朝起きたら行きたくなる会社へ──従業員体験を重視した職場環境改革 | キャリコネニュース
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朝起きたら行きたくなる会社へ──従業員体験を重視した職場環境改革

▲EXチームリーダーの手嶋

▲EXチームリーダーの手嶋

生活者が体験を重視するようになり、カスタマーエクスペリエンス(CX)といった言葉も浸透しつつあります。しかし、CXを支えるのは、働く人たちの体験=エンプロイーエクスペリエンス(EX)に他なりません。朝目が覚めたら行きたくなる。そんなオフィスを実現する、シスコメラキのEXチームの取り組みに迫りました。【talentbookで読む】

“働く”を楽しめるオフィスづくりを目指す横断組織

シスコメラキのEX向上を目的とするMeraki Employee Experience Committeeは、独立した部署ではありません。本来の職務とは別に存在する社内横断的な組織です。

このチームのリーダーを務める手嶋は、もともと、組織立ち上げのプロとしてシスコメラキに参画しました。

手嶋 「 Cisco Webex Meetingsという製品の技術サポートチームを立ち上げるために親会社のシスコに入社したんです。シスコメラキに来たのも、技術サポートチームの立ち上げのため。 Webexもそうですが、シスコメラキのサービスは、 働き方改革を促進するという点でビジネスに大きなインパクトを与えます。社会貢献という意味でもシスコメラキに引かれました」

シスコメラキそのものにEXを重視する姿勢がありました。

“どこで働いていても、ビジネスの目標と結果を達成するために、お互いが評価されて大事にされていると感じられる環境を共に作り上げる”

グローバル全体で共有されているシスコメラキのEXビジョンです。

地域によってはEX専門の部署を設置していましたが、手嶋が入社した当初、該当する組織が日本オフィスにはありませんでした。そこで元来、組織のコラボレーションに興味を抱いていた手嶋に白羽の矢が立ったのです。

2019年6月、日本のMeraki Employee Experience Committee立ち上げとともに、最初に取り組んだのがミッションステートメントを定めることでした。

手嶋 「 EXで重視されることは、社員によって違うと思うんです。チームとしてのシナリオのようなものがあれば、話し合いも円滑に進み、うまくいかないときも立ち戻ることができますよね。

メラキのコアバリューが土台としてあった上で、われわれがどういうふうに EXを向上させていきたいか考えたとき、『働くを楽しもう』という言葉が出てきました。それに加えて、行きたくなるようなオフィスをつくっていこうとか、社会貢献もしたいよね、とアイデアが膨らんでいきました」

このミッションステートメントの作成に携わったメンバーは、その後もMeraki Employee Experience Committeeに所属し活動を続けています。

手嶋 「私が社内のいろんな人を見てきて、こうした活動に一番向いていると思っている人に声をかけていったんです。みんな快く引き受けてくれました」

たとえば三隅 麻里子は、シスコメラキのカルチャーチャンピオンとも呼ばれる社員です。手嶋と同じく中途入社ですが、シスコメラキの海外支社から、「メラキのカルチャーにフィットする人材を選ぶときは麻里子を面接官に」と指名されることもあったほどです。

三隅 「それこそ、入社したてのころ、シドニーオフィスに行く機会などがあれば、お土産を持って話をしに行くことがあっただけなんですけどね。前職のときから遠方のオフィスへの出張が多かったので、普段、顔を合わせない人たちと円滑に仕事をするためにコミュニケーションの重要性は意識していましたね」

手嶋も、三隅のコミュニケーション能力とホスピタリティを評価し、ぜひメンバーにと誘ったと言います。

新オフィスの整備から始まった職場環境改革

▲シスコメラキのカルチャーチャンピオン三隅

▲シスコメラキのカルチャーチャンピオン三隅

シスコメラキ日本オフィスは、立ち上げから約1年半で40人程度まで社員が増えました。これに合わせ、2019年5月には六本木のシェアオフィスWeWorkにオフィスを構えましたが、これが、Meraki Employee Experience Committeeにとっては初の大仕事となりました。

手嶋 「本社からもサポートスタッフが来てくれて、ネットワークや基本的な家具類などを整えてはくれたのですが、それだけでは社員が心地よく使える状態にありません。健康面に配慮した職場環境を整えるために、立ったまま仕事ができるスタンディングデスクを導入や、卓球台やゴルフの練習マットなど、職場にゆとりを持たせるための遊具を設置したりと、さまざまな工夫を凝らしました」

