SMAPの生謝罪はまるで「人質動画」 メンバーを辱めた事務所をファンは絶対に許してはならない
この一週間、物議を醸していたSMAPの解散騒動で、ついにメンバーが「謝罪」する事態になりました。普段は女性アイドルについて書いている自分ですが、あまりにひどい内容だったので筆を執った次第です。
18日の「SMAP×SMAP」(フジテレビ)の冒頭に登場した5人。センターに立つ木村拓哉(43)が「先週から我々SMAPのことで世間をお騒がせしました」と語りだし、順々にメンバーが謝罪の言葉を述べていきます。(文:ロベルト麻生)
日本芸能界のトップスターを辱める、とんでもない所業
木村以外のメンバーは全員目が死んでいて、香取慎吾(38)に至っては、顔面蒼白で今にも倒れてしまいそうです。中居正広(43)は隅っこに立たされ、リーダーとしての尊厳を剥奪されていることが分かります。ネットでは、「ISの人質動画みたいだ」なんて声が出ていましたが、まさしくその通り。自分はこのショッキングな映像を正視することができませんでした。
だってSMAPですよ。日本の芸能界では90年代以降、常に最高峰のポジションにいたグループです。その人達を、あんな風に追い詰めて、生放送という場で辱めてはいけないのです。最悪、上辺だけを取り繕って「感動の再結束」を演じてくれても良かった。それすらさせないのは、あまりに残酷すぎます。
そして、特筆すべきは草なぎ剛(41)の「今回、ジャニーさんに謝る機会を木村君が作ってくれた」という言葉。やはり、「スジを通して残留する木村が、ジャニーズ事務所に反旗を翻した4人のために橋渡し役になり、再びグループが結束した」というシナリオらしいです。
「木村だけ謝罪の言葉がなし」「ネクタイの色が木村は白、他のメンバーは黒」といった点からも、事務所がこの筋書きを徹底していることがうかがえます。しかし、元はといえば騒動の原因を作ったのは事務所です。
ジャニーズ事務所を批判しないマスコミの薄気味悪さ
これまでの報道をまとめると、昨年、メリー喜多川副社長(89)が後継者の娘の地位を盤石にするため、SMAPを育て上げた女性マネージャーを「週刊文春」の記者の前で恫喝。この時点でパワハラに該当する可能性があります。これを受け、退職を決めたマネージャーとともにメンバーが独立を画策するも、5人の意思がまとまらず……、というのが今回の流れです。
それならば、本来謝らなければいけないのは事務所であり、メリー副社長です。少なくとも、これだけ業界の関係各所を騒がせたのなら、事務所の経営層が会見を開いて何らかの釈明をするのがスジでしょう。
繰り返しますが、メンバーにあんな惨めなことをさせてはいけなかった。アイドルとしての商品価値も大きく毀損したことになります。SMAPのファンクラブ会員数は約100万人とも言われていますが、「存続」を喜んでいる場合ではありません。今こそ、事務所に対して最大限の怒りを表明するべきときです。
そして、今回露わになったのが、ジャニーズ事務所を正面切って批判することのできないマスコミの残念な姿勢です。スポーツ新聞は、事務所側の言い分を垂れ流すばかりで、一族のみが権力を握るジャニーズの不健全な体質を叩くことはありませんでした。色々な事情を考慮しても情けなさすぎます。
テレビに至っては完全に意味不明です。生謝罪直後、「めざましテレビ」(フジテレビ)の公式ツイッターが、視聴者から放送を見た感想や、メンバーへのメッセージを募集していました。
10月以降、木村以外の4人が活動自粛という報道も
当然、「4人を晒し者にしたジャニーズ事務所とフジテレビの良識を疑う」といった、真っ当な批判ツイートも寄せられていたのですが、実際の放送で紹介されたのは「5人を信じて待っていてよかった」といったお花畑のようなものばかり。これなら最初から紹介しない方がましです。
新聞はともかくとして、テレビは総務省の許可をもらい、公共の電波を使って放送しているはずですが、一般感覚とのあまりのズレに目眩がしてきます。
SMAPの今後に関しては、契約が残っている9月までは存続すると言われているものの、それ以降はまだどうなるか分かりません。ただ、木村以外の4人が活動を一時自粛するという報道も出ていますが、それは理不尽すぎます。日本の芸能界の将来のためにも、引き続き注視していきたい所存です。
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