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就活ルール撤廃で増える”就活迷子” サマーインターン後の「どうすればいいか分からない」の解消法は?

就活迷子から脱するには?

就活迷子から脱するには?

毎年サマーインターン後に、キャリア面談を希望する学生が増えてくるのですが、今年は例年に比べて、

「これから就活をどうしていったらいいかわからない」
「志望企業が見つからない」
「本選考を受け始めたが、すぐに落ちてしまう。どうしたらいいか?」

という”就活迷子”状態の学生からの相談が非常に多くなっています。例年は相談内容の3割ほどがこういった相談だったのですが、今年は8割以上にのぼります。どうしてこのような相談が増えたのか、「就活迷子」から脱するにはどうしたら良いかをお伝えします。

サマーインターンに合格したことで「就活が上手く行っている」と錯覚したことが原因

2019年度の大学3年生、つまり2021年卒の就活から「大手の就活ルールが撤廃」されることが決定しました。ニュースが大々的に報じられたことにより、例年より過熱気味に3年生や修士1年生の早期からの就活が活発になったようです。

周りが動き出したから自分も動かないといけない、と動き出した多くの学生は、まず、「サマーインターンに行く」ことが就活の目的となっていました。企業側も早期接触を狙って動きが活発になり、インターン受け入れの枠も広がったようです。

私たちが関わる学生も、例年より数多くの企業のサマーインターンに参加することが出来ていました。このような双方の動きにより、就活迷子の学生が生まれる土壌が出来上がってしまいました。

どういうことかと言うと、「サマーインターンに行くこと」が目的となった学生がそこまで落ちることなくインターンに合格したことで、「就活が上手くいっている」と錯覚をしてしまったのです。

例年であれば、サマーインターンは、選考に落ちたり、他の優秀な学生さんに刺激を受けたりする中で、自己内省を磨き自分のキャリアをしっかりと考える機会がありました。しかし、そういった機能がなくなってしまいました。

「サマーインターンの目的が参加すること」になった学生には、本来の「企業を知ること」という目線が抜け落ちる傾向もあります。参加したものの、その企業への志望度や自分が望む環境があるのか確認する機会となっていないというケースも多々見受けられました。

インターンでは問われず、本選考で問われる「志望動機」がカギ

ここで考えないといけない点が、サマーインターンと本選考では、根本的に違う部分がある、ということです。その違いは「サマーインターンでは志望動機が聞かれない」という点です。

企業にとって、サマーインターンは「企業を知ってもらう」という目的のため、選考において志望動機をあまり聞きません。ほとんどが「自己PR・学生時代頑張ったこと」に関する質問です。あったとして、「このサマーインターンに参加したい理由」を聞く程度。

一方、本選考では、この「自己PR・学生時代頑張ったこと」に加えて、志望動機をしっかり話せる必要があります。

本来であれば志望動機を話せるまで企業を知る機会になるサマーインターンですが、「参加するという目的の達成」により、企業を知る・自分が望む環境かどうかを確認する観点が抜け落ち、志望動機を話すことが出来ないという状態になっていました。

今年多かった相談を分析すると、以下のようになります。

「これから就活をどうしていったらいいかわからない」

“サマーインターン”という目に見える目的がなくなり、内定という目的が遠すぎるため迷子になる。

「志望企業が見つからない」

サマーインターンで本来、自分の志望企業を見つけるための軸を形成するはずが、参加が目的となりその達成により、自己内省の機会として生かされず、迷子になる。

「本選考を受け始めたが、すぐに落ちてしまうのでどうしたらいいか?」

参加という目的の達成のため、企業を知る・自分が合う環境かどうかを判断するという観点が抜け、サマーインターンで志望動機を話せる状態にならず、志望動機を聞かれる本選考に落ち、迷子になる。

就活迷子の対処方法は「自己内省」と「インターンの振り返り」

それでは、この迷子の状態からどのように脱すれば良いのでしょうか。方法は2つのステップに分かれます。

1.サマーインターンの合格と企業のこといったん忘れ、再度自己内省をする

サマーインターンに合格したという成功体験により、「自己内省はここまででいい」と、思考が止まっている学生さんにも多くお会いしました。

「どういう企業を受けるべきか」「何をやっている企業なのか」「わからないからとりあえずいっぱい企業に会おう」といった行動ではなく、もう一度自己内省をしっかりと行い、自分の過去の経験や興味関心を探るところから始めてみてください。

2.サマーインターンの振り返りを行う

参加したインターンの中で、頑張れたインターン、頑張れなかったインターン、惹かれた企業、惹かれなかった企業があるかと思います。それぞれ、「なぜ頑張れたのか(頑張れなかったのか)」「惹かれたのか(惹かれなかったのか)」を自己内省をしっかりと行ってください。

その後で言語化し、過去の自分の経験や考えとの整合性を考えてみてください。”何となく”という感情をしっかり言語化することで、より自分の考えがブラッシュアップされ、本当に自分に合った企業とはどういった企業なのかを言語化されます。

そこから企業を探すことで志望企業が明確になり、志望動機をちゃんと話せるようになります。多くの学生さんが就活迷子の状態から脱却し、自分自身が望むキャリアが明確になることを願っています。

著者近影

著者近影

坂元 俊介
株式会社STORY 取締役/キャリアコンサルタント・ヘッドハンター

同志社大学経済学部卒。新卒でリクルートHRMK(現リクルートジョブズ)入社。中途・新卒領域における求人広告媒体の営業に従事、その後、営業として3つの新メディアの立ち上げを行う。リーダーや大手担当を経験。Webベンチャーでのオフィス長経験を経て、30歳になるタイミングで家業の和菓子屋を継ぐとともに、企業の採用コンサルティング会社を立ち上げ、採用人事支援なども行う。リクルートの同期が立ち上げた株式会社STORYの法人化に伴い、取締役に就任。大学生・第二新卒層のキャリア支援をおこなうSTORY CAREER事業部の責任者を兼任。毎年数百名の大学生・社会人のキャリア支援を行っている。

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