ウェブの世界で「接客」ができるフリップデスク 訪問履歴に応じたアクションを提供
東京・渋谷の道玄坂にオフィスを構えるSocketは、2010年12月創業のITベンチャー企業。15人の従業員で、スマートフォンに特化した販促プラットフォーム「Flipdesk(フリップデスク)」を開発・運営している。
Flipdeskが提供するのは、リアル店舗では当たり前に実現していた「接客」という価値。これをネット上のECサイトでどのように実現するのだろうか。サービスと会社の内情について、広報の地田美紀さんにレポートしてもらった。
クーポンの表示や「チャットコンシェルジュ」の対応も
当社は、スマホ上で実店舗のような接客体験を提供する「Flipdesk」というサービスを提供しています。スマホでECサイトを閲覧しているときに、ポップアップで「キャンペーン情報」や「割引クーポン」が表示された経験はないでしょうか。
サイトに1行タグを埋め込むだけで訪問者の行動を自動で解析し、解析したその結果に応じて「クーポン発行」や「キャンペーン告知」「チャットサポート」などの最適な接客を行うことで、訪問者の購買意欲を高めることができるサービスです。
例えば、初めてサイトに訪問した方には「初回限定30%OFF」のクーポンを表示させたり、再訪問者には以前購入した商品と組み合わせたコーディネートを勧めたり。父の日キャンペーンで「チャットコンシェルジュ」がギフトの相談にリアルタイムにお応えするなど、サイトによってさまざまな使われ方をされています。
近年スマホの普及に伴い、コンバージョン(購入)率の低下やメルマガの開封率の低下などがEC業界共通の課題となっています。Flipdeskはスマホを中心に顧客との新たな接点を作り、このような課題を解決するために開発されました。
2014年9月の正式リリース以来、導入実績は240社を超え、ビームスやローリーズファームなど複数のブランドを展開するアダストリアやメガネスーパーなどのECサイト、資格学校や人材情報サイト、エステなど幅広いサイトに導入されています。
直近3か月は1営業日に1機能のペースで追加
ネットにおけるマーケティングには「集客」と「接客」、そしてリピートを促進する「追客(ついきゃく)」という3つの段階があるとされています。Flipdeskはこのうち「接客」という段階に注目しています。
実店舗では普通に行われているのにネットでは未成熟で、これから市場自体を創り上げていくフェーズです。サービスとしても完成し切っていないため、お客様の声をサービスに反映しつつ自分たちの新しいアイデアを形にすべく、メンバーは主体性をもってサービスづくりに関わっています。
当社の代表の安藤は事業を進めていく上で、「スピード」と柔軟に対応する「変化力」を重視しています。そのためFlipdeskはここ3か月間、1営業日に1つのペースで機能追加を行っているところです。
会社の体制は、サービスを作り上げる「開発チーム」と、お客様に提案する「営業チーム」、受注後のサポートを行う「運用チーム」、会社全体を支える「管理チーム」に分かれています。各チームが協力しながらFlipdeskというサービスをよりよいものにするため一致団結して仕事をしています。
おかげさまでお客様からの評判もよく、新規顧客の2割は既存のお客様からご紹介いただいております。当社が開催するセミナーへの出演を快く引き受けていただくお客様も多く、お客様から愛されているサービスということを日々実感しています。
家族ぐるみでの社員交流も盛ん
当社のオフィスで特徴的なのは、自転車の数でしょうか。CTOの生内(いくない)の趣味もあり、数多くの自転車が飾ってあります。自転車通勤するメンバーもいますし、自転車で営業に行く場合もあります。
私が入社して一番驚いたことは、小さなオフィスを訪れるお客様の数。大手企業の代表の方をはじめ、いろいろな方がふらっと遊びに来られるのです。私たちの夕ご飯のために、煮込みハンバーグなどを作って帰られる方もいました。
メンバーのお誕生日祝いや歓迎会はもちろんのこと、家族ぐるみでイチゴ狩りやキャンプに行くなどプライベートでの交流も盛んです。
最近、業界未経験の新しいメンバーが増えているということもあり、「Socket武者修行」という取り組みをスタートしました。当社の社員がお客様の会社にお邪魔し、お仕事の一部をお手伝いさせていただくことで、お客様の業務や業界の理解を深めるという試みです。
アットホームな雰囲気の中、お客様からもいろいろ学ばせていただける当社で、私たちと一緒に新しい「接客」という市場を創っていきませんか?
【プロフィール】株式会社Socket 広報 地田美紀:1985年生まれ。神奈川県出身。大学卒業後、人材総合企業に入社し、営業、広報プロモーション、採用と幅広く経験。2015年6月Socketに入社し広報PRを担当。ベンチャー企業の魅力を日々PRする「なでしこ広報会」(主宰:栗田朋一・東京PRアカデミー代表)に参加している。