【急募!】刑務所に代わりに入れば1億5000万円 中国のヤバすぎる「代行サービス」事情
代わりに刑務所に入ってくれる人急募
刑務所に2年6か月(途中交代も可能)入ってくれる人に、260万人民元(約4800万円)を入所前に支払います。刑務所関係者には根回しをしておいたので、中は安全です。犯罪の前科がなければ誰でも応募可能です!
別の求人広告では、四川省の刑務所に5年7か月入ってくれる人を募集しています。入所日が近いのか、かなり急いでいる様子がうかがえます。
800万人民元(約1億5000万円)を支払います。場所は四川徳陽市です。25~30歳の男性で、かつ前科がない方は、お早めに連絡ください! 本当に早く見つけたいので、電話でお問い合わせください!!
この恐ろしいサービスは「囚人代行」といいます。中国だけでなく、世界で見ても有数の稼げる代行サービスでしょう。もちろん日本やアメリカなど法律制度が整っていて、国民のモラル意識が高い国なら、こんな仕事はあり得ません。
しかし、ワイロ問題や汚職事件が頻発の中国だったら、状況は全然違います。政府の要人や有名人は犯罪を起こしても、法律の裁きから逃げる方法はいくらでもあります。残念ながら、広告の番号に電話をしても誰も出ませんでしたが、実際にこうした仕事が存在している可能性は十分あるでしょう。
中国政府を賛美する「コメント代行員」、書き込み1件7.5円
次に私が紹介したい代行サービスは、一発で1億円稼げるような犯罪っぽいサービスではありません。逆に一件一件は7.5円しかもらえない地味なお仕事です。
実は十数年前から、中国政府は世論誘導のためにインターネット工作員を使っています。いわば「コメント代行員」として雇われた、彼ら彼女ら毎日のお仕事は、様々なブログや掲示板、SNSへアクセスし、政府を批判する書き込みを発見したら、コメントで当事者を中傷する、というものです。
もちろん中傷以外にも、政府を賛美したり、国民の考えを誘導したりするコメントを書き込むこともあります。コメントを1個書くと0.5人民元(約7.5円ぐらい)がもらえるのですが、中国では0.1人民元を「毛」と言うので、彼らインターネット工作員は「五毛党(ごもうとう)」とも呼ばれています。
その存在は海外でも知られていて、BBCニュースも五毛党に関して、「ネット上の不利益な情報をなくすために、政府は彼らを起用している」と指摘していました。もしこのインターネット工作集団がいなかったら、すでに革命の炎が中国全土に広がっていたかも知れませんね。
【プロフィール 】
ラ ガイシュン 香港出身。2009年に来日し、現在は都内IT企業セブンコードにデザイナーとして勤務している。本業以外にも、英語・中国語の通訳や雑誌コラムの執筆、海外貿易アドバイザーなど多岐にわたる分野で活動中。【Facebook】
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