仕事は大変なこと──そこからどう楽しさを見いだせるか
テックファームは技術畑ではない人もPMとして活躍しています。「技術側じゃないからこそ、顧客が理解するレベルを判断できる」と話す冨山 光紀。エンジニアと協力して顧客と関係性を築き、案件を形づくるのが彼の仕事です。いつも笑顔で人当たりが良く、仕事を楽しむ姿勢を忘れない彼が仕事への向き合い方を語ります。【talentbookで読む】
今のキャラクターの原点となった20代
新卒のときは、「おもしろそうだ」という直感を信じて会社を選びました。
それで選んだ一番初めのキャリアがフィールドエンジニアだったんです。
大手企業からも内定はいただいていたのですが、最初からたくさんのことに関わることができる方が魅力的に映りました。
でも、その分入社後はほんとに大変でした。少し研修をしたらすぐにひとりで顧客のもとへ行くことになったんです。
1日に何件か顧客である企業を訪ねて回るのですが、ほとんどでトラブルがあって……。
携帯電話片手に先輩へ質問をしているうちに電源が尽きることは日常茶飯事でした。
もうほんとに途方に暮れましたね(笑)。先輩はすぐに来られるわけではないからいったん会社へ戻らないといけない。でも顧客先のトラブルは解消していない……。
どうすれば顧客の気分を害さずにその場から去ることができるのか、頭をフル回転させていました。
そうしていくつもの修羅場を乗り越えながら、お客様と相対する上で重要なのは「良い印象を保ち続ける」ことだと学んだのです。
つまりは、「愛想を良くする」という心がけですね。
マイナスの意味合いで使われがちな言葉ですが、顧客の方の不安を取り除くために大切なことだと考えています。
人との付き合いなので、「真摯さ、感じの良さ」を念頭に対応していました。
夜中まで作業時間がいくこともありましたが、仕事が楽しくて、のめり込んでいましたね。
ただ、そんな自分の働き方を心配している上司がいまして。
他社を紹介してもらい、PMをやることになりました。
でもここがまた大変だったんですよ(笑)。
対顧客というスタイルは大きく変わらなかったのですが、一緒に働く仲間に変化がありました。
海外の方々とお仕事をすることになったんです。
欧米やアジア圏の方とお仕事をしたのですが、文章の解釈を統一させることに苦労しました。
こちらが英語で送った文章内容を個々人で解釈してしまい、食い違いが多発してしまって。
そこで、伝えたいことを箇条書きにして極力簡単にしようと注力しました。
全然考えた通りに動いてもらえなかった日々が続いていましたが、なんとか形になってきていました。
そうして、PMを経験していく中で品質保証をもっと学びたいという想いが出てきたので、次のステップを考え始めたんです。
新部署の地位確立に奔走した10年
PMを経験し、プロジェクトの根幹に関わっていたとはいえ、提供する商品自体を掘り下げていないことに気づいたんですよね。だからもっとプロダクトに携わる仕事がやりたいと思い、 品質管理をする側へ回ることを決めました。
それに、品質管理は過渡期の会社であれば必ずどうしようかという話題が上がってくるものですし。
そうして、社長直轄の新部署として立ち上がった品質管理部門を新天地として選んだのです。
品質管理をすればサービスの欠落に気付けるので、提供するときの精度が上がります。
その分コストがかかるので、どこからその予算を持ってくるのか、と他のPMから嫌味を言われることもあったんですけど(笑)。
これまでは顧客という社外との関係性をどうしていくかに注力していましたが、品質管理の仕事では社内に向けてどうするかを考えていくことが必要とされました。
また、新しい部署なので、「品質管理をやらせてください」という姿勢で、社内営業をしに行く必要もあって。
そのために、とにかくやったことのフィードバックをアピールしていましたね。
言わないと、品質管理せずにサービスが提供されていってしまうので、大変でした。
部署が立ち上がって、当たり前に品質管理をするようになるまで5年はかかりました。
私自身、技術畑の人間ではないので、その齟齬もありましたね。
