ヤンキーインターンで何が変わるの?「地元にいた時は”やんちゃで羽振りのいい人”がカッコいいと思っていた」【現代ヤンキー白書】 | キャリコネニュース
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ヤンキーインターンで何が変わるの?「地元にいた時は”やんちゃで羽振りのいい人”がカッコいいと思っていた」【現代ヤンキー白書】

ヤンキーインターン歴7か月目・テツ(21)

ヤンキーインターン歴7か月目・テツ(21)

地方出身の若者の就労支援「ヤンキーインターン」を行うハッシャダイの白ギャル編集長こと関田知子です!

ヤンキーインターンとは16~24歳までの中高卒者に、自らの選択肢を広げてもらうため「職・食・住」を無料で提供し、一般教養やビジネスマナー、スキルを身につけるキャリア支援事業のことです。

今までの記事で、現代ヤンキーの生態についてあらゆる面からご紹介してきました。最終回となる今回は、ヤンキーインターン歴7か月目の神奈川県出身のテツ(21)に、参加してこれまでと変わったことについて聞いてみました。

――どうして高校を中退したの?

「親や先生に『とりあえず高校は行った方が良い」と言われたからで、僕自身は何も考えがないまま進学したんです。そんな気持ちだからつまらなくて、何のために通ってるんだろうなという気持ちが膨らんでいって、そのタイミングで家計も苦しくなって、稼がなきゃなと。

高校とバイトを天秤にかけたら、バイトが優先かなと思ったんですよね。八百屋とコンビニの深夜勤務をしていました。ヤンキーインターンに来る前日までコンビニの夜勤に出ていました」

――ヤンキーインターンに参加したきっかけは?

「周りの友だちが進学・就職する中で、地元でバイトをしていたら、バイト先に友だちが来るんです。やっぱり地元だから。そうするとおちょくってきたりとか(笑)。自分は毎日そんな感じなのに、みんな楽しそうにやってるなと思ったら悔しい気持ちや焦りました。

ちょっと環境変えなきゃなと思っていた時に、バイト先のオーナーがハッシャダイのことを教えてくれて、『お金もかからないしやってみたら?』って言われて参加しました」

「昔はちょっとやんちゃでもしっかり稼いで、羽振りが良い人をかっこいいと思ってた」

――ヤンキーインターンは地方から上京して参加する人も多いけど、神奈川が地元ならあまり「上京」するぞ!感もなさそうだけど……。

「確かに他のインターン生と比べるとすぐに地元に帰れます。でも、インターンに参加するまで地元から出たことがなかったんです。東京に行きたいとは思ってたんですけど。だから地元にいる人しか知らなかったし見たこともなかった。視野が狭かったなと思います」

――参加して1番変わったことは?

「生活面では、いろいろな地方からきたさまざまな価値観を持つ仲間たちとシェアハウスで暮らして、同じ時間を過ごしていることが1番の変化だと思います。

その中でも”自分を変えたい”という同じ志で、学歴コンプレックスを持っている仲間と過ごすっていうのが良い影響になっていますね」

――”かっこいい”と思う人も変わった?

「昔は、地元の中でちょっとやんちゃで、でもしっかりお金を稼いで、羽振りが良い人がかっこいいと思っていました。でも何をどうやって稼いでいるのかまでは見ていなかったし、考えていなかったです。

でもヤンキーインターンに参加して、からかっこいいと思う人が変わりました。自分で自分の軸を見つけて仕事にしている人がかっこいいなと思うようになりましたね。

本当にかっこいい人って、あまりお金を気にしない人が多いんです。自分のやりたいことを仕事にしているとモチベーションが上がって、結果的にお金がついてくる人が多いように思います」

――今までは地元で、自分と似た環境で育った人と友だちになっていたと思う。でも、ヤンキーインターンの場合は、絶対に仲良くならなそうな子もいるはず。

「そうですね、シェアハウスで暮らすようになって、正直最初は『合わないな』と思う子もいました(笑)。地元のコミュニティにしか触れてなくて、ひとつのコミュニケーション、アプローチしか知らなかったから、今思えばとても勿体無いなと思います。

