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管理職になれなかった“バブル世代おじさん”部下のやる気を上げるには? 上司は自己重要感を感じさせる取組みを

やる気のないバブル世代にどう接する?

やる気のないバブル世代にどう接する?

私が開催する、上司マインドを磨く”上司力セミナー”では、参加者のみなさんから現場のマネジメント課題を共有いただきます。そこで必ずと言っていいほど出るのが次の声です。

「管理職になれなかったバブル世代のおじさんのモチベーションが低い」
「年上部下の低いモチベーションがチームに悪影響を及ぼしている」

今回は、バブル世代部下とどう接すれば主体性をもって仕事をするようになるのかについてお伝えいたします。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)

バブル世代の特徴「見栄を張る」「物欲が高い」「コミュ力が高い」

20代にバブルを謳歌した人のことをバブル世代と呼んでいます。1960年代後半生まれの、現在50~55歳くらいの方々です。自分もバブル世代ですが、この世代は以下のような特徴があります。

・ブランドものに身を包んで高級レストランに行っていた経験から、見栄を張る。
・バブル景気により海外のブランド品をよく購入していた経験から、物欲が高い。
・右肩上がりの経済を謳歌してきており、楽観的である。
・「やらずに後悔するよりは、やって後悔する方がいい!」といった考え方を持っており、チャレンジ精神が高い。
・夜はディスコやカラオケで様々な人と交流しており、コミュニケーション能力が高い。

等々です。自分も心当たりがあります!

バブル世代のモチベーションポイント「注目される」「コミュ力を活かせる役割を付与」

さて、この特徴から見えてくるバブル世代の思いとモチベーションのポイントはどのようなものでしょうか?

■バブル世代の思い
・過去の輝かしかった生活と管理職になれなかった現状に大きなギャップを感じている。
・仕事での出世がなくなった今、あきらめの境地にある。
・仕事以外の部分に自分の栄光を探している。

■バブル世代のモチベーション向上のポイント
・注目される場面の演出をする。
・コミュニケーション力を活かせる役割を付与する。
・チャレンジブルな活動に関わってもらう。

こうした点を考慮すると、バブル世代のやる気を上げる方策としては、組織の目標を達成するためのプロジェクトや委員会のご意見番や、他部署との交渉責任者としての役割りを作っていくことをお勧めします。

「部下のキャリア支援」は人生100年時代の上司の必須能力

人はいくつになっても自己重要感や自己効力感といったものを感じたいと思っていますし、そこにモチベーション向上のポイントがあります。バブル世代も同様です。

自己重要感とは、自分の事を自分自身として需要な人物だと思いたいし、他者からも重要な人物だと思われたいといったものです。自己効力感も同じような意味ですが、自分自身の成長を実感できるといった意味合いが含まれます。

このような人の根源的な欲求を背景として、人生100年時代の上司の力としては、部下のキャリア支援が出来るということが求められます。キャリア支援とは、働くことに関わる継続的なプロセスを通して、人生を生き抜く力を磨く場を作ってあげる事だと私は捉えています。

実際、年上部下のキャリア支援では以下のような関わりが必要です。

・部下がこれまで培ってきた能力と経験を棚卸しすることを支援しましょう。
・棚卸したものを題材に、部下とこれからのキャリアについて面談をしていきましょう。
・キャリア面談から明らかになった部下の価値観や能力(強み)を活かした役割を付与していきましょう。

一連の関りを通して、部下の仕事を通しての成長実感を支援し、その成長に対して承認するタイミングを1on1ミーティングといった形で持っていきましょう。

以上、やる気を失いがちなバブル社員をマネジメントするポイントをお伝えいたしました。バブル社員の方へのキャリア支援を通して、上司としてのキャリア支援能力の向上に繋げていくことがポイントです。この経験はダイバーシティ時代のマネジメント能力を格段に上げていくこと間違いなしでしょう。

筆者近影

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【著者プロフィール】田岡 英明

働きがい創造研究所 取締役社長/Feel Works エグゼクティブコンサルタント

1968年、東京都出身。1992年に山之内製薬(現在のアステラス製薬)入社。全社最年少のリーダーとして年上から女性まで多様な部下のマネジメントに携わる。傾聴面談を主体としたマネジメント手法により、組織の成果拡大を達成する。2014年に株式会社FeelWorks入社し、企業の管理職向けのマネジメント研修や、若手・中堅向けのマインドアップ研修などに携わる。2017年に株式会社働きがい創造研究所を設立し、取締役社長に就任。

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