とくに所属していた会社のエンジニアたちから信頼を得るのは結構大変でした。「どうせわからないでしょう」というスタンスの人が多くて。
それでもつらいな、という気持ちはなくて、むしろ「どうしたらあの人は信頼を寄せてくれるのだろう」と考えて行動していくことがおもしろかったですね。社内調整をしていく力はこのときにとてもついたと思います。ここでなんとか部署を形にして、グループ会社からも品質管理の相談が舞い込むようにもなり、待っていれば仕事がくる状態になりました。
ある程度形になったこともあって、また新たに違うことをやりたい。その想いが強くなっていって。
それで次への挑戦に移っていこうと考えました。
テックファームとの出会い、マネジメントへの移行
そうして転職活動をすることになったのですが、とくに何を軸にして企業を見ていたかというと、関係がフラットであるかどうかです。
年次に関係なく、仕事に対しての意見を出し合える環境があるか。これは大切な軸でした。
顧客に対して良いものを提供しようと考えたら、周りの空気を読んで発言をためらうという状況は良くないのではないかと思うんですよね。
結果的にテックファームに入ったんですが、テックファームは関係が本当にフラットなんですよね。いわゆる部長席、というものがありません。
全員「さん付け」で名前を呼び合うので、役職関係なく話し合いができる文化ができ上がっています。
なので、社長室へ相談しに行く人は多い印象ですね。
入社後は3年ほど保守運営のチームにいました。
前職と違うところは顧客が社外だという点です。ファーストキャリアでお客様を相手に奔走したのを思い出しました(笑)。
また、マネジメントへの転向に関しては、入社したときから運用のPMだったので、大きくギャップはありませんでした。
最初から複雑な案件を任された気がしますけど(笑)。
接していく人の立場が全然違うものを一気にやっていたんです。
自社開発、業務委託、SESと言うと想像しやすいでしょうか。
任せていいところのさじ加減が難しかったですね。進捗管理の仕方も違えば、受け取っている情報の練度が異なっているので。
でも、自分のキャラクターに合っているものを渡されたのだ、と後から気付きました。
とても大変でしたが、情報はプラスマイナス関係なく伝えること、休んだ際に戻ってきやすくするなど、信頼関係を築くことに注力していったらうまくいくようになりましたね。
当時は明確に任された理由を言われていませんが、私の「人あたりが良い」という強みを見てくれていたのだと思います。
マネージャーとして心がけていること
マネージャーはチームの現状を知らないと務まらないと思っているので、普段からメンバーと接するようにしていますね。
自分が外へ出払うこともあるので、とくに意識してコミュニケーションを取っています。
でもそんなに堅苦しいものではなくて、ふらっと机のそばまで行き、「どう?楽しんでる?」と声をかけるような。そんな”ちょうどいい距離感”を意識しています。
仕事って基本的に大変だったりつらかったりすることが多いものだと思うんですよね。その中でいかにおもしろさを見いだせるかが勝負だと私は考えています。新卒の職場環境はつらいこともありましたけど、おもしろかったですしね。何かを見いだしてほしいな、という想いがあって声がけをしています。
もちろん「全然楽しくないです!」とメンバーが言ってくることもあります(笑)。
フラットな関係性なので思ったことは結構はっきり伝えてくれるんですよ。
そんな中で、私の想いがどう届いてくれるかなと日々試行錯誤しています。
順風満帆とはいかない毎日だからこそ、おもしろさを発見できる力って強いと思うんですよね。
もっとメンバーのこと、チームのことを活性化できるように努めていきたいです。
そのためには、やっぱり自分自身がおもしろさの発見を実践していけてないと説得力はないですよね。
なので、自分自身がおもしろがっている姿勢を示していけたら、と思っています。
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