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部下への指導はなぜ空回りする? 理論だけで教えても納得感は少ない

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私が担当する管理職向け研修では、

「部下が言うことを聞いてくれない……」
「部下に伝えたいことが伝わらない……」
「どうも指導が空回りしているような気がする……」

といった悩みを抱えている方が多くいらっしゃいます。

思っていることを人に伝えることは難しいことですが、管理職としては伝わる状態を作っていかなければなりません。今回は、“伝える”ではない“伝わる”を実現するスキルについてご紹介してまいります。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)

部下に“気づき”をもたらさなければいけない

部下への指導が空回りするのはなぜなのでしょうか?大きく分けて以下のような2つの原因が考えられます。

(1)上司が伝えた内容に部下の能力が足りていない。
(2)上司が伝えた内容に部下の腹落ち感、納得感がない。

(1)に関しては部下の能力向上が必要なため、仕事の経験を積ませたり、研修を受けさせたりして育成していかなければなりません。しかし、(2)に関しては部下の内面のことであり、その腹落ち感を高めることは簡単ではありません。

皆さんも、伝えた内容に対して部下が腹落ちしていないなと思った経験は沢山あるのではないでしょうか。腹落ちさせるためには、部下の心の中に「なるほど」といった思いや、「これをすればいいんだ」といった気づきをもたらしていかなければなりません。では、どのようにすればいいのでしょうか?

信頼関係をベースに理論と持論で伝える

まず大前提は、これまでのコラムの中でもお伝えしておりますが、“何を言うか”より“誰が言うか”が部下の腹落ち感には大切だと言うことです。信頼していない上司が言う言葉より、信頼や親しみを感じている上司の言葉の方が腹落ち感が高いのは言うまでもありません。

信頼関係を継続的に育むことが大切です。そして、更に伝わる状態を作るために、理論と持論のバランスをとった伝え方のスキルを身につけていきましょう。

理論とは、個々の検証を法則的、統一的に説明できるように筋道を立てて組み立てられた知識の体系です。思考の中で組み立てられた知識や一般論であり、部下を動かす理屈になります。

例えば、「顧客目線で仕事を進めるためには、顧客の話をよく聞かなければならない」とか、「部下は、上司に報連相を徹底するべきだ」といったものになります。

持論とは、自身の体験や経験を通じて得た自分の意見や説であり、具体的なエピソードを伴ったものになります。例えば、「自分の想いだけで顧客に商品を紹介していた若手時代の失敗談」や、「しつこいかなと思われるくらい上司に報連相をしていた時に、上司の支援を得られた経験」などになります。

部下に腹落ち感を持ってもらうには、この理論と持論のバランスをとっていくことが大切です。理論だけですと、「理屈ではわかるけど、本当にそんなことが効果的なのかな?」とか、「理屈ではわかるけど、なんか上手くいかない気がする」といった思いを生み出してしまいます。

また、持論だけでも、「それは、上司の〇〇さんだからうまくいったんだ」とか、「いつもそんなにうまくいくとは限らないよな」といった思いを生み出してしまいます。

営業で困っている部下がいれば、自身の失敗談などを入れながら、顧客の声に耳を傾けることの大切さを指導していきます。理論と持論のバランスを取った指導ができれば、上司の言葉は部下の感情に届き、共感を生み出し、腹落ち感を高めていくのです。

以上、部下への指導が空回りする原因と、その対策を紹介してまいりました。皆さんの部下の腹落ち感を高めて確実な行動に結びつけ、組織の目標達成に活かしていただければと思います。

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