小井戸 寛樹「常に目線を上げ続ける。エンタメの世界では負けたくない」 | キャリコネニュース
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小井戸 寛樹「常に目線を上げ続ける。エンタメの世界では負けたくない」

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プログラミングのその先の影響に興味があるエンジニアにとって、どこに身をおくかは最も大切な選択です。エンジニアリングはあくまで手段だと話す小井戸 寛樹が、SHOWROOMに引かれた理由はなんだったのでしょうか?エンジニアとしての生い立ち、その軸にあるエンタメへの想いを語りました。【talentbookで読む】

DJもエンジニアもエンタメを届ける手段でしかない

小井戸 「一般的にエンジニアはスキル志向の人が多いと思います。とにかくスキル(技術)にこだわり、最新技術に触れて、世の中のインフラをつくりたいという人たちです。一方で SHOWROOMで働くエンジニアの多くは、どちらかといえば、自らサービスを生み出し、世の中を楽しませたいというエンタメ志向です。僕の場合は、サービスを通して、人々に夢や希望、幸せを届けたいと思っています」

自らをエンタメ志向のエンジニアと話す小井戸。多くの人を幸せにしたいという想いは学生時代から貫かれてきたものでした。

小井戸 「もともと 5歳のときにピアノを始めたけど、挫折しているんですね。中学で始めたギターもやっぱり挫折して。それでも、音楽に対する情熱は捨てられなかった。音楽を通して世の中の人たちの気持ちを発散させたり、ハッピーにしてあげたいという想いが強かったです」

それでも想いを捨てきれない小井戸が行きついた先はDJでした。

小井戸 「 DJを始めたのは大学生のときでしたね。 100人規模の小さなイベントに出続けて、 4年生になるころには、 500人規模のイベントを主催するまでになりました。もちろんステージには僕も DJとして立ちました。 500人の聴衆が僕の演奏で「ワァーー!!」と歓声を上げてくれたんです。

クラブに来るのは、普段から発散したい何かを抱えている人が多いと思うんです。そんな人たちの抱えている悩みを僕の音楽でふっとばしてあげたいと思い続け、勉強や練習を重ねてきただけに、初めてその瞬間を味わったときは気持ちが高ぶりました」

しかし、大学を卒業するころには、企業に就職をすべきか、DJを続けるべきかで悩んだと言います。そんな小井戸に新しい道を示してくれたのは、日本の音楽配信サービスの先駆けともいえる「着うたフル」の登場でした。

小井戸 「着うたフルの登場で、誰もが気軽にマルチメディアを楽しめる時代が来たんだと思ったんです。『僕が心から楽しめる世界はこれだ!』『こういうものをつくりたいんだ!』と確信し、エンジニアという道を選びました」

その後、小井戸はSIerで技術を身に着け、ミュージックプレイヤーの開発や、携帯電話で動画を見るためのOS開発など、一貫してエンタメを世の中に広げるサービスの開発に携わってきました。

SHOWROOMというエンタメ志向のエンジニア集団

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新しいエンタメの在り方を思い描き、その度に新しいスキルを身に着けていったという小井戸にとってSHOWROOMは魅力的な環境に映りました。

小井戸 「あくまで技術は手段でしかないと僕は思っています。極論、最良のサービスがつくれるのであればどんな技術を使ったっていいんです。だから、初めから技術ドリブンであるべきだとは思いません。固定観念ができちゃいますから。その点 SHOWROOMの環境は、そうした考えが許容される場所だと思っています」

もちろん小井戸がSHOWROOMを選んだわけは、エンタメ指向のエンジニアに適した環境だけでなく、提供するサービスに引かれたからでもあります。

小井戸 「一番初期の Andoroid OSで動画を再生するためのアプリを開発していたころに、ただ動画や音楽が再生されるだけのサービスは、長く続かないと思ったんです。フューチャーフォンの登場と共にソーシャルゲームが流行り始めたように、ネットにつながる端末を誰もが持つ時代が来れば、双方向性などネットの利点を合わせ持ったサービスが台頭してくると感じました」

そのときすでに、インターネット上でのライブ動画配信に可能性を見いだしていた小井戸。必要なスキルを身に着けるべくサイバーエージェントへ転職。その後、もともと思い描いていた「夢や希望を与えるコンテンツ提供」を突き進めた結果、SHOWROOMへたどり着きました。