三隅 「社員からは、普段の会話の中で意見を聞いていたんです。お菓子やドリンク類など、まずはできるところから充実させていきました」

もちろん、こうした設備の拡充だけがEX向上の本質ではありません。社員間の交流を深めるイベントも積極的に始めています。

三隅 「月に 1回、『スイーツデー』を設けたり、新入社員の方や、誕生日の方を祝うイベントなども実施したりしています。社員の家族を招く『ファミリーデー』なんかもあります。でも食べるイベントが多くなってしまい、最近インストラクターの方を招いて開催する『ストレッチデー』など、健康的な取り組みも増やしていこうと考えています」

手嶋 「とくにファミリーデーは、仕事のことだけでなく家族のことも知れるので、社員同士の距離がぐっと近くなる気がします」

先行する海外オフィス事情

短い期間でオフィスの改善や各種イベントの立ち上げなど、積極的に活動してきたMeraki Employee Experience Committeeですが、海外の拠点に比べればまだまだです。

三隅 「日本と比べると、海外企業の方が職場環境に対する意識が高いと思うんです。日本には職場のあり方を見直そうとする動きが、働く場所を提供する企業側にも、実際に働く側にも、少ないように感じます。海外では職場環境の恒常的な改善は当たり前で、優秀な人材を確保し定着させるために、重要な要素だとみられているんです」

手嶋 「先ほど卓球台やゴルフの練習マットなどを設置したと話しましたが、なぜそれが良いかは科学的に説明できるのです。

人は仕事をしている間、交感神経を働かせていて緊張状態にあります。従来の日本企業の職場は、常に緊張状態にあったといえるでしょう。しかし、副交感神経も同じくらいのバランスで働かせないと、生産性が逆に下がってしまうんです。 Googleや Facebookなど、海外の企業はいち早くそのことに気づいてオフィスの改善に取り組んできました」

実際、シスコメラキの海外拠点でも取り組みが先行していて、ストレッチデーなどいくつかの催しは、それを例に取り入れたといいます。

手嶋 「今後もマインドフルネスやチームビルディングを目的としたワークショップなど、さまざまな施策を導入していく予定です」

クロスファンクショナルな体制でオフィス改革を加速

▲EXチームのミーティング風景

▲EXチームのミーティング風景

もちろん活動を続けていく上で参考となるのは、海外の事例だけではありません。身近な社員の意見や気づきが、良い変化をもたらします。

手嶋「ペットボトルの消費を少なくし、プラスチックゴミを減らすため、ウォーターサーバーを導入しようと動いています。その意見を出してくれたのは、社会貢献意識の高いひとりの社員でした」

シスコメラキの中で組織横断的に活動するグループは、Meraki Employee Experience Committeeだけではないのです。

三隅 「私はWomen of Merakiというグループにも所属していて、女性のキャリアパスや福利厚生の整備に取り組んでいます。クロスファンクショナルな働き方はシスコメラキの環境では難しくないんです」

三隅のように、シスコメラキの社員の多くはさまざまなグループに参加しています。このグループ間の連携、そして会社の運営に対して積極的に参加する人々の交流が、今後の活動の鍵になるとMeraki Employee Experience Committeeのメンバーは考えています。

三隅 「 Meraki Employee Experience Committeeの活動の中で、良い意味で社員間にギャップがあることを感じ取れるんです。私は全然気にならないことでも、ある人はそれが業務に支障をきたしていることもある。同じ会社で働いているけど、内勤の人もいれば、外勤の人もいるので、環境が異なります。みんな職場に求めるものが違うんです」

手嶋 「コミュニティーが連携し、社員一人ひとりのコミュニケーションがフラットになることで、当然仕事もやりやすくなりますし、 EX向上に向けたアイデアが生まれてくると思うんです。そのためにもコミュニケーションがとりやすい環境を整えていきたいですね」

Meraki Employee Experience Committeeが目指すのは、朝目覚めた社員が早く行きたくて仕方ないようなオフィス。それは、働きやすさを支えるだけでなく、社員と社員の関わり方を変え、シスコメラキを飛躍的に成長させる挑戦でもあります。

Cisco Meraki

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