好奇心を大切に。いつでも学べる環境を──「グロービス学び放題」を 全社員に導入 | キャリコネニュース - Page 2
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好奇心を大切に。いつでも学べる環境を──「グロービス学び放題」を 全社員に導入

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2019年5月、ニトリは全社員へ「グロービス学び放題(※)」の永年プランを付与した。人材への投資を惜しまない、ニトリならではの考えとは。導入に導いた組織開発室室長の永島 寛之が語ります。 (※)グロービスが提供する動画学習サービス。ビジネスに必要な知識を、好きなときに好きなだけ学ぶことができる。【talentbookで読む】

非連続な成長を遂げるために

永島 「個の成長こそがすべての起点だと考えています。個が成長することで会社が成長し、そして、社会を変えていく力になる。だからこそ、人事の立場から好奇心を刺激し続けていくんです」

創業以来、イノベーションをくり返すことで成長してきたニトリ。「2032年3兆円、3,000店舗」の壮大なビジョンを達成するためには、より革新的なイノベーションを起こせる人材を多く生み出すことが急務だと、永島は言います。

永島 「ニトリは製造・物流・販売・社内システムまでのすべてを自社で担っている『製造物流IT小売業』。社内には100職種以上の職種があり、その中を数年ごとに配置転換しながら、全社的な幅広い視点と業務改革力を身に付けていきます。

自社内で完結することが強みである一方、ニトリの事業領域が拡大していく中で、従来のOJTメインでの学びだけではなく、経営やグローバル、テクノロジーなど社外の知識を学んでいく機会が必要だという危機感がありましたね」

そこで白羽の矢が立ったのが「グロービス学び放題」でした。

永島 「グロービス学び放題が、ニトリが今後成長していきたい方向と近かったことが、導入した理由のひとつ。そして何より、おのおのがもつ好奇心のままに学習を進められるという点で、まさに私が理想としていたものでした」

グロービス学び放題。その導入のきっかけは、ある社員の声でした。

導入のきっかけを与えたのは、ひとりのリクルーターの声

▲内定者向けビジネス講座

▲内定者向けビジネス講座

ニトリでは、入社3~5年目の社員を中心とした専任リクルーターを、毎年約40名任命します。約2年を任期とし、毎年メンバーの入れ替えを行っています。若い彼ら彼女らの成長をより促し、採用力を強化するために何か良い教育方法はないかと探していたところ、ひとりのリクルーターが「グロービス学び放題を試してみたい」と言い出したのです。

永島 「最近の若い方は安定志向だと言われますが、もはや本当の安定などないVUCAの時代。優秀な方こそ『ここでどれだけ成長できるのか』という視点で企業を見ています。だからこそ、そんな学生を採用する立場にいるリクルーターたちに必要な教育投資だと感じたんです」

そこでトライアルとしてリクルーターを対象に、「グロービス学び放題」を始めてみました。

永島 「何よりも嬉しかったのは、リクルーターたちが学びをインプットして終わりではなく、内定者向けの講座を開講するというアウトプットへとつなげたこと。学びが引き起こすいい効果を確信したため、全社員へ拡大導入しようと心に決めました」

ニトリはやると決めたらものごとが進むのがとにかく早い会社です。

永島 「全社員対象、永年プラン付与という思い切った決断ではありましたが、提案から導入までにかかった期間はたった2カ月。『教育は最大の福利厚生』だと考えている会社の姿勢を強く実感した瞬間でもありました」

全社員対象にこだわったのは、「多数精鋭」のカルチャーがニトリに根付いていたからだと永島は言います。

永島 「世界中に豊かな暮らしを届ける企業となるためには、これまでの連続的な成長曲線ではなく、海外展開なども含めて非連続な規模で成長していかなくてはなりません。そのためには、従業員一人ひとりの“個の成長”が不可欠となってきます。

だからこそ、グロービス学び放題も一部の層だけを対象とするのではなく、全社員に導入するという決断に至りました。成長したいという意欲、そして好奇心が、何よりの原動力になると信じています」

全社員を対象に導入したグロービス学び放題。どのように活用し、どんな結果を出しているのでしょうか。

「配転教育×知識」で、知識をスキルに変えていく

▲グロービス学び放題で得た知識を用いて、部下に教育をする店長

▲グロービス学び放題で得た知識を用いて、部下に教育をする店長

せっかくの学びの機会も、ただの知識で終わらせていては意味がない。そう考える永島は、実務と理論を結びつけ、スキルに変えていくことにこだわります。

永島 「たとえばニトリで店長になると、年間10億円規模の売上に責任をもつようになります。これは言い換えれば、中小企業の経営者の経験ができるということ。ただ、その貴重な経験も、目の前の業務しか視野に入っていなければ、吸収度合いも低くなってしまいます。

もっと広い視野で学んで知識をつけることで、いつもの業務がビジネススキルの実践の場に変わるのです。『日常業務』と『グロービス学び放題』、つまり実践と理論を行き来することで、社会やビジネスの解像度を上げていくことを期待しています」

導入して半年以上が経過し、社内の良い変化も実感し始めています。たくさんの社員から、「これまでなんとなく捉えていたビジネススキルを体系的に学べる」「課題解決のアプローチの方法が増えた」など喜びの声をもらっています。また、将来のなりたい自分を見据え、早期から目標に向かって準備を始められる点でも、すごく好評でした。ただ、そこには課題もあります。

永島 「導入開始時は関心が高かったものの、だんだんと全体の学習時間が低下してきていることに、課題を感じていますね。学びをどう実践へとつなげているか。そのナレッジシェアこそが大きなインフルエンスを引き起こす重要なキーになるので、社内報などを通じて社内に発信し続け、従業員の成長をより促せるような仕かけづくりを行っていきます」

導入後に課題があったものの、改善に向けて取り組む永島。人事としてのあり方、またテクノロジーについてはどう考えているのでしょうか。

テクノロジーを活用し、一人ひとりの想いに寄り添ったキャリア支援を

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永島 「グロービス学び放題の導入によって学習履歴を人事が確認できることは、一人ひとりの興味関心を知れるという面で、非常に有効なのです」

人事領域にテクノロジーを導入することに、どこか冷たい印象を抱く方もいるかもしれませんが、社員数が年々増え続ける中で個人と向き合うためには、IT技術との連携は欠かせないと、永島は語ります。

永島 「ニトリでは、会社のための人事ではなく、社員一人ひとりのための人事を目指していて。しかし、それぞれが何に関心があって、何を習得したいと思っているのか、人海戦術で情報を集めるには限界があります。

学習履歴はまさしく個人の想いが詰まった情報となります。配転を決める新たな軸が加わり、より個人に寄り添ったキャリアを築いていけることを期待しています」

グロービス学び放題の学習は、あくまで個人の主体性に任せています。強制するより、学びたくなったときに「そこにある」ことで、その人の知的好奇心を引き出したい。それは、そこに価値があると考えるからです。

永島 「社会人は、タスクに追われたり、失敗を恐れたりしていくうちに、好奇心を前面に出せなくなっていきます。しかし、私は好奇心こそが成長の重要なファクターだと思います。一人ひとりの好奇心を引き出せる土壌を、これからも育んでいきたいですね」

個々の成長のために──永島はこれからも人事として、社員一人ひとりに向き合い続けます。

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