でも、コミュニケーションに対してPDCAを回すようになって…ナンパと同じです!(笑)。その人に合ったアプローチがあると思うんですよ。相手に苦手意識を持っていたとしても。

プライベートの話じゃなくて仕事の話だったらその人とめっちゃ合うなと思う部分もあるし、逆に仕事の話ではあまり合わなくてもプライベートでは合うなという場合もあるので、そこを見つけられるようになったというか。いろんな人といろんな接し方ができるようになって自分自身も成長できました」

「一緒にいることだけが親孝行じゃないなと思います」

「子どもの頃の『働いてる人』=スーツ。着れるようになって、やっとスタートライに立てた気分」

「子どもの頃の『働いてる人』=スーツ。着れるようになって、やっとスタートライに立てた気分」

――親との関わり方は変わった?

「参加前は実家で家族と過ごしていたけど、コミュニケーションは少なかったです。親に対して鬱陶しさを感じることも多くて、コミュニケーションも疎かになっていました。でも上京してから親と連絡を頻繁に取るようになりました。

『今インターンこんなだよ』とか、僕のことが記事になったハッシャダイのオウンドメディアのURLを送ったり。一緒に住んでいない分、積極的にコミュニケーションを取るようになりました。親父とは会話もなかったけど、親の大切さって離れてから分かりますね。

僕自身が、素直に感謝を伝えられるようになったのが1番大きなポイントかもしれません。それで親も照れくさかったと思うんですけど『ありがとう』って言ってくれるようになって。一緒にいることだけが親孝行じゃないなと思います」

――「地元でおちょくられた」という話もあったけど、地元の友だちとはまだ仲良し?

「実はさっきまで地元に帰っていました。僕の周りは大学進学者が多くて、大学の話とか就職の話とか、みんなの話す内容についていけないことも多かったんです。でも今、結構僕も話の内容が分かるようになって。

ちょうどみんな就活の時期なので、面接の話とかが多かったんですけど、そこで言うと僕も面接をしてますし、僕が受けた会社に地元の友だちも受けていて、『どういうアプローチした?』とかそういう話し合いもできて、盛り上がりました。

みんな、何が足りないんだろうって悩んでいたので、ヤンキーインターンで知った”かっこいい大人”が言うには『当たり前のことを当たり前にやる』を徹底すれば最強の大学生になるんじゃないかって伝えたら、『そうだよね』って。持ち上げられちゃいました(笑)」

僕の周りも地元から抜け出す人って中々いなかったんで、そういう意味ではひとつ見せられたのかなって思います。僕が東京に来てから思うかっこいい人に近づけるように、これからも頑張ります!」

ちょうど6か月目で、ヤンキーインターンのリーダーも務めるテツ。本来ならば6か月で卒業ですが、新設されたマネジメントコースで、今後は社員側の目線を養って後輩たちの育成にも力を入れてさらに成長していく予定です。

テツの卒業は7月末。きっとその頃には、今よりもさらに成長した姿でヤンキーインターンを旅立っていくはずです。

「かっこいい人に近づけるように、これからも頑張ります!」

「かっこいい人に近づけるように、これからも頑張ります!」

著者近影

著者近影

【著者プロフィール】関田 知子

株式会社ハッシャダイ 白ギャル編集長

1989年生まれ。幼い頃から出版社に勤める父の影響で文章を書くこと、編集することに興味を持つ。若者の就労支援を行うハッシャダイの、現在の日本社会の構造上、認知されておらず可能性が閉ざされている「よそもので、ばかものな、わかもの」こそ、今後の日本をより良い方向へ推し進める原動力になるという理念に共感し、ジョイン。

体験と選択格差がない社会の実現を目指し、大人や若者へ向けて執筆中。

詳しくはハッシャダイディスカバリーハッシャダイカルチャーハッシャダイツイッターハッシャダイインスタグラムをご覧ください。

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