「税金の正しい知識を発信したい」。そう話すのは東京都内で税理士事務所を営む福田彩和佳さんです。福田さんは税理士事務所を開業して3年目。中小企業から上場企業までさまざまな規模の企業をクライアントに持ち、管理部門のサポートなどを担っています。

福田さんが公認会計士の資格を取得したのは大学生のとき。大手監査法人に就職し2年ほど勤めたのち、社会人向けのビジネス系学校法人に転職。企画職や営業を経験しました。

「監査の仕事をしている中で、ビジネスや事業についてもっと詳しくなりたいという思いがあって。ちょうどタイミングよく、ビジネススクールの仕事を紹介していただいたのが転職のきっかけになりました」

学校法人で2年間勤務したのち、税理士事務所を独立開業した福田さん。税理士としての事業を運営する傍ら、レンタル着物の事業を事業継承し、福岡で観光客向けのレンタル事業を展開するなど手広く活躍しています。

公認会計士、税理士としての知見と、起業や事業構想といったビジネスの知見をも併せ持つ福田さんは、タイムチケットで開業を考えている人や独立起業した人を対象に、税金についての不安を解消するべくアドバイスをしています。

「タイムチケットはゲストとして利用していたのですが、独立開業したことをきっかけに自分でもチケットを提供し始めました。公認会計士や税理士としてスキルを生かして、税金面をはじめとした『会社のお金関係』について相談に応じています」

お金にまつわるさまざまな相談を受けるという福田さん。特に相談が多いのは、独立をしようとしている、もしくはしたばかりという人からの「全般的な相談」だと言います。

「ピンポイントな相談よりも、『独立する上で何をするべきか』といったざっくりとした相談が多い印象です。独立や起業をするまで関わったことのなかった社会保険や経理、税務といった部分について、一から教えてほしいという場合も少なくありません」

福田さんがサービスを提供するときの流れを教えていただきました。

「まずサービスを提供する前に、ゲストの方がどのような状況にあって、どのような悩みをお持ちなのか、事前に教えていただきます。

そもそも、税理士に相談できる範囲がどこからどこまでなのか、一般的にはわからないと思うんですね。なので、まずは疑問に思っていることを全て箇条書きに出していただいて、そこからどんなことに悩んでいるのかを推測します。

当日はオンラインビデオ通話でさらにヒアリングをした上で、その人に適したアドバイスをさせていただいています」

福田さんに相談する依頼者は、独立をしようとしている人、独立したけれど会計関連に不安がある人、副業をしている人など、さまざまな背景を持つ人がいると言います。「相談内容は似ているようでいて、その人その人の環境や進む方向によって対処が違ってくる」と福田さん。

「例えば独立して開業している人でも『事業を現状維持したい』という方向性なのか『資金調達してさらに規模を拡大したい』という方向性かで、とるべき行動は変わってきます。

そういった意味でも、会計に関する知識はインターネット上でも得ることはできますが、その情報がその人にとって最適な方法かどうかの判断はできないと思うのです。そういった部分を判断したり、さらに最適な方法を提案することができると思っています」

税理士事務所を独立開業しながらタイムチケットでも会計にまつわる相談に応じる福田さん。今後の展望として、「会計のシステムをわかりやすく情報発信していきたい」と話します。

「会計に関して疑問を持つ方の質問は、それぞれが違うように見えて求める回答は似たようなものになることが少なくありません。そういった多くの人が持つ疑問を解消できるような情報発信をして、税金や会計についてもっと知ってほしいなと思っています。

一方で前述の通り、その人の現状や求めることによって回答が多方向に分岐していき、一問一答でまとめることができない部分も多くあります。その人に適切な回答が導き出される、何かシステムのようなものを作れないかと構想しています」

「起業するけど会計のことがよくわからない」「税金面での対策方法を知りたい」。そんなお金に関する疑問は、会計士としての知識と起業をはじめとしたビジネスの知見も併せ持つ福田さんに相談してみてはいかがでしょうか。依頼者に寄り添い、個々の状況に合ったアドバイスが、あなたの疑問を解きほぐしてくれるでしょう。