月額11万円の「ベーシック・インカム」で人は働かなくなる? マツコは「それでも仕事を頑張る人はいる」
この記事を受け、コメンテーターのマツコ・デラックスは「すごい理想だと思うんですよ。出生率も上がるだろうし」と興奮気味にコメントし、次のように続けた。
「もちろん年金と雇用保険と生活保護はなくなっちゃうんだろうけど、大多数の人が生活保護は受けてないわけじゃない? で、多分国民健康保険とか介護制度とか、そういうのは残るわけよ。それで11万円だったら悪い話ではないと思うんですよ」
この制度は現段階では不透明な部分も多いが、仮にマツコが言うように健康保険や介護制度が廃止されずに残るのだとしたら、病気になっても高額な医療費を心配することもなく、ある程度安心して暮らしていけそうだ。
しかし、そうなると別の「心配事」が浮上してくる。隣に座るコメンテーターの若林史江(株式トレーダー)は、ズバリこう指摘。
「でもさ、家族4人いて、たとえば私が結婚して旦那がいて、子ども2人いて、44万入ってくるわけですよね? 働かなくならない? 働きたくなくなるよね? だって44万で全然生活していけますよね?」
そう、コレである。約11万円というのはあくまで「フィンランドが実施する場合」の額だが、仮に日本で同レベルの支給があれば、「じゃあ働かなくてもやってけるじゃん」となる人も出てきそうだ。
家族が一緒に過ごす時間を優先させる「人生の選択」ができる
マツコもこれに同意し、「そういう発想になっちゃうような人も中にはいると思うのよ。今、問題になってるじゃない。働けるのに支給されてる人とか」とコメントしたが、一方で大多数の人の労働意欲はなくならないとも推測した。
「ただ、多くの人は(家族4人で)44万もらったとしても、『それ以上いい暮らししよう』とか『仕事は頑張ろう』とかは、なくならなくない?」
それでも「えー? 私怠け者だから働かなくなるかも」と自分に正直な若林。「アンタはなくなると思うのよ。でも11万もらってるからって、そんなにみんながみんな『仕事しない!』とはならない」とマツコも譲らない。しかしビックダディなら、どうであろうか?
さらにマツコは、毎月一定額の支給があれば、稼ぐ額に対するプレッシャーがこれまでよりも軽減するというメリットにも言及。たとえば父、母、子ども2人の4人家族の場合、ひとり11万円確保できていれば、生活にある程度の余裕ができる。
そうなれば父親もパートタイムで仕事をして、家族が一緒に過ごす時間を優先させるという「人生の選択」ができるのだという。「悪くはないと思うんだけど……ダメ?」(マツコ)。
これで少子化が解消するなら、導入理由になるのでは
マツコが示す形も確かに悪くはなく、むしろ幸せそうだ。しかし最後の最後まで「私みたいなの多いと思う」と言っていた若林のように、労働意欲が低下する人が出てくることも予想される。もっとも、働かない人はダメとも言い切れない。
また「子どもを産めば産むほどラッキー!」とジャンジャン産んで出生率がウナギ上りで、国は火の車になりかねない。ビックダディなら、今からでも張りきるに違いない。それでも、これで少子化が解消するのであれば、導入する理由になるのではないか。
マツコは「一概に日本に導入しろってなると面倒くさい問題がある」「フィンランドって社会制度がすごく進んでいる国だから、それを日本でってなると……無理か」と最後は諦めていたが――。ともあれ、フィンランドでは早ければ2017年から2年間、このベーシック・インカムを試験的に導入する予定だという。
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