30種類の充実した福利厚生で社員をサポート!日本一のワークライフバランスを実現する、十和運送の挑戦
茨城県を中心に物流サービスを展開する十和運送様は、2020年4月に運送業界として初のホワイト企業認定を取得。
実は、1度でスムーズに認定を取得できた訳ではなく、2019年7月、初回の認定審査は自社の現状把握のために実施し、設問項目の2割以下の取り組み状況で“不認定”でした。
自社でプロジェクトチームを発足し、働き方改革に対応した人事制度改定や社内制度を刷新。2020年4月、2度目の認定審査で運送業初、茨城県初のホワイト企業認定取得に至りました。同時に総務人事部から総務部と人事戦略部へと組織変更を実施。部署名改めチームで団結し、攻めの人事として戦略的に日々取り組まれています。
今回は人事戦略部部長の工藤様と坂本様にお話を伺いました。
運送・物流業界の人材不足解消のために人事改革をし、ホワイト企業認定を取得
ーーまず、ホワイト企業認定取得を目指した経緯を教えてください。
弊社は、茨城県を中心に運送(チャーター便・共同配送・ドレージ)・センター運営・倉庫保管・流通加工など、さまざまな物流サービスを提供しています。業界では人手不足を抱えていますが、新規採用に力を入れるよりも、縁があり働いてくださる現職の従業員を大切にしたいという代表の強い想いもあり、働きやすい職場環境、魅力ある会社づくりという観点から、制度改革がスタートしました。その際に、自社の取り組み状況を把握すること、改革の目標として、ホワイト企業認定の審査・取得を活用しました。
1度目は不認定でしたが、働き方改革に対応した人事制度の見直しをし、福利厚生の充実、有給休暇の取得推進(社内独自制度含め)を図り、改めて認定審査を受けなおし、ホワイト企業認定取得に至りました。
従業員満足度を向上させた30もの福利厚生を展開!有給休暇義務化にも対応!
ーー自社の特徴的な制度を教えてください。
弊社は30もの福利厚生制度があります。
十和運送の30種類の福利厚生
ーー30の福利厚生とはすごい数ですね!でも社員に浸透させるのは大変ではないですか?
そうですね。そのために、制度を紹介するパンフレットを作成し、配布しました。過去、制度展開はワードの書面で実施していましたが、従業員が全ての制度を理解できず、該当する制度を利用できないという事もありました。パンフレットを展開する事で従業員はもちろん、ご家族にも周知出来て制度利用が促進できています。
また、併せて社内情報発信ツールとしてSNSを活用していく事も検討しています。入学や休暇など制度利用に最適なタイミングに取得を促す発信をしたり、有給取得ができていますか?と従業員へ問いかけたり、福利厚生の利用を促進させていきたいです。
ーー “作ってあるだけの制度”ではなく、会社から取得を促してもらえたら、従業員が利用しやすくなりますね。30の福利厚生の中で、御社の課題を解決できた特徴的な制度はありますか?
「パワーバカンス休暇」です。有給休暇を5日取得の際、特別休暇を1日プレゼントする社内独自の制度です。実は、お恥ずかしながら弊社は過去有給取得率が低く、昨今の働き方改革に併せ、有給取得率向上施策が必要でした。パワーバカンス休暇の導入により、従業員側としても「休みにくい」考えから「休みが楽しみに」という認識に変わり、職場の皆が協力をして、計画的に休みを取得するようになったと感じられます。
ワークライフバランスの充実は、良い職場の雰囲気作りや社内風土に繋がる
ーーこの充実した福利厚生の展開で社内に変化はありましたか?
従業員のワークライフバランスが充実し、さらに社内の雰囲気がよくなりましたね。ドライバーの方から「どの運送業者より職場の雰囲気が圧倒的にいい」「困った人を助ける社内風土がある」といった意見を頂きますが、ワークライフバランスの充実は従業員の心身の健康にも繋がり、そのような良い職場の雰囲気、社内風土が生まれているのではと思います。
ーー本当にその通りですね。また、初めにお話し頂いた御社田上代表の「既存の従業員を大切にしたい」という想いも、従業員に伝わっているのでしょうね。
当社は毎年年初に「新年式典」というグループ全体が集まる行事があります。そこで代表が従業員に対する想いや、今後の経営方針を共有しています。また7月の創業月には、事業所ごとに優秀な従業員を表彰し、モチベーション向上に繋げています。
このような行事もより良い社内風土作りに貢献していると思います。
ーー30もの福利厚生や、人事制度の刷新はどのようなメンバーで進行したのですか?
制度設計するにあたり、2019年4月にプロジェクトチームを発足し、経営陣や人事担当者だけではなく、一般の社員も加え、7名ほどの人員を組み、認定コンサルタントの方と共に、どのような制度があれば従業員の満足度が高まるか?を視点に検討を重ねました。まず従業員満足度調査のアンケートを実施し、従業員の皆さんからの声を元に、できるもの、見直しが必要なものと検討を重ね、多くの時間を費やし、実現いたしました。
ーー新型コロナウィルス感染症対策に伴う御社の対応と、今後(ウィズコロナ、アフターコロナ)で課題としていらっしゃる点について教えてください。
感染防止には最大限に配慮し、かつ物流事業者としての社会的責任を果たすことを念頭に対応しました。
オフィス業務の方は事業所により対応が異なりますが、我々人事戦略部ではテレワークと出社日の2グループに分け、職場の人数をコントロールし、自部署は簡易的な間仕切りをし、対策をしています。また、現場に出るドライバーにはマスクを配布しています。
今後は介護と仕事の両立を実現させるダイバーシティマネジメントに取り組みたい
ーー御社の今後の取り組みを教えてください。
弊社のドライバー業務にあたる従業員の平均年齢は48歳です。その方々が親の介護に直面しており、介護に関連した制度充実が急務となっています。
また、ダイバーシティ&インクルージョンを管理者のみならず、社内全体で認識をより一層深めるための研修や社内発信を実施していこうと考えております。
ーー最後にホワイト化を目指す企業様へ一言お願いします。
全てを急に改善していくことは難しいと思います。日々の積み重ねを行い、是非とも認定取得を目指してください!
※本記事は、2020年6月当時のインタビューをもとに作成しています
ホワイト財団のインタビューページ