オンライン運動会に、雑談タイム?!在宅勤務でも「社内コミュニケーション」を活性化させるユニークな施策
WEB開発事業を展開する株式会社mofmofさん。平時から週1日リモートワークを実施していましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い全員フルリモートワークへ移行し、現在もテレワーク勤務を推奨しています。
社内オンラインイベントや雑談タイム、勉強会等、意図的にオフィス勤務時のようなコミュニケーション時間を設けて、離職防止やチーム力向上に努めています。2020年11月にホワイト企業認定 プラチナを取得。具体的な取り組み内容や工夫したポイントについて、採用・広報担当の高梨杏奈さんからお話を伺いました。
会社の価値観を基に、柔軟に働きやすい制度や環境づくりに取り組む
――働きやすい社内制度や環境作りに取り組んだ経緯を教えてください
弊社はmofmof(もふもふ)な5つの価値観といういわゆるバリューのようなものがあります。
<もふもふの5つの価値観>
1. 根性に頼らず、思考し工夫すること
2. うまくいかないときは「人」ではなく「仕組み」に着目すること
3. 感情的にならないこと
4. 自己研鑽すること
5. 会社のためではなく自分のために働くことこの5つの価値観を基に、長時間労働をよしとしない企業風土が生まれ、メンバーが自分のために働きやすい制度や環境づくりをコロナ以前から取り組んでおりました。
また、週2.5日から掛け持ちで働くフリーランスメンバーや副業をしているフルタイムエンジニア、育休復帰し時差勤務を利用する子持ちパパエンジニアなど、多様なメンバーの参画で働き方の選択肢も増え続けていることや、コロナ禍を起因にフルリモートへ移行し、社内のコミュニケーションが希薄になりやすくなることから、社内のコミュニケーション施策関連の取り組みも強化しています。
――自社の特徴的な取り組み・制度の概要を教えてください
まず、働く時間や場所の制度は個々が柔軟に活躍できるよう様々な制度を用意しています。
・週2.5日、1日4H~就業、副業可能
・時差、時短勤務制度
・平常時は週1リモートワーク(現在はコロナ対策でフルリモート)
・子連れ出勤可能また、社内コミュニケーション活性化のための取り組みもあります。
・アフター6パラダイス
弊社は「つくって人を幸せにする」というビジョンを持ち、技術に対して貪欲なエンジニアがメンバーの8割を占めています。「アフター6パラダイス」は、コロナ禍の新たな試みとして新設した制度です。
弊社の基本業務時間は9時45分~18時45分です。「アフター6パラダイス」制度は、フルタイム勤務のメンバーは18時からの45分間を個々で活用可能としており、時差勤務をしているメンバーは、それぞれの業務時間のラスト45分間を自由に使っていいとしています。
エンジニアのメンバーは、オンラインで集い、業務以外の開発(個人開発や新しくやってみたい開発など)にトライしたり、技術習得やアウトプットをする時間として使用しています。
・雑談タイム
slackに雑談チャネルを作り、週1日、30分程度、参加人数は4名程度でたわいもない雑談をする会です。たまに真面目な雑談をすることも。「こんなこと話したい」という希望はトピックをあげてもらい、参加は自由です。最初は曜日・時間を模索していたが、現在は金曜日の12時半~がデフォルトになっています。
また、月2回程度、ランチタイムに集まってオンラインボードゲームで交流しています。こちらも参加は自由です!
・オンライン運動会
技術&運動会をコラボさせたチーム戦のオンライン運動会を開催しました。タイピング速度を競うゲームやチーム対抗プレゼン発表等の競技に挑戦してもらい、勝ったチームにはオンラインで送れるギフトを贈呈しました。
2015年10月より、電子契約を取り入れるなど、ハンコレス・電子契約に対しては世の中より早めに取り組んでおりました。コロナ禍で、電子契約をさらに推進することとなり、現在では電子契約8:紙契約2まで電子契約の割合が上がってきています。社内決済もほとんどがハンコレス・オンラインです。
テレワーク勤務中でも社内のコミュニケーション施策を定期的に実施し離職防止へ
――テレワーク勤務が浸透している今、社内コミュニケーション活性化の施策についてはどの企業も課題かと思います。御社施策の成果や苦労した点があれば教えていただけますか?
