OTAGROUP下西竜二社長「オタクが世界を変えていく新時代がやってきた」 | キャリコネニュース
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OTAGROUP下西竜二社長「オタクが世界を変えていく新時代がやってきた」

エンタメコンテンツをプロデュースするOTAGROUP(オタグループ)の下西竜二社長(本社・広島県広島市)は、2025年8月一般財団法人渡辺記念育成財団の理事に就任した。今回は、学生時代からエンタメ業界を志し、現在3社のエンタメ企業を経営する下西氏に、みらい塾での思い出や、現在取り組んでいる事業について語っていただいた。

最終課題発表にて(2023年当時)

渡辺記念育成財団の理事に就任

――下西さんは、この度渡辺記念育成財団の理事に就任されましたが、そのいきさつについてお話ください。
実は僕は渡辺記念育成財団が運営している「みらい塾」の奨励生(5期生)なのですが、卒塾後もご縁があって、ゲスト講師を務めたりしていました。そして、この度、代表理事の渡邊万由美さんからお話をいただき、理事に就任することになりました。

――みらい塾についてもう少し詳しく教えてください。
みらい塾は、エンタメ業界でクリエイティブプロデューサーを志す若者のための養成塾です。塾は、少数精鋭の約一年間のプログラムで、渡辺記念育成財団の奨励生のみが参加でき、選考を通った人だけが入塾資格を得ることができます。

僕は学生経営者になったタイミングで、このみらい塾を知り応募したのですが、実は一度2期生の時に選考で落ちました。それでも、どうしても入って勉強をしたかったんで、社会人になってから再応募し、2度目で晴れて塾生となりました。

――どんな思い出がありますか?
ずっと秋元康先生のファンで憧れの人でもあったので、塾生になって秋元先生の貴重な講義を受けることができたのは何よりもよかったです。また、バンド「GRe4N BOYZ」のボーカリストでリーダーのHIDEさんが、僕らのコーチ役を担当してくださり、自分たちでエンタメコンテンツを制作するプロジェクトに関して課題を出したり、バックアップをしてくださいました。とにかく講師陣が素晴らしかったです。(注:ゲスト講師はテーマによって毎年変更される)

第8回みらい塾講義中の様子(2025年6月撮影)

――どんな課題に取り組まれたんですか?

課題は「エンタメx EverWonder」立ち止まった心の導火線に火をつけるというのがテーマで、視聴者が自分たちもポジティブな行動をしたくなるエンタメコンテンツを制作し、数か月の制作期間中にSNSで5万フォロワーを達成しなさいというちょっと厳し目の内容でした。

――大変な課題ですね。実際どうだったんですか?

僕たちの時は、夢はいくつになっても挑戦できるということを体現すべく、おばあちゃんにVTuberに挑戦してもらうというプロジェクトを立ち上げました。80代のおばあちゃんキャラが最先端のメタバースでアイドルになる体験をすれば、固定概念に捉われない新しい挑戦をすることで、年齢を理由にチャレンジすることをあきらめてしまう人たちが減るのではないかと考えたからです。その結果、目標を上回るYouTube6万登録者を達成し、雑誌、新聞、テレビ取材と多くの媒体に取り上げていただき、第一回「平和×ビジネス・インパクト・アワード2022」でシード部門も受賞することが出来ました。こうしてみらい塾で成功体験を積むことができたのはエンタメプロデューサーとしての財産です。

みらい塾第8期生合宿の様子(2025年6月撮影)

31歳でエンタメ事業3社を経営

――下西さんは、現在オタグループなど、エンタメ事業に特化した3社をご経営です。社名の由来はありますか?

オタグループの「オタ」はズバリ「オタク」の「オタ」です。優秀なオタクがたくさん集まってくれたらいいなと思いから、このような社名にしました。

――そうだったんですね。どのような事業をされているのですか?

エンタメ業界に関連するさまざまな事業をやっています。メインはタレントのマネジメントです。
――会社経営はいつ頃からはじめたのでしょうか?

まだ学生だった20歳の時に一度会社を作り、経営をはじめたのですが、その時はうまくいきませんでした。その後就職活動もしたのですがあまりうまくいかず、再度23歳のときにOTAGROUP株式会社を立ち上げた形です。現在31歳なので経営者になってもう8年目になります。

――就職活動の思い出とかありますか?

