美容師の離職率は3年で8割?!「社員の健康促進で安心して働ける美容業界へ!」スヴェンソンの挑戦
2019年3月、株式会社スヴェンソンが「ホワイト企業アワード」(JWS/日本次世代企業普及機構 主催)で「健康経営部門」を受賞した。
美容業界では、美容師の離職率が1年で50%、3年で80%(※)という統計データもあるほど、美容師の定着率が悪く、安定した将来設計を描きにくい業界と言わざるを得ない状況がある。
そのような業界の中でも、スヴェンソンは「安定的に長きに渡ってそのスキルを発揮してもらうことが『従業員』と『企業』の双方にとってプラスになる」という考えのもと、社員の定着率の向上のために充実したワークライフバランスの実現と健康経営の推進に取り組んだ。
今回はその具体的な取り組み内容についてお話を伺った。
※参照:美容師転職サイト モア・リジョブ 2017/9/1 コラム
「予防」と「発見」で社員の健康促進サイクルを構築
ーー受賞に至った、具体的な取り組みをご紹介ください。
『予防 ⇒ 発見 ⇒ 治療 ⇒ 復職/両立支援』と、従業員のそれぞれのステージで「健康」をサポートするための施策・制度を導入し、健康推進サイクルの構築を行いました。
特に「予防」の「階段利用キャンペーン」では、従業員の階段利用数に応じて従業員が表彰されると共に、東日本震災地域への卓球台寄付を行うという、健康推進と社会貢献の両立を実現しています。
また、「復職/両立支援」のために導入した「がん治療休暇」は、がん患者様と日々、触れ合う企業として、従業員の罹患者にも支援を行う、企業の特徴が表れているものかと思います。
ーーその施策、取り組みの効果について教えてください。
「予防」分野では、 健康増進施策である階段利用キャンペーン「3UP5DOWNウィーク」に、役員を含めた約6割の社員が参加しました。キャンペーンウィーク後も階段を利用する社員が増えました。
「発見」分野では、 健康診断の再検査費用補助の導入後、実際に補助を利用し、再検査を受診する社員が増えています。この施策が早期発見への動機づけとなっていると感じています。
「両立支援」分野では、がん治療休暇導入についても、導入後、既に利用実績があり、治療と仕事の両立の一助として認知・活用されています。
美、健康、環境を扱う会社だからこそ、社員の「健康」を大切にしたい
ーー自社のホワイト化に取り組んだ後、社内・社外から感じられた効果はありますか?
社内で「健康経営」という言葉が認識され、使われるようになったことが、最も大きな効果だと感じます。
もともと「美と健康と環境の分野において、世のため、人のため、お役に立つ」ことを基本理念としている企業ですが、そこで働く社員自身も「健康」であることが、基本理念に沿った行動であると認識されてきたことが、取り組みの大きな効果ではないかと感じています。
ーー上記取り組み導入から実施、成果があがるまでに苦労したポイントはありますか?
もともと社員にとって有意義な取組みが多いことから、特段苦労したことはありませんでした。強いて上がれば、「発見」の原点である健康診断の受診率が、3年前までは芳しくありませんでした。
そこで、アナウンスを強化し、また、未受診者の上長に働きかけを続けることで、受診率の向上につなげたことが苦労と言えば言えるかもしれません。
「イキイキ、ワクワク、ありがとう」を実践する会社へ
ーー今後の課題・これから先目指す「取り組み」をお教えください。
今回、評価頂いた取組みは、この1~2年で導入・開始したものが多く、一定の効果は認められるものの、まだまだ、完全に浸透、実行できているわけではありません。
現状の取組みを一過性のもので終わらせず、この受賞を一つの契機として、更なる認知・浸透・定着に努め、当社の行動理念である「イキイキ ワクワク ありがとう」を実践する社員の集まりとしていきたいと思います。
※本記事は、受賞当時(2019年3月)のインタビューをもとに作成しています。