・アフター6パラダイス
テクノロジーアウトのアプローチで事業を展開する弊社だからこそ「もっと技術を磨きたい」「こんな技術を使ってこういうサービスを自分で作ってみたい」などの思いを持つメンバーは多く、その一方でアウトプットを作るには時間が足りないという声も多くありました。そういった意見を加味し、今回のアフター6パラダイスが実施されたという経緯があります。実際の取り組み実績としては、会社で保管している書籍の管理システムを複数名が協力し開発をし、運用しています。さらに、個人アプリの機能拡張にチャレンジするメンバーや非エンジニアがデザインの勉強をしてみる等、人それぞれ技術のインプット・アウトプットの場として活用することで、さらなる技術の習得や技術への興味がさらに強まり、全体の士気が上がっているように感じられます。
・雑談タイム
雑談タイムについては定着まで時間がかかりました。まず、皆が集まりやすい時間を設定するのに何回か実施するうちに、集まりやすい時間をテストし、テーマの有無、強制的に呼ぶか否か、どのツールを使うかにもよって集まり方が異なることもありました。現在では曜日・時間を固定し、テーマ設定もなく自由に話せる部屋として定着できたため、毎週一定数それぞれ違ったメンバーが集まって会話できるようになりました。
成果としては、業務上では見えにくい話してみないとわからない悩みを知る事ができるため、離職防止の一つの要因になっているのではないかと思います。また、月1回というペースでアンケートも併せて実施をし、回答内容で様子や変化を調査するようにしています。
・オンライン運動会
2020年2月中旬からフルリモートワークが始まり、前途でご紹介した「アフター6パラダイス」や「雑談タイム」等で意図的なコミュニケーションを設けていましたが、コロナ以前はコミュニケーションが活発であったこともあり、まだまだ課題を感じていました。社内会議にて「ハッカソン(※)をやってみたい」との意見があり、長時間拘束が必要となるハッカソンは現実的では無かったため、テックと運動を絡めた独自の「オンライン運動会」として実施した方が盛り上がるのではないか?と考え企画をしました。
実施してみて、想定以上の盛り上がりで「リモートだとなかなか仲良くなれない」という課題解決の一つの策としてはとても良いきっかけになったかと思います。チームごとの人数は、オンラインでも話しやすいよう3~4名だったので、しっかり交流ができました。
※ハッカソンとは…ハック(Hack)とマラソン(Marathon)を掛け合わせて造られた造語。ITエンジニアやデザイナーなどが集まってチームを作り、特定のテーマに対してそれぞれが意見やアイデアを出し合います。
――取り組みを展開したことで社内・社外から感じられた効果はありましたか?
コロナでリモートワークになってからは毎月アンケートを実施しているのですが、社内コミュニケーションに不足があるという数値が徐々に減っているので、社内での効果はあるのではないかと思います。また、電子印電子契約の強化に関しては、取り組みを進める事例として新聞掲載にも至ったこともあり、新聞掲載から新たな問い合わせもあり、ニーズは高いのではないかと思います。
――ホワイト企業の認定取得を目指したきっかけや目的を教えてください。
きっかけはホワイト企業アワードへのエントリーです。弊社が日々取り組んでいることがホワイト企業として認定されることで、社員のモチベーションアップや採用に効果があるのではないかと思います。
――ホワイト企業認定取得後に、社内外から得られた効果はありましたか?
やはり社内外含め認定取得時にはプラスな意見が多かったことや、認定を取得したことでより「働きやすい企業」と周囲に思ってもらえやすくなりました。
――コロナ禍で新設した制度や取り組みや今後課題としていらっしゃる点について教えてください
今後の課題については、しばらくリモートワークが続くと考えられるので、社内コミュニケーションが停滞しないようなイベントを随時行っていかなければならない点と、コロナがある程度収束した後の働き方に関しての検討をいつから行うべきかは課題としています。
――今後注力していく取り組みがあれば教えてください
今後も継続して、エンジニアにとって働きやすく、成長できる環境づくり・フルリモートの壁を少しでも低くできる社内環境を作っていきたいと思っています。
――最後にホワイト化を目指す企業様へ一言お願いします
「ホワイト企業として認められたいからなる」のではなく、メンバーが自分のために働ける環境作りをしていければ良いのではないかなと思います。