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スピード狂がアダに… 運転免許を失効した同僚の思わぬ「コースアウト」

PCサポーターという仕事には自動車免許が欠かせない、という話を前々回しました。運転免許を失効すると仕事ができなくなってしまうのですが、今回はその影響で、思わぬ形で人生が変わってしまった同僚のお話をしたいと思います。

以前から登場している「コミュ障」上司Z氏が唯一まともに会話をし、意思疎通できるPさんという同僚がいました。彼はパソコンオタクで知識が深く、たまに専門用語を暴発させるのが玉に瑕ですが、それでも相手に通じていないことを察知すると、言い直ししてお客様にわかりやすく説明する能力のあるサポーターでした。(文:光明隠歌)

「免停30日」の間は新人に運転させられたけど

そんなPさんなのですが、唯一欠点がありました。それは「ハンドルを握ると人が変わる」こと。はっきり書くと「スピード狂」だったのです。

「さすがに社有車では暴走しませんよ」

と言っておりましたが、ぶっちゃけ彼の社有車は軽バン(12万キロ以上走行済)なので、あんなもので100キロ以上出し続けたら、事故の前に車が壊れます。

どうもストレスが溜まると、暴走行為を起こしがちになるようです。逆に言うと、それ以外にストレス解消する手段がなかったのかもしれません。

彼が入社して1年ほど経った頃でしょうか。休日にスピード違反を起こしたらしく、免許停止30日となってしまいました。実は入社前、すでに累積違反点数が溜まっていたのでした。これに関しては専務が、

「Pさんがそういう状態なのも、停止処分者講習を受けさせれば短縮されるのも知ってたんだけど。休ませて無理にでも行かせなかったのが悪かったんだよなあ」

と責任を感じてはいたようです。このままではできる仕事がないと困っていたところに、ちょうど新入社員が入ってきました。そこで「新人の教育をPさんがやって、その新人がクルマの運転をすれば仕事に支障が出ない」ということになりました。

そして30日経ち、Pさんの免許停止期間は終わりました。新人さんのOJT教育もほぼ終わり独り立ちさせる時期でもあったため、Pさんはまた単独業務に戻ることになりました。

「免停60日」中に派遣先でトラブル起こし…

(イラスト:光明隠歌)

(イラスト:光明隠歌)

ところが。その3ヶ月後、Pさんがまた免許停止になってしまいました。今度は60日、2か月です。都合よく入社する新人はおらず、会社は停止処分者講習を強制的に受けさせましたが、試験の正答率が低かったせいか期間短縮になりません。

専務が、運転免許がなくてもできる仕事をあちこち探した結果、Pさんは自宅近くの家電量販店での販売員に派遣されることになりました。

とはいえ、Pさんはこの仕事というのが肌に合わなかったようです。私も経験したことがありますが、普段のPCサポートとは微妙に異なる説明を要求されます。契約ノルマを取られてはかなわないと、派遣社員さんに冷たく当たる社員もいます。

1か月後、Pさんは仕事を無断欠勤しました。連絡を受けた専務がPさんに連絡をするも電話にも出ません。何があったのか心配になって各方面に連絡をした結果、判明したのは、

「家電量販店の一部社員のいじめがひどすぎて、精神的におかしくなって入院した」

ということでした。会社から提供されていた携帯電話も壊して連絡が取れないようにしており、実際に面会した上司曰く「もう以前のP君の面影はない」というレベルまで変わってしまったようです。

最終的には話し合いの結果、Pさんは「退職」ということになってしまいました。会社も責任を感じ、本人の再就職に不利になる「自己都合退職」ではない配慮をしたようです。もう少し早く気づけは良かったと思っておりましたが、この結果、上司Z氏とまともに意思疎通ができる社員はいなくなってしまいました。

職場の人間関係によるトラブルは予期することができませんが、そもそも彼が運転免許停止という状態にならず、スピード狂で違反点数を重ねることがなければ起きなかった悲劇であるとも言えるでしょう。みなさんも運転マナーをしっかり守り、無事故無違反を目指しましょうね。

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