Chatworkがフルリモートワークを認めるワケ 「働く時間を、もっと楽しく、創造的なものにしたい」
2019年3月、Chatworkが「ホワイト企業アワード」(JWS/日本次世代企業普及機構 主催)で「柔軟な働き方部門」を受賞した。
同社は、自らが開発・運営するビジネスチャット「Chatwork」で自社の働き方改革を行っているほか、その取り組みを社外にも普及している。「Chatwork」の活用によって個々の社員のライフスタイルに応じたリモートワークを実現したことが今回の受賞につながった。その具体的な取り組みや効果について、代表取締役CEO兼CTOの山本正喜さんにお話を伺った。
生産性UP&離職率防止!フルリモートワークの実施で得られたメリット
ーー今回の受賞に至った経緯を教えてください。
「働くをもっと楽しく、創造的に」。そう宣言している会社で働く社員であるからこそ、「働き方」のすべてにおいてお手本でならなければならないと考えました。
一歩先の働き方を叶えるツールを提供する会社だからこそ、Chatworkでは、会社のあり方=スタイルを重視し、常日頃から改善に努めています。自主的に楽しく創造的に働ける環境であれば、成果は自然と生まれてくる。その成功体験こそ、私たちChatworkの財産になると考えています。
ーー具体的な取り組み内容について教えて下さい。
私たちは自らが開発運営するビジネスチャット「Chatwork」で自社の働き方改革を行っているほか、その取り組みを社外にも普及しています。「Chatwork」の活用によって個々の社員のライフスタイルに応じたリモートワークを実現しています。
弊社では、業務の全てをチャットに集約し、チャットを核とした働き方をしています。生産性や効率の面から、現状は社員には原則的にオフィスワークを推奨していますが、Chatworkを使えば場所や時間の制約はないので、個々の家庭環境や事情に応じて本人の適正を考慮した上でフルリモートワークを認めています。
■フルリモートワーク例
・地方に住んでいる社員
(現在、一部社員が山口など地方で在宅勤務)■一時的なリモートワーク例
・台風や災害など天候が悪い日や交通機関が乱れている日
・ママさん社員が週に2日時短で在宅勤務をする
・一日中往訪アポイントメントが続く日 など
ーーその取り組みの効果について教えてください。
柔軟な働き方に対応していることが、採用応募の動機の一つになっています。個々の社員の状況に合わせた多様な働き方を採用し、不要なオフィス出社などがないため、移動交通費や残業時間が抑えられ、生産性が向上します。また離職率防止につながっています。
リモートワークで物理的な距離を感じさせない「働き方の工夫」も
ーー上記の取り組みを実施してから、成果があがるまでに苦労したポイントはありますか?
もともと、会社設立当初から大阪と東京で拠点が分かれていたため、必然的にリモートで仕事をすることになりましたが、弊社では、リモートワークをする上で、face to faceのコミュニケーションも重視し、対面で話す機会も積極的に設けています。
新しく入社した社員によってはリモートで働く社員と一緒に仕事をしたことがない者もいるため、コミュニケーションの取り方のtipsを教えたり、ユニークな制度(https://corp.chatwork.com/ja/recruit/)を作ってface to faceで会う機会を設けるなどをして、物理的な距離を感じない(感じさせない)働き方の工夫を日頃から行いました。これらの工夫を社員全員で行うことで、リモートワークをする社員がいるのが当たり前の土壌が育まれてきました。
ーー社内・社外から感じられた効果はありますか?
働くことは生活の糧を得るためだけではなく、自己実現するための活動でもあると弊社では考えています。人生の大半を過ごす「働く」という時間を、もっと楽しく、創造的なものにしたい。そうすることで、人生を充実感のあるものにし、より社会を豊かにしていけると信じています。
弊社ではリモートワークの導入を通して、ワーク・ライフバランスのとれた働き方が可能となり、社員が公私ともに充実した生活を送れています。またその取り組みやノウハウを社外に広めることで、他社でもChatworkを利用して多様な働き方を実現している企業を多く目にするようになりました。
社員のダイバーシティ対応でさらに働きやすい会社へ
ーー今後の課題・これから先目指す「取り組み」をお教えください。
また外国籍の社員が増えたことから、社内マニュアルなどの言語対応の整備も進め、社員のダイバーシティに対応していく必要があります。リモートワークに限らず、制度は社内でのヒアリングや意見交換などを重ねて定期的に見直しを行っており、必要に応じて制度をなくしたり、内容をアップデートしています。
※本記事は、受賞当時(2019年3月)のインタビューをもとに作成しています。