オリラジ中田敦彦・終活授業で「生」の実感語る 「死ぬことが嫌なことじゃない、生きてることが奇跡だった」
生きているときに死んだときのことは考えたくない――。多くの人がそう思いがちだが、人は誰でも、いつ死ぬかは分からない。いざという時「何も知らない・誰かにお任せ」では、残された人に迷惑がかかってしまう。
9月17日放送のバラエティー「しくじり先生」(テレビ朝日)を見てそんなことを考えさせられた。オリエンタルラジオ・中田敦彦さんが「終活」について熱く解説し、タブーとされがちな話題を明るく分かりやすく伝えたことでネット上でも好評を博している。(文:okei)
「準備をしておくことは、遺族を傷つけないための義務」
中田さんは、死後にしくじらないための3つの準備として「遺言書」「葬式」「墓」について、すべてを自分が実際にプラン作成した上でレクチャー。「遺言」よりも公証役場で作成した「遺言書」が最強であることや、「葬式は質素でいいわよ」というあいまいな言い方が遺族を「パニック葬」に陥れる原因になる、などと指摘していた。
さらに墓についても大きく分けて「家墓、納骨堂、合同墓、自然葬」があり、これを「一軒家、マンション、シェアハウス、キャンプ」などに例えつつ「墓は一人だけでは決められない」ことなどを分かりやすく解説していた。
葬式の説明で、「準備をしておくことは、遺族を傷つけないための義務」と説いていたが、3つの準備すべてに共通する事柄だ。重要なのは、「死ぬ前に、本人が、ちゃんと決めておく」ことなのだと深く理解できた。
終盤で中田さんは、自身も終活をしてみて「ふだんより街がキラキラして輝いて見えた。生きてるなぁと実感できたんです」と熱く語っていた。
「死ぬことが嫌なことじゃない、生きてることが奇跡だったんですよ!」
つまり、死に備えることで死を身近に感じ、生に感謝することができたというのだ。
ちゃんと観ておいたほうがいい「ホントにホントにホントに大変だったよ」
番組を見た視聴者からは、ネット上で「神回だったなぁ」「ほんとにタメになる」など、感激コメントが次々と上がっていた。
実際に家族を弔った経験者たちからは、「みんなちゃんと観ておいた方がいいよ。ホントにホントにホントに大変だったよ」など、共感の声も多数寄せられた。
私事で恐縮だが、筆者も数年前に父が他界し、きちんとした手続きのもと散骨で見送った経験がある。幸いと言って良いものか、友人もつき合いのある親戚も少なかったため、比較的容易な準備だったように思う。
しかしそれも、死を間近に考える病身で、ある程度事前に聞くことができていたからで、例えば会社勤めしている時期なら葬式に呼ぶ人ももっと多くなり、墓問題も急なことで、もっと困惑していたことだろう。ラクといっても、手続きの煩雑さにはかなり疲弊した覚えもある。
これが、番組のように愛人が出てきて云々のトラブルがあった場合、何も知識がないようでは多くの「しくじり」を生む原因になってしまう。感情的な部分とはまた別の、法的なしくみや手続きを知っておくことは大切だと、多くの人の胸に刻まれたことだろう。
「終活」は、自分はともかく親にはなかなか言い出しにくいことではあるが、家族と一緒に見られた人は、共に考える良い機会を得られたのではないだろうか。
※ウェブ媒体やテレビ番組等で記事を引用する際は恐れ入りますが「キャリコネニュース」と出典の明記をお願いします。