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な、なんでなのっ!? サポート員が訪問すると「トラブルが起きない」怪奇現象

梅雨が続いていますね。こちらはジメジメと蒸していて、暑かったり寒かったりしております。というわけで、今週もPCサポーターが遭遇する怪奇現象のお話をしたいと思います。

サポート業をやっていると、色々と謎現象が起きたりします。「何もしてないのにパソコンが壊れたの!」という話は、基本的な怪奇現象になります。今回は、とあるプリンタの怪奇現象についてのお話です。(文:光明隠歌)

プリンタが「ジャムっちゃう」はずなのに…

(イラスト:光明隠歌)

(イラスト:光明隠歌)

それはいつも、1本の電話から始まります。

「ねえ、リースしてるアレ、またジャムっちゃうんだけど」

アレというのは、とある会社に置いてある「複写式連続帳票紙用プリンタ」のこと。伝票などに用いる連続した用紙に、複数枚が重なって同じ文字が印刷できるものです。

この用紙には、左右に紙送り用の穴が等間隔に開いており、プリンタに付いている出っ張りの送り機構(トラクタフィーダ)で送り込まれる仕組みになっています。

「ジャムっちゃう」とは、この用紙が紙詰まりを起してしまうこと。いつもどおりにセットして印刷してるのに、なぜかクシャクシャになって印刷できないというのです。

連絡を受けたサポーターは、すぐにその会社にお伺いして状況を確認します。こういう機構のプリンタは、トラクタフィーダの突起部分が左右でズレていることが原因であることが多いのですが、今回はそのような問題はありませんでした。

「ここんとこ、毎回起きるのよね。もう1回出し直せばいいんだけど、紙がもったいなくて」

念のため、私が紙をセットしてテストプリントをしてみると、紙がずれたりジャムったりする気配は全く見られません。お客様がセットしなおして伝票を出力してもらいましたが、やはり綺麗に印刷し終わりました。

「不思議ねえ。全然ずれてないわねえ」。今日出力しないといけないものを、その場で全部出力してもらったのですが、30分間ほど見ていても紙がジャムる現象は発生しないのです。こうなると、お手上げです。念のため、もう1回清掃をして、何かあったら連絡くださいと伝えて帰るしかありません。

秘密の「薄いモノ」で謎の問題が解消

しかし、翌日。出社するなり上司から「おい、いつものところから、紙がまた電話あったぞ」と言われて、すっかり困ってしまいました。そこで私は、上司から一枚の薄いモノを手渡され、もう一度その会社に行きました。

「紙ジャムの原因なんですが…。印刷が終わったら、用紙はいつも箱にしまってますよね?」
「え、ええ……」
「それでしたら、しまった紙の上に、このシートを乗せてください」

お客様は首を傾げておりましたが、それ以降、謎の紙ジャム現象はなくなりました。

ちなみに、私が上司から受け取った薄いモノの正体は「除湿シート」です。梅雨の時期には保管していた用紙が湿気を吸い取って膨張することがあるのですが、複写紙の1枚目と2枚目以降で膨張の仕方が変わってしまい、一部の紙がトラクタフィーダの突起に噛み合わなくなりジャムってしまったのです。

私が訪問した時には、湿気を吸った紙を使い切った後だったため、トラブルが発生しなかったようです。これで納得したお客様は、紙の保管場所を湿気の少ない場所に変え、以後「紙ジャム頻発トラブル」で呼ばれることはなくなりました。

実は「何らかのトラブルが出ても、サポート員が行くと症状が出ず、原因がわからない」ということは非常に多いのです。今回のケースは、たまたまサポート員がいるときは穴ズレが起きていない状態だったわけですが、こういうときは原因究明に時間がかかりがち。

ですので、パソコンなどはエラーログを残す機能などもあったりするのですが、そのログを見ても、さっぱりわからない怪奇現象は時折発生するわけでして……(ろうそくを消しました)。

あわせて読みたい: 「おんなPCサポーターが行く!」バックナンバー

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