勉強会や先輩のアドバイスが成長の糧。目標は、オールマイティーなウェブデザイナー
「カッコいい」「カワイイ」といった感覚優先でデザインしていた学生時代。いざプロになると、ユーザー視点と自分視点の乖離に悩むデザイナーはたくさんいます。今回登場する小沢 幸希子も、そんなひとりです。ユーザー視点を持つデザイナーになるために、小沢を導いてくれたのは、先輩デザイナーによる勉強会でした。【talentbookで読む】
企画から運用まで、ワンストップで手掛けている会社に入りたい
2017年にネットイヤーグループ株式会社に入社し、ウェブデザイナーになった小沢 幸希子。アシスタントとして経験を積んだ後、現在はメインでプロジェクトを担当するデザイナーとして活躍中です。
子どものころからマンガやイラストが好きだったことから、デザインに興味を持った小沢。大学は芸術学部デザイン学科を専攻し、イラストレーション・グラフィック・空間・映像の4つの領域を学びました。
小沢 「大学では、発想力を養うことを狙いとする授業が多かったです。中でも印象に残っているのが、CMの絵コンテ、セリフ、音楽を考える授業。もちろんデザインの基本についても学びましたが、今思えば、ただ自分がつくりたいデザインを優先し、カッコいいカワイイ作品づくりに没頭していたのかも」
大学時代のアルバイトはシステムサービス会社。その会社のウェブサイト制作と運用を担当しました。
小沢 「自分のつくったものがすぐに人の目に触れて、実際に利用してもらえるのが、すごくうれしかったです。ウェブデザインの表現の幅は広いし、動きをつけることだってできる。このときに、ウェブ制作ってこんなに楽しいものなんだと知りました」
このアルバイト経験から、小沢が就職活動で興味を持ったのがネットイヤーグループでした。
小沢 「他にも広告やプランニング専門の会社の説明も聞いたのですが、制作だけ、プランニングだけ、デザインだけという会社はピンときませんでした。私はゼロから始めて、いろいろなことをやりたい。そこで、企画から運用までワンストップで手掛けているというところにひかれて、ネットイヤーグループに決めました。時間や勤務場所にとらわれず自由度が高い点も魅力でしたね」
たった1ページのデザインに苦労。アイコンひとつ決められない自分に焦りも
入社して社会人研修を受けた後、ウェブの基礎知識や技術の研修がスタート。午前中は、プログラミング、コーディング、デザイン概論、ソフトウェアなどの講習会。午後は実際のプロジェクトをサポートしながらのOJT(On the Job Training)という日々が続きました。
小沢 「OJTで実際のプロジェクトに関わると、情報デザインに対する認識が大きく変わりました。ユーザーにとって使いやすく、探しやすく、そして伝わりやすいウェブサイトとは、どういうものか。そうした視点がまったくなかったことに気づき、そこから意識を変えなくてはと思いました」
研修の後、まずメンバーとして参加したのが電鉄会社ウェブサイトのリニューアルプロジェクトです。小沢はアシスタントデザイナーとしての参加でしたが、クライアントとの定例会の議事録作成など、ディレクターのサポートも。さらに、メインのデザイナーが、そのうち2ページのデザインを小沢に任せました。
張り切ってデザインに取り組んだのは良かったのですが、予想以上に時間がかかるうえに、プロジェクトメンバーからのOKが出ず、何度も社内チェックを受ける羽目に。
小沢 「アイコンひとつとっても、どれにするかなかなか決められませんでした。アイコンだけ見るといい感じなのに、いざページにはめてみると見づらかったり、ページの雰囲気を壊してしまったり。ピンポイントでしかデザインを見られず、俯瞰してデザインを捉えることができなくて……。
たった1ページをデザインするだけで、気にしなくてはいけないところがこんなにあるなんて。デザインって、めっちゃ大変なんだ!って実感しました」
自己満足ではない、ユーザー視点のデザインの実現に悩む小沢。そんな彼女を導いてくれたのが、デザイナーの先輩たちでした。
デザインにはロジックが必要。毎週の勉強会で学んだ、多くのこと
