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有給消化で現金3万円もらえる?!エムステージが推進する「健康経営施策」

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医師の常勤雇用のマッチングを担う「Dr.転職なび」だけでなく、「Dr.アルなび」で非常勤雇用のニーズを創出。さらに、過労死問題や働き方改革が注目されていた2016年に、労働者が健康的に働くことのできる社会を実現する「産業保健サポートサービス」をスタートした株式会社エムステージ様。創業当初から社員の柔軟な働き方や健康的な働き方に力を入れており、2021年2月にホワイト企業認定のプラチナを取得。今回は健康経営施策やホワイト企業認定を取得した経緯について、広報の武田様からお話をお伺いしました。

多様な働き方をサポートする企業として私たち自身がロールモデルになりたい

――働きやすい社内制度や環境作りに取り組んだ経緯や狙いを教えてください。

背景のひとつには、創業時の思いがあります。代表の杉田は医療コンサル企業に勤めていた際に、人手不足の中で過重労働に疲弊する医師の姿、医師の約2割(若手では3割)を占めるようになった女性医師が、子育てとの両立に悩む姿を知りました。当時の医療機関では当直もあるフルタイムの「常勤」での勤務が基本であったため、柔軟な雇用が生み出せず、常勤以外の勤務形態を望む医師たちの活躍の場が閉ざされていました。

そこで、医師の多様な働き方を可能にし、すべての医師が最大限に能力を活かせる医療現場を生み出すことで、誰もが安心して医療を受けられる社会を実現すべく、起業を決意。医師の常勤雇用のマッチングを担う「Dr.転職なび」だけでなく「Dr.アルなび」で非常勤雇用のニーズを創出しました。そのような経緯もあり、創業当初から社員の柔軟な働き方や健康的な働き方には力を入れています。

さらに2016年より医師(産業医)の知見を活かして広く労働者が健康的に働くことのできる社会を実現する「産業保健サポートサービス」をスタートしました。健康に働き続けられる人を増やすことは、働く人が減り、また労働生産性が低い日本においては、労働生産性の向上・事業継続につながります。医療にかかる人が減ることで、医療費の削減・持続可能な医療にもつながります。

企業の産業保健や医療人材の多様な働き方をサポートする企業として、私たち自身が健康経営や働き方のロールモデルになりたいと考えていますし、「持続可能な医療の未来をつくる」というビジョンの達成のためには、私たち組織の持続可能性、ひいては社員ひとりひとりの持続可能性の追求が必要であると思っています。

「持続可能な医療の未来」に一丸となって取り組む、フラットで風通しのよい社風

「持続可能な医療の未来」に一丸となって取り組む、フラットで風通しのよい社風

――自社の特徴的な取り組み・制度の概要を教えてください。

特に産業保健サービスを提供する企業として健康経営には力を入れており、産業医の選任義務のない従業員50人未満の頃から産業医を選任し、毎月の衛生委員会や健康診断の結果チェックと就労判定、ストレスチェックの実施と高ストレス者判定、面接指導といったひとつひとつの産業保健活動を積み重ねています。

その他にも、有休消化50%以上、非喫煙、会社規定内の残業時間などの項目を達成すると年3万円の手当が支給される「健康増進達成手当」や総合職でも残業・転勤の有無を選ぶことのできる「選べる総合職制度」など、多様な社員が、健康に働き続けられるための社内制度・福利厚生を導入しています。

健康経営に関する制度・福利厚生

健康経営に関する制度・福利厚生

大切にしているのはユニークさよりも基礎的な取り組みをひとつひとつ丁寧におこなうことです。「法定だからやる」のではなく毎月の産業保健活動を積極的に運用する、残業時間の管理や有休取得を推奨する、といった地道で基本的な日々の取り組みを、PDCAを回して実行していくことが社員の健康や柔軟な働き方につながり、また社風として定着していくのだと考えています。

※選べる総合職制度:社員が自身の働き方を「総合職」「エリア総合職」「限定総合職」の3種類の中から選ぶことができ、それぞれ主に転勤の有無、残業の有無などに違いがあります。1 年に 2 度申請することが可能で、ライフステージやライフイベントに合わせ柔軟に働き方を選択できます。男女問わず、社員の4割強が総合職、4割強がエリア限定総合職、1割が限定総合職です。

もともとは子育て層が増えてきたことをきっかけに導入した制度でしたが、公平に全社員が利用できる制度にすることで、プライベートを大切にする社員の満足度も向上しました。ダイバーシティを推進する上で、社員間に不公平感を生まない、利用者も引け目を感じない制度として、気兼ねなく好きな働き方を社員が選んでいます。

また通常の総合職でも、評価指標として規定残業時間内に収めることや有休消化率50%以上が組み込まれているため、全体的にメリハリをつけた生産性の高い働き方を実現しています。

働き方に関する制度・福利厚生

働き方に関する制度・福利厚生

――上記取り組みを制度化し導入から実施、成果があがるまでに苦労したエピソードはありますか?

