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この夏公開の『シン・ウルトラマン』の見どころ 豪華キャスト陣に”カラータイマー”を持たないウルトラマン

画像はキャプチャ

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先日、眠れなくて夜中にパソコンをぼんやり眺めていると、本当に偶然にも僕が心待ちにしていた映画の特報が流れてきた。その映画のタイトルは『シン・ウルトラマン』。

短いトレーラーだったけど、斎藤工、西島秀俊、長澤まさみらのキャストが映し出され、CGで表現された怪獣が2体。さらにはウルトラマンの姿もしっかり確認でき、かなりテンションが上がってしまった。(文:松本ミゾレ)

『真実と正義と美の化身』がスクリーンに

だが、同作に登場する光の巨人には、テレビ放映で長年愛されてきたウルトラ戦士とは違う特徴がいくつかある。その一つがカラータイマーを持たないという点。次に、その目には覗き穴も用意されていない。そしてまた、背びれも存在しない、という点だ。

理由は、ウルトラシリーズ黎明期に美術面で大いに作品を支えた、彫刻家の成田亨氏が1983年に描いた『真実と正義と美の化身』。この絵画を企画・脚本を手掛けた庵野秀明氏が、現代のCGで再現することを目指して劇場に登場させようと考えたところによる。

なんと、そのために2002年に他界した成田氏のご遺族にも直接許可をもらったというのだから、その熱意に舌を巻く。

『真実と正義と美の化身』にはカラータイマーが描かれていないが、これは成田氏の描くウルトラマンの特徴でもある。もちろん一部、商業用となると割り切ってカラータイマーを描き足すことはあったが。

背びれはそもそも、スーツアクターが入る際のチャック隠しという意味で用意されていた、いわゆる足し算のデザイン。カラータイマーは初代『ウルトラマン』からカラー作品になったことで、色と点滅でウルトラマンの危機を知らせるアイコンとして用意されたものだ。

覗き穴はアクターの視界確保のために必要になり、最初のウルトラマンのスーツ(通称:Aタイプ)に急きょ成田氏が穴を開けることになったという経緯もある。

テレビの特撮作品の主役として、どうしても必要だった番組上の都合によるデザインから解放された、成田氏が納得していたであろうウルトラマン。それが『真実と正義と美の化身』であり、『シン・ウルトラマン』で再現されるというわけだ。

透明怪獣ネロンガ、ウラン怪獣ガボラもCGで新たにリ・デザイン

トレーラーを見た人の中には、2016年公開の『シン・ゴジラ』とドラマパートの雰囲気が似ているという意見を挙げる人も多くみられた。短い映像なので細かいことは分からないけれども、たしかにカメラアングルとかはそれっぽいなぁ、とは思う。

『シン・ゴジラ』もキャストの豪華さが話題となったが、『シン・ウルトラマン』もその点では引けをとらない。

個人的には、ゴジラは東宝の看板役者なので、そのゴジラの映画でキャストに力を入れるのは当然と考えている。一方、ウルトラマンとなるとやっぱりテレビシリーズが源流になるものだから、正直『シン・ウルトラマン』のキャストが発表されたときは驚いた。「あ、本気でウルトラマンで色んな世代をターゲットにした映画を撮る気なんだな」って思っちゃったのだ。

考えてみれば、ウルトラマンシリーズって、既に3世代にまたがって親しまれてきた特撮だし、最近では中国での人気も高い。さらに、昨年末からはYouTubeで全世界に向けて新作映像作品を分割で毎週更新するなどして、これが海外でのウルトラシリーズの認知向上にもつながっている。

ところで、『シン・ウルトラマン』と相対する敵とは何者か。トレーラーにはネロンガ、ガボラといった怪獣が登場する。いずれも数秒程度の顔見せだけど、従来のデザインからいい感じでアレンジされていて、なおかつファンが見てもすぐに両怪獣だと分かる絶妙の塩梅だ。

おそらく他にも怪獣は登場するだろう。何が出るか予想しながら劇場に向かうのもいいかもしれない。

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