タイムラグの低減で、SHOWROOMのユーザーを幸せに

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小井戸は入社後すぐに、ライブ配信におけるタイムラグの解消(低遅延)に取り組み始めました。

小井戸 「ライブ配信には実際に発せられた声がユーザーの元へ届くまでにタイムラグがあります。 SHOWROOMのサービスで言えば、演者の映像が、視聴者に届くまで、実際には 10秒くらいかかっていました。演者が視聴者のコメントに気づいて「わ~ありがとう!」と返したとしても、タイムラグのせいでリアルタイム性が失われて、誰に対して返事をしたのか視聴者にはわからなくなっていました」

SHOWROOMはリアルタイムのコミュニケーションを売りにしているサービスです。タイムラグを縮めることで得られる効果は計り知れません。

小井戸 「演者から即レスが来るようになれば、視聴者も、もっとコメントしてもっとギフティングしてあげたいと思うようになるはず。そこで得られる体験が継続率につながり、ライブを見続ける間に熱量を持った強いファンになってくれると思います。結果、演者も自分自身の夢にどんどん近づけるようになる。誰もが幸せになるその循環が、僕の思い描く理想の形です」

現在タイムラグは、小井戸が理想とする0.5~1秒程度にまで低減できました。

小井戸 「プロジェクトとしては、終わりに近い数値まで突き詰められたと思っています。しかし、これ以上短くすると安定性に欠いてしまうでしょう。低遅延と安定性はトレードオフの関係にあります。とにかく品質にこだわり、演者と視聴者の距離を近づけたいという大きなモチベーションをもとに、つらい局面を乗り切ってきました」

経営者の目線を持ちたい──SHOWROOMで描くエンジニアのキャリア

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このタイムラグの解消に取り組むプロジェクトは、実は小井戸自身が入社後すぐに提案したものでした。

小井戸 「 SHOWROOMに入社してみて思ったのは、経営陣との距離が近いということ。入社したとき、当時 CTOだった XR事業部長の佐々木にデモを見せたら、佐々木が『すげー!』って言ってくれて、すぐに経営会議に持ち込み、予算が割り当てられたんです。プロジェクトマネージャーとして大きな権限を与えられたことも驚きましたね」

小井戸にチャンスを与えた佐々木は、小井戸にとってひとつのロールモデルになると前田との「公開1on1」で推挙された人物でもあります。

小井戸 「前田との『公開 1 on 1』で、佐々木が SHOWROOMの立ち上げ時に、本当はエンジニアなのに総務的な業務などをなんでもこなしていたという話を聞いて『なるほどな』と思ったんです。

佐々木は、何かを相談したときのレスがめちゃくちゃ速い。それだけ経験を積んでないと、そういったレスポンスって実現しないんですね」

前田が、佐々木を推挙した背景には、小井戸の「経営者視点」を持ったエンジニアになりたいという意志があります。

小井戸 「今までプロジェクト・マネージャーやリードエンジニアとして、組織づくりに携わってきました。ですが、今後はより経営者の目線を持って、会社をスケールさせていくことに貢献したいです」

小井戸は部署が異なるにも関わらず前田が率いる新規事業のチームの席に座って業務をするなど、事業拡大に向けて積極的な姿勢を見せていますが、さらにエンジニアの組織開発にもコミットしていく考えです。

小井戸「僕たちのミッションはここにあるというのを定義すること。そのうえで、組織体制やメンバーのメンタルコントロールをできるようなしくみを確立することをネクストアクションとして考えています。

経営者としての視点は誰もが持つべきですが、一足飛びにはいきません。みんながひとつ上のレイヤーの人の目線を意識することが大事ではないでしょうか。プログラマーならシステムエンジニア、システムエンジニアならリードエンジニア。そして僕だったら、佐々木のようなエンジニアの素地を持った経営者ですね」

前田の横に席を構えるのも、そうした想いからでした。

小井戸「上位のレイヤーの人たちの仕事ぶりから必要なスキルを洗い出して、どこが手薄なのか、一つひとつピックアップして、着手していきたいですね」

「夢」をかなえるため、必要なスキルを一つひとつ身に着けてきた小井戸にとって、SHOWROOMを舞台とした新しい挑戦も、きっとひとつのステップに過ぎません。「エンタメを通し、人に夢や希望を与えたい」という変わらない想いが、彼の挑戦を後押ししています。

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