ベネッセコーポレーションは2月15日、「出産・育児をめぐる母親の意識」に関する調査結果を発表した。調査は昨年10~11月にネット上で実施し、2019年5月~20年10月に第一子を出産した20~39歳の女性2060人から回答を得た。
現在の環境が「出産・育児をしにくい」と感じている割合は67.9%だった。理由を聞くと、1位は「経済的負担」(407人)で、以降に「職場の育児への理解・支援不足」(361人)、「社会(周囲)の育児への理解不足」(263人)、「育児支援制度の不足」(253人)などと続いた。
「今後、さらに子供が欲しい」は76%
このほかにも、
「少子化対策とは言うが経済的負担は大きい」
「小さな子どもを連れていると見知らぬ人に育て方について小言を言われるなど、日本では子どもに対して周囲からの理解や歓迎が受けられないと感じることがある。助けてくれたり、支援を手厚くしてとは言わないが、攻撃的になるのはやめてほしい」
など出産に二の足を踏んでしまいそうな要因は多種多様だった。
妊娠中の気持ちについて「不安や心配があった」と答えた人は83%。「自分の時間がほとんどなくつらい」割合は41.8%にのぼり、「子供の成長に不安がある」は33.4%、「孤独を感じる」は32.2%だった。
一方で「産んでよかった」と答えた人も97.9%と多い。「今後、さらに子供が欲しい」と答えた人の割合は76.1%だった。
続いて「2020年に関心をもった妊娠・出産」のニュースを聞くと、1位は「産後うつ」(64%)だった。次いで「不妊治療保険適用拡大」(57.4%)、「ポテサラ論争」(56.4%)、「新型コロナウイルスの妊婦・母子感染」(53.3%)、「出産費用のゼロ」(51.1%)などと続いた。
「保育園から電話がかかってきた時、職場の人に陰口を言われる」
産後、家庭外でいずれかの形で働きたい(働く)意向のある人は80.5%。「職場の支援・配慮が十分だと感じる」と答えた人は40.8%おり、「不十分」(20.9%)を上回った。
今後の働き方については「時短勤務(パートなども含む)」(30%)が最多だった。次いで「フルタイム」(22.1%)、「仕事はせず、いずれはパートなどで短時間働きたい」(21%)、「産後仕事はせず、育児や家事に専念する」(14.6%)などと続いた。
一方で「仕事再開に不安を感じる」という人も80.9%いる。具体的には「育児と家事や仕事との両立ができるか不安」(82%)、「保育園が希望通りに入れるかわからなかった(わからない)」(65%)、「自分が仕事についていけるか」(50.8%)などと続いた。回答者からは、
「保育園になかなか入れないし、フルタイムと子育ての両立は大変だから短い時間で仕事に戻りたいが、そうすると保育園は入りにくくなり認可外にいれるしかなくなるが、今度は収入がたりなくなる」
「子どもが熱で保育園から電話がかかってきた時など、職場の人に陰口を言われる」
などの声が寄せられた。