最終章では「闇雲に配合していても究極には到達しない」とし、オリジナルチキンの構成要素を「鶏肉」「つなぎ」「小麦粉」「スパイス」「油」に分け、改めてポイントを押さえた。ケンタッキーが”使用していそう”な「ハーブ鶏」を3匹分取り寄せ、MED液や小麦粉の比率、油の種類や揚げ方などの調理法にもこだわった。
肝心のスパイスは、KFC公式サイトに記載されている「真似のできないおいしさを生む、秘伝の”11ハーブ&スパイス”」という文言を紐解いた。げんさんが3年で到達したスパイスの種類は、にんにく、しょうが、オニオン、パプリカ、ナツメグ、セージ、オレガノ、バジル、マジョラム、白胡椒、黒胡椒としている。詳しい配合・レシピは動画で紹介されている。
ただ、スパイスについてはこれが”正解”とはしていない。さらに「改めて思うがKFCは凄まじい量のうま味調味料と塩コショウによって構成されており、他のスパイスは気持ち程度に入れておけば十分だ」と分析している。
これで揚げてみたが、あまりしっくり来ない。そこで圧力鍋を使用した。なお、言うまでもなく圧力鍋での揚げ物は大変危険だ。一般家庭では禁忌とされており、げんさんも動画内で「決してこの行為を真似しないでほしい」と呼びかけている。
圧力鍋で試行錯誤した結果、「一番再現度の高いチキンになりました」と見た目も味も”ほぼケンタッキーフライドチキン”が完成した。
そもそもなぜケンタッキーの再現に挑んだのか。げんさんはキャリコネニュースの取材に「多くの方が料理を食べたときに感じる『これって家で作れるのかな』という単純な疑問が発端です」と説明する。
「当時(第1弾投稿時)は学生で時間も余っていて、趣味で日々スパイスの調合を行ってカレー作りをしていたのでケンタッキー再現はうってつけのテーマでした。第1弾は1か月、第2弾は3か月、そして最終章は半年間かけました。毎日1時間だったので計500時間は確実に超えています」
「これまでの3年間を通じて感じたことは買った方が確実に安くて美味しい」
最終章の半年で体重は7キロ増加した。毛量の減少や肌荒れなどの健康被害悩まされ、「何にでも言えることかもしれませんが、食べ過ぎは良くありません」とコメント。ほかにも。
「部屋中が粉まみれ油まみれになりますし、圧力鍋を使用しているため、文字通り命の危機にも直面しておりました」
と明かす。感想として「これまでの3年間を通じて感じたことは買った方が確実に安くて美味しいということです」とコメントしている。ただ、長期間に渡りケンタッキーを食べ続けても「真実の愛が枯れ果てることはありません」といい、
「正直『完成』と言っても、調理法や材料も微妙に異なるとは思われますので、まだまだ改善点はあります。個人的にやりきった感覚はなく、最終章と言っておきながらも。まだまだ挑戦したい気持ちでいっぱいです。今後は作ったものを食べてくれる試食係を採用したいと思います」
と今後の抱負を語った。
げんさんは今回のKFC再現以外にもコカ・コーラやビッグマックの再現動画もアップしてきた。視聴者に対して、
「これを期に動画を見始めた方には、色んなジャンルの動画を投稿しているので暇潰しに楽しんでいただけたらと思います。これまで見てくださっていた方には、忠犬のように健気に待っていてくださってありがとうございます、といった気持ちです」
と述べている。