入社2年目を迎え、ユーザー視点と自分視点のデザインの乖離に悩んでいた小沢。こうした小沢のような経験の浅いデザイナーのために、先輩デザイナーが始めたのが毎週の勉強会です。テーマを決めてバナーやページをつくるなど、さまざまな課題が出されました。
小沢 「業務をしながら課題をこなすのは大変なときもあったけれど、毎回とてもおもしろかったし、デザイナーには必須となる、多くのことを学びました。
シンプルなデザインってよくいうけれど、どういう要素の組み合わせがシンプルと捉えられるのか。信頼や安全をアピールするサイトで、よく青色が使われるのはなぜか。また、パーツの色や大きさによってページの印象はどう変わるのか。
勉強会のおかげで、漠然としていたことがきちんと捉えられるようになりました。これまでデザインは感覚的なものと思っていたのですが、いかにロジカルな視点が必要なのか見えてきた気がします」
勉強会だけでなく、業務中やランチ時の先輩たちのアドバイスも印象に残っています。小沢がデザインの中で苦手にしていることを知ると、その克服のために役立つ勉強法を伝え、テキストをくれた先輩も。また、あるプロジェクトでイラストが必要になったときに、挑戦をためらっていた小沢の背中を押したのも、デザイナーの先輩でした。
小沢 「先輩たちのこと、厳しいとか、こわいとか、思ったことは一度もないです。それより、何度も親身に相談に乗っていただいことが印象に残っています。こんなことに挑戦してみたいと何気なく話したことを、ちゃんと覚えていてくれるのもうれしかったですね」
デザインの一連の手順や流れを理解するときも、勉強会や先輩たちのアドバイスが役に立ちました。
小沢 「以前はページをデザインするとき、どこから始めればいいか、どんな手順で進めたらいいかさえわかっていませんでした。だから、レイアウトするにも、参考サイト一つ探すにも、すべての工程で時間がかかっていたんです。
今は、フォントはこれ、色はこれと、要素を箇条書きにして、ある程度かたちが見えたら、次は参考サイトを探し……という風に、デザインするときの流れというか、一連の型ができてきたと思います。クライアントにデザインの意図を、自信を持って伝えられるようになったのも、大きいですね」
アシスタントからメインのデザイナーへ。さらに画面設計も
入社3年目に、ファストフード会社ネット注文サイトのリニューアルプロジェクトでついにメインのデザイナーを任された小沢。その責任の重さを痛感しています。
小沢 「アシスタントのときは、メインのデザイナーが決めたルールに従って、ページのデザインをしていました。今度はそのルールを自分がつくる役目であり、何もない更地に建物をつくっているみたいな感覚です。メインのデザイナーとして、全体の品質管理、デザインの汎用性の考慮、コーディングへの連携など、やるべきことはいろいろあるのですが、どれも大変。
ページ数はそれほど多くないプロジェクトでもこうなのだから、数々の大型プロジェクトのデザインを手掛けた先輩たち、ほんとすごい!って心から思いました。私も早く同じレベルになりたいです」
同期入社のウェブデザイナーがいることも、小沢の刺激になっています。
小沢 「私は大学時代からデザインを学んでいますが、彼女は入社して初めてデザインに携わっています。だけど彼女、画面設計が得意なんです。同期の活躍はうれしい反面、負けたくないとも思います。向こうはなんとも思っていないかもですが、私は結構ありますよ、ライバル意識(笑)」
今後の目標は、“ジャンルや領域にとらわれず、幅広く活躍できるデザイナー”です。
小沢 「デザインだけでなく、設計もできて、プロジェクト全体をとらえることができるデザイナーが目標です。あと私を育ててくれた先輩たちが、誇れるようなデザイナーになりたいです」
先輩たちから教わった多くのことを糧に、成長し続けている小沢。彼女がそのことを後輩に伝える立場になるのも、そう遠い未来ではなさそうです。
ネットイヤーグループ株式会社
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