました。

有期の派遣社員の方はスキルアップし、更新を経て時給を上げていきたいと考えている方が多いのですが、無期の方は今の職場で長く働き続けたいという気持ちが強い傾向があります。当然、キャリアコーチに求められるものも違ってきます。

ただ、その方が思い浮かべている未来を実現できるように支援するという、自分の仕事の根本は変わりません。それをベースにした上で、長期的なキャリアを見据えて働くことができるという、無期派遣のメリットを生かせるようなサポートをしていきたいと思っています」

無期雇用派遣と「ハケン2.5」

その後、アデコは2018年6月に「ハケン2.5」という新たな無期転換基準を導入しました。これは、アデコはもちろん、他の派遣会社に所属していても、その職場で2年半以上派遣社員として就業していれば、アデコで無期雇用派遣社員として受け入れるというものです。

新井 「これはとても嬉しいことなのですが、アデコで無期雇用の派遣社員として働いている方が、『アデコの無期雇用はいいよ』と口コミで広げてくれていることがあります。『ハケン 2. 5』に申し込まれた方とお話しすると、同じ職場にアデコの派遣社員の方がいて勧められたと言われることがあります。

いろいろな理由で無期雇用になれなかった方の受け皿になっているのだと考えると、とてもやりがいを感じます」

プライベートでは、昨年から一人娘が社会人になって子育てが一段落した新井ですが、一昨年、父親が倒れ、半身麻痺・寝たきりになるというアクシデントに見舞われました。現在は家族と力を合わせながら、仕事と在宅介護を両立する日々を送っています。

新井 「育児と仕事を両立しなければならない、介護と仕事を両立しなければならない人はたくさんいます。とくに、超高齢化社会を迎えるこれからの日本では、介護と仕事の両立は多くの人にとって避けられない課題となっていくはずです。

自分自身の経験を生かして、派遣社員の方々やチームメンバーにアドバイスをすることも、私の役割だと思っています。

キャリアコーチ自体も、職場や雇用環境の変化によって、試行錯誤が続いていくと思います。しかし、このようなしくみが今後も必要とされていくことは間違いありません」

新井の現在の目標は、キャリアコーチという新しい仕事の意義を、社内外にもっと広く伝えていくこと。そして何よりも、楽しく働き続けることです。

新井 「自分自身が働くことを楽しめなければ、派遣社員の皆さんに働く喜びを伝えていくこともできないと思います」

派遣で働く人々を支援する仕事を始めて15年。自分自身のキャリア開発と仕事の充実を目指しながら、今日も新井は派遣社員との対話を続けています。

アデコグループ

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