「健康経営施策」
当社は代表が非常に健康経営に力を入れており、事業を担う人材のパフォーマンスの向上が重要であるという認識が社内に浸透しています。それでもひとつひとつの取り組みに落としていく際に、経営層全体や情報の格差が生じやすくなる支社の従業員などにも同じように理解してもらい、取り組んでもらうことには難しさもあります。全社広報の他に、月1回の衛生委員会を情報補完・浸透の場として各支社の代表者に参加してもらい取り組みの意義や経過、結果をその委員からも支社に伝達してもらうといったことを実践しています。

「選べる働き方制度」
導入当初は、残業や転勤のない限定総合職を選ぶことで、やる気がないと思われるのではないか、評価が下がるのではないかと考える社員もいました。

そこで、社員アンケートで少しでも限定総合職に関心がある社員とは個別面談の場を設けて、制度や会社の意向を説明することで安心して変更してもらえるようにしました。

今では限定総合職でも役職者へ登用されたり、MVP表彰など分け隔てなく評価をされている様子が浸透し、自身の希望に合わせて選択してもらえています。

ホワイト企業認定の取得について

――ホワイト企業認定の取得を目指したきっかけや目的があれば教えてください。

健康経営に力を入れている一環として、もともと健康経営優良法人認定を取得していました。企業、とくに中小企業では、よりよい組織になりたいと思っても「何をしたらいいのか分からない」という課題もあると感じていて、そのような時に、こうした外部のフレームが手掛かりになるということを実感しました。認定に必要な項目と自社を照らし合わせることで「ここまでできればいい」「自社はここが足りていない」ということが分かり、バランスよく必要な取り組みをおこなうことができます。

ホワイト企業認定の取得は、健康経営だけではなく全体としても働きやすい取り組みが出来ているのかを客観的に確認するために目指しました。結果、プラチナ認定という事で“次世代に残すべき素晴らしい企業”として総合的に認定頂いたことは、自分たちのやってきた取り組みに自信が持てましたし、その中でも足りていない項目・今後取り組むべき項目がクリアになり、取得してよかったと感じています。

――ホワイト企業認定取得後に、社内外から得られた効果や反響はありますか?

採用面接を受けていただく応募者の皆さまは、ホームページで認定取得を見て来ていただいており、安心感を与えられている、採用につながっていると感じています。

コロナ禍で来客はあまりないのですが、オフィスのエントランスに認定プレートを飾っているので「すごいですね。さすがですね。」と言って頂くこともあります。第三者から認定を頂いたことによって、より客観的に評価を頂けていると思います。

――コロナ禍で新設した制度や取り組みはありますか?また、今後課題としていらっしゃる点について教えてください。

毎日のうがい手洗い検温の報告などで全社員の健康状態を把握し、外出の必要がある社員にはアルコールスプレーなどの衛生用品キットを配布するなど、医療に携わる企業として感染対策には力を入れています。BCP(事業継続計画)や安否確認フローなども策定しました。

また、現在は在宅勤務が導入され、在宅勤務手当が新設されました。出社をする社員に対しても、満員電車での感染を予防する為、 ピークタイムをずらした時差出勤を選択できるようにしています。ちょうど電子契約システムやオンライン会議システムを導入したタイミングで、全社員に社用携帯の貸与があるので、在宅でもスムーズに勤務することができています。

今、コロナにより働き方にもさまざまな変化が起こっています。新しい価値観が生まれると、以前の価値観に固執したり、逆に新しい価値観にひっぱられすぎたりということが起こりますが、その中には変えたほうがよいものと、変えずに大切にすべきものが存在すると考えているため、それを見極め、企業として発展していくための自社にとってベストなバランスを見極めていきたいです。

朝会でのストレッチも、コロナでオンラインに

朝会でのストレッチも、コロナでオンラインに

――今後注力していく取り組みがあれば教えてください。

コロナによる大きな社会の変化が起こる中、活動制限でストレス発散のセルフケアの機会は少なくなっています。産業医や産業保健師といった専門家と連携し、社員の心身の不調につながらないように企業としてさらに健康経営に取り組んでいきたいですね。これからも多様な働き方を支え、「持続可能な医療の未来」のビジョン実現に向けて全社員で取り組んでいきます。

――最後にホワイト化を目指す企業様へ一言お願いします。

自社がホワイト企業だと思うから認定を取得するのではなく、取得を目指す中で自社の状況を確認して、段階的に取り組むことが認定の取得やホワイト企業といわれる組織の実現につながっていくのだと考えています。

いきなり完璧を目指すのではなく、まずは認定に必要な項目を手掛かりに、自社の状況を棚卸ししてみてはいかがでしょうか。

いきいきと社員が能力を発揮できる生産性の高い組織を実現し、社会に価値を提供することで、皆さまとともによりよい社会を作っていきたいと思っています。

<ホワイト財団のインタビューページ>

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