そうですね、僕はアイドルがとても好きだったので、アイドルのマネジメントに携われる芸能事務所に入りたいと思い、マネージャー職や経営企画職を受けていました。ちょっとこわそうな社長さんが最終面接に出てくる場合が多く、ビビってしまいうまくしゃべれず落ちてしまうことが続きました。受からないのだったら自分で芸能事務所を作ろうと大胆なことを考え、もう一度経営者として挑戦してみようと決心しました。

――そしてオタグループが誕生したわけですね。

はい、オタクたちで、試行錯誤しながら会社を運営していきたいと考えました。会社の名前を「オタ」にしたために、優秀なオタクが採用面接に応募してくれます。好きなコンテンツだからこそ本気で仕事に向き合ってくれる方が多い印象です。

――労苦を惜しまない感じが伝わってきます。

学生時代アイドルの生誕祭の実行委員をやっていた時の思い出ですが、生誕祭の会費も払った上で、わざわざみんな仕事休んで会場設営をしたり、折り紙で花輪を作ったり、全情熱をそのイベントに注いでいました。アイドルの生誕祭実行委員はお金を払ってもやりたい仕事でした。実際には報酬は支払うわけですが、お金を払ってでもやりたい仕事を提供することが働いてくれる人への還元だと思っています。

――オタグループで活躍されている方々にお会いしてみたいものです。

実際にうちの会社のインターシップに応募してくれる方々は、世界でも優秀な大学に通っている大学生も多く、気づいたらかなりの頭脳集団なっているような状況です。リモートで自分の好きなことをやりたいと思っている人たちは、学歴とか関係なく一定数存在しているので、そういう人たちに突き刺さる企業になったんじゃないかなと思っています。常に応募が来るので、採用費をほとんどかけずに仲間を増やしています。

TikTokの2次代理店も経営

――オタグループではライバーのマネジメントにも進出されていますね。

ライブ配信自体はほとんどアプリができて日本に上陸したころから手掛けており、最近も力を入れております。特にアバターを使って配信アプリの「Mirrativ」を中心に活動するVライバーの育成に注力しており、そこでナンバー1事務所として活動を続けていくのが目標です。

――エンタメ業界の中でライブ配信についてどのように捉えられていますか?

ライブ配信は数ある芸能の世界の中でこれほど努力がそのまま結果に結びつく世界はないなと思っています。

ライブ配信の世界ではコツコツまじめに取り組むことができる人が、成果を出していると感じます。どれだけ長く配信したかとか、ファン1人ひとりとの交流を大切にしたかなどで、努力が結果として現れやすい世界ではないでしょうか。

理不尽なことが多いといわれるエンタメ業界の中で、個人のモチベーションで取り組みやすい世界だと捉えています。そんなことから、ライブ配信は頑張った分、見返りのある世界だよと所属ライバーたちには説明していますね。

――オタグループにはライバーさんはどのぐらいいますか。また選考基準などあれば教えてください。

Vライバーに関しては、約100名が所属しています。選考基準ですが一応年齢は見ています。しかしながら、実際の年齢層は幅広くて18歳から60代までいます。年齢、容姿に一切関係なく取り組めるのがバーチャルライバーのよさであるので、顔出しなしで面接を行い採用しています。

一方TikTokライブ事業は別会社を作って1次代理店のタイムチケットと業務提携を結び、2次代理店として運営しています。

――TikTokライブに進出した理由について教えてください。
TikTokに参入して1年が経過しました。本当はMirrativだけで良かったのかもしれませんが、TikTokは市場が大きいのでとにかく夢があります。TikTokのトップライバーは世界レベルでトップということになるので、将来が楽しみです。TikTokはSNSと連動しているアプリなのでフォロワー1万人などということができれば、「おおすごいね」と世間の共通認識で評価されるのも良いところだと思います。

――ライブ配信事業での夢を教えてください。
ライブ配信を本業にできるライバーも事務所内に増えてきました。自分の好きなことを仕事にできるひとをもっと増やしていきたいです。所属者のライブ配信を通じて明日が前向きになる人が増えたらさらに嬉しいなと感じています。

――本日は貴重なお話をありがとうございます。

OTAGROUP公式HP
https://otagroup.co.jp/

一般財団法人渡辺記念育成財団
https://watanabe-mf.or.jp/

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