住んでいる地域が子どもの成長に与える影響 下町は”サバイバルする力”が身につき、高級住宅街は個性が伸びる | キャリコネニュース
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住んでいる地域が子どもの成長に与える影響 下町は”サバイバルする力”が身につき、高級住宅街は個性が伸びる

住んでいる地域が子どもの成長に与える影響

住んでいる地域が子どもの成長に与える影響

住んでいる”地域”の特徴は、子どもにどんな影響を与えるのでしょうか。私は以前、近畿・関東で合計250以上の教室を抱える大手教育会社に勤めていました。

本部の企画職として数字を見て課題を解決したり、教室に赴いて室長と話をして施策を実行してもらったり、自分自身も実際に教室で働いたりしていました。そうした中で、「ハッキリとした地域の特徴」や「その特徴が子どもたちに与える影響の大きさ」を肌で感じました。

例えば、教育施設が多く集まっている「文教地域」には教育への意識・関心の高い親が集まる傾向があります。一方、騒音が多い場所や街のはずれなど、住環境が悪い地域は家賃が安いため、低所得者の方が集まります。

このように地域の特徴が同じ価値観や性質の親を呼び、その地域の文化が形成されます。そして、その地域の文化が親に、さらには子どもに影響を与えます。私が責任者として塾を運営してきた中でわかった、地域の特徴の話をします。(文:個別指導塾「STORY」取締役 妻鹿潤)

下町の子どものカーストは「喧嘩の強さ」が大きな比重を占める

ひとつは地域でも有名な下町のA地区。地場の中小建設業・鉄鋼業が集まるA地区では、親の多くがどこかの中小建設業・鉄鋼業に勤めていたり、小さな商店を営んでいたりします。技術があるのはもちろんのこと、力仕事も多いため腕っ節の強さが評価される環境です。

必然的に親(特にお父さん)は「技術があることが大切。力が強いことがカッコイイ」という価値観を持ちます。子どもはそういった話を聞いたり、親の振る舞いを見たりして、子どももそのように感じ取ります。

学校では”スクールカースト”が形成されることが多いですが、A地区では上位カーストの条件に「喧嘩の強さ」は大きな比重を占めていました。スクールカーストとは学内のグループの序列のことで、「最上位カースト」はヤンキー、サッカーや野球、バスケなどの人気体育会部活所属で活躍する生徒(唯一文科系では軽音楽部はここ)が占めます。

「中位」はヤンキーの取り巻き、陸上や水泳などの準人気部活や、人気部活の活躍していない選手、お笑い系など。「下位」はヤンキーや人気部活のパシリ、文科系部活・体育系マイナー部活などがあたり、「最下位」はオタク・ガリ勉・ひとりぼっち・不思議ちゃんとなります。

カーストは、その学校の価値観とも近いため、必ずしも上記の属性にならない時もあります。例えば、進学校だと偏差値の高さ、高級住宅街だと持っているもののブランドがカーストの上下と相関していました。

カースト上位者は下位を見下だし、特に最下位はいじめの対象になることが多いです。いじめの対象者以外もいじめを庇えば自分自身がいじめの対象になるため、見て見ぬ振りをすることが多いです。

カーストの影響が強い地域の子どもは、自分自身の安全を大切にする(保身的な人間になる)傾向が強くなります。また「いつ安全を脅かされるか」という不安感を抱える可能性も高くなります。

反面、「人をよく洞察する」「安全を得るためのリスクへの思考力が高い」「周りに合わせる力が高い」といったメリットもあります。そのため、集団への適応能力が低い子どもはカーストが強い地域だと大変な目に合うことが多いので、合わないと思います。

特にA地区では、喧嘩の強さや仲間意識が非常に大切にされるの、子ども自身がそのような価値観であれば問題ありません。またこの地域は、仲間を大切にする価値観が形成されやすい環境と言えます。ただ自分の好きなことを黙々とやりたいタイプの子は合わないかもしれません。

また、地域ごとの「学力レベル」は明確にあります。A地区では、学校に行かない、行っても授業を聞かない、聞いても分からない子どもが多く、学校のテストの問題は簡単なものでした。ある学校では中学3年生のテストでも、中学1年生の1学期内容が20~30点も占めるくらい難易度が低いものもありました。

一方、A地区から2つ隣の駅のある学校では、定期テストの2割は入試問題に近い難易度の問題が出されていました。簡単な問題ばかりだと全員が100点を取れてしまうためです

このようなことがあるため、A地区の学校では少し頑張れば内申点は高い評価をもらえます。しかし、実際の入試問題レベルの問題に触れることがなく、自習か塾での授業等で補う必要がありました。

高級住宅街の学校はいじめなどもない傾向で、かなり平和

ふたつ目は高級住宅街のB地区。そこに住むことがステータスになるB地区では、社会的地位が高く、高度な知識・能力が必要な職業の親が多いです。どのご家庭も教育への関心はかなり高かったです。

その上、人を上下で見たりする人が本当に少なく、学校内でスクールカーストが形成されていたという話を聞いたことがありません。いじめなども聞いている限りなく、かなり平和な学校生活だと感じました(あくまでB地区の特徴で、高級住宅街でもいじめやスクールカーストがあったり、「人を上下で評価する」傾向のところもありました)。

個性が伸び伸びと育つ反面、平和な地域です。だからこそ状況を適切に把握して課題を解決する “サバイバルな力”はA地区の方が育ちやすいと感じました(親や先生に頼るのはダサいし、頼るとさらに子ども同士の問題が加熱するため)。サバイバルな力を育てたい場合は、A地区の方が良いと思います。

さらにB地区は全体的な学力が高いため、A地区なら学年トップクラスの子どもでも、B地区では平均点以下ということも珍しくありません。B地区には劣等感を持ちやすい、内申点(通知表の点数)を上げにくいというデメリットもあります。

極端な地区のとして例を挙げましたが、一口に下町や高級住宅街と言っても様々な種類があり、その種類ごとに特徴があります。ひとつ言えることは地域の特徴が子供に与える影響はとても大きいということです。

子育てに強い想いを持っているのであれば、不動産会社などから住む予定の地域がどのような特徴で、どういった人が住んでいるかを聞き取る、学校を見に行ける機会があればどんな先生がいるかだけでなく、「どんな親がいるのか」も確認することをお勧めします。

著者近影

著者近影

【筆者プロフィール】妻鹿 潤(めがじゅん)

株式会社STORY 取締役/SB学び事業部責任者・キャリアコンサルタント

関西学院大学法学部卒。大手学習塾で教室長として、生徒・保護者からの信頼を得る。

1000人近くの小・中・高生と、それ以上の保護者と関わり、培った知識と経験から、その生徒に完全オリジナルのオーダーメイドカリキュラムを確立するに至る。地域で評判となり、10か月で100名以上の生徒が入塾するまでになる。

大手個別指導塾で生徒へ価値提供ことへの限界の痛感や、大学や社会でのミスマッチに絶望する現実を目の当たりにしたことから、理想の教育を形にしているSTORYに参画。現在、SB学び事業部責任者として、子供達に点数アップ・志望校合格に加え「社会で生き抜く力」を提供する。

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