プロメンタルコーチ&心理カウンセラー。自分軸を生み出し、周りに流されない! 過去自分の独学でパニック障害を克服。「世渡り下手」が「世渡り上手」へ。個人の特性を探り、その人にあったカスタム式のメンタルサポートします。その場しのぎにならない、持続するための習慣術をマンツーマン伝授。答えを知ることより、自分の気持ちに何が起きているか?を探り、あなたにあったメンタルサポートをさせていただきます。
マインドフルネスとは?
——マインドフルネスとはどんなものなのでしょうか。 一般的にいわれるのは「いまこの瞬間」の状態に心を向けて、「あるがまま」を見つめるのがマインドフルネスです。 マインドフルネスのスキルを身につけることで、何らかの問題を抱えたときに起こる“望んでいない状態”や“不安定な状態”に陥ったときでも、常にベストな心の状態にアクセスすることができます。 たとえばトラブルに遭遇したときに、「このトラブルによって、いま自分にどんな負荷がかかっているのか」「何が問題で、それが自分の心にどう負担となっているのか」といったことを、客観的に自己分析できるようになります。
マインドフルネスの効果
■ビジネススキルにもつながるマインドフルネス
——マインドフルネスをすることによってどんな効果が得られるのでしょうか。 マインドフルネスは近年、医学的な分野でも話題になっています。マインドフルネスに取り組んでいる人の脳を調べたところ、ほかの人よりも前頭葉が発達していることがわかってきました。 前頭葉は記憶や判断、感情、集中などにかかわる部分です。マインドフルネスを実践することで判断力、集中力、記憶力といった能力をコントロールできるようになるといわれています。
■ビジネスパーソンにおすすめ
——どんな人にマインドフルネスをおすすめしますか?
マインドフルネスをすることによって磨かれる判断力や集中力といった能力は、ビジネスパーソンにとって核になる部分です。こうしたことから、マインドフルネスを取り入れる大企業や個人の起業家が増えています。Googleやセールスフォースといった外資系の企業では、各フロアにマインドフルネスの部屋を設けているそうです。
私は、フリーランスやパラレルキャリアの人にもマインドフルネスをおすすめします。勤務の時間や場所にある程度自由が利くフリーランスの人は、仕事とプライベートの線引きが難しいものです。また、仕事を終えてからもスマホを使って何かしらの情報に触れているという人も多いのではないでしょうか。
働き方が多様化し、ひとりひとりが自由な人生を選択できるようになってきたいまこそ、「自分とは何か」「自分には何ができるのか」「何がしたいのか」を見つめ直し、自分とじっくりと向き合う時間が必要です。
マインドフルネスで判断力、記憶力、感情などをコントロールして、自分の能力を発揮してほしいですね。
マインドフルネスの実践方法
■マインドフルネスを日常生活に取り入れる
——マインドフルネスはどんなところで、どんなタイミングで実践するのでしょうか。 マインドフルネスは瞑想の1つです。みなさんがイメージするように、静かな場所でじっと座ってする方法もあります。しかし、一般の方が完全に雑念を排除して瞑想をするのは難しいのではないでしょうか。 私が実践するマインドフルネスは、通勤途中の電車の中や歩いているときなど、日常生活の中に取り入れていただくことができます。
■「感覚」を研ぎ澄ませて自分の能力を引き出す
——実際にマインドフルネスはどのようにするのでしょうか。やり方を教えてください。 前提として、現代は情報過多で脳が常に受動的な状態であるため、精神疲労を抱えやすいということがあります。そうした状態に振り回されないよう「いまこの瞬間」に心を向けるようにします。 脳が受動的な状態になっていると、次のようなネガティブな反応が起こります。
・いやなことが連想されやすい
・ストレスを感じやすくなる
・メンタルがブレやすい そういうものにとらわれないために、脳の動きを切り替える必要があります。 脳が能動的でマインドフルな状態になっていると、次のようなポジティブな反応になります。
・メンタルが安定する
・ストレスを感じにくい
・情報処理がうまくいくことでひらめきにつながる 脳を能動的な状態に保つためには、自分の感覚を認知できるように視覚・聴覚・体感覚の3つのシステムを働かせます。
こうした「感覚」をさらに研ぎ澄ますために、ストレッチなどのワークを取り入れます。また、マインドフルネスをしたあとにディスカッションをして、どんな気づきがあったかを共有します。
マインドフルネスは筋トレと同じです。トレーニングジムで筋力を鍛えるように、マインドフルネスを習慣づけることでメンタルを鍛えることができます。
マインドフルネスをするうえで大切なポイント
■ネガティブな思考に執着しないこと
——実際にマインドフルネスをするときには、どんなことに注意したらいいですか? マインドフルネスをしていくと、無意識に引きずっていた過去の恋愛など、それまで気づかなかったネガティブな気持ちを発掘してしまう人もいます。気づきがあるのはいいことですが、ネガティブな思考にばかり執着してしまうと苦しくなってしまいます。 ネガティブな気持ちに気づいたら自分だけで抱え込むのではなく、カウンセラーなど第三者と共有するようにしましょう。 ——過去に大きな心の傷を負った人は、マインドフルネスをする前にカウンセリングなどを受けたほうがいいのでしょうか。
心に大きな傷を負っている場合、それを思い出すだけでも心の負担になってしまいます。マインドフルネスのよいところは、そうした心の傷や深刻な悩みをコーチに明確に開示したり、正確に思い出す必要がないところです。
ただ、マインドフルネスをしていく中で、過去の心の傷がどうしても辛く思い出されてしまうような場合は、コーチに相談し、カウンセリングを受けるかどうかを考えてもよいかもしれません。
■自分と向き合う姿勢を持つこと
——マインドフルネスをするにあたって大切な心構えはなんでしょう。 自分と向き合う姿勢を持つことです。誰かが自分を変えてくれるという他人任せの気持ちでは、マインドフルネスの効果は得られません。 いま、新型コロナの影響で、人々の働き方や考え方が変わってきています。一方で、変化の波にうまく適応できずに悩んでいる人もいます。情報の多さに圧倒されて、自分が何者なのかという焦りで苦しんでいる人もいるでしょう。 そんな人は、マインドフルネスをすることで心の波を穏やかにしてみてください。「いまこの瞬間」の自分を見つめ、ありのままの状態で能力を生かせるように、マインドフルネスを活用してほしいと思います。
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