癌を患った翌年、「年賀状をたまたま彼女だけ送り忘れてたようで、久しぶりに彼女から電話があり」「病気を患った事を告げ、また電話する仲に」なったという。再び「何でも言い合える仲」になった二人だったが

「彼女は私に何年か前から、不倫していると言うてきました。今みたいに、当たり前のような風潮では無かったので、驚きました」

と女性は当時の衝撃を振り返る。その上、友人の状況にも変化があった。

「パソコンも各家庭に必ず1台はあるという時代では無かったので、パソコンを持ちホームページを持っていると聞かされ驚いてました」

30年ほど前の話とのことなので、ウインドウズ95が発売される少し前といった時期だろうか。女性は友人からこんな提案を受けた。

「『友達が中古のパソコンを格安で販売しとるけど、手配しよっか』と、声を掛けてくれました。私にとっては高嶺の花。練習して、上手くなったら新調しようと思い、お願いする事にしました。プリンターと小さなスピーカー2つも付いて、もちろんセッティングから色々な手続き込で15万で、と」

「私には高いのかお値打ちなのか解らなかったのですが、我が家に初めてパソコンが来る、その高揚感で支払いました」

しかしその数か月後、セッティングしてくれた彼女の友達から連絡があり、「あのパソコン、いくらで買った？」と尋ねられたという。女性が「15万でしたよ、セッティング代込みで」と伝えたところ、驚きの言葉が返って来た。

「彼女、僕の友達と数年前からW不倫してて、この話は友達から頼まれて、セッティング代は無料で、パソコンやプリンターも5万ぐらい、スピーカーも2つで2000円ぐらいやのに、えらい金額を請求されたんやな」

そう言われて、「言葉が出ませんでした」と綴る女性。憤りを隠せない様子でこう書いている。

「不倫にぼったくり。一気に怒りが込み上げて来て、彼女に電話を掛けて、私が聞いた事を全て彼女に伝えました。『親友やと思ってたのに、何でこんな事が出来るの、信じられん』。電話の向こうの彼女は最初こそは、『何なん？どうしたんさ？』とゆうてましたが、パソコンの話を始めたら、適当に誤魔化し薄ら笑いしてました」

思い出すといまだに怒りが込み上げるようで、方言交じりに感情を爆発させた女性は

「腹わたが煮えくり返り、一方的に話して切りました。あれから30年近くまでなります。どこで何をしてるのやら、離婚したのか、どうか。中絶費用ももしかしたら、不倫相手の子どもやっとかも。確か（不倫相手は）小学校の先生でした。娘さんの担任と、W不倫しちゃ、ダメですよね。夫婦仲も冷めかかっとる、そんな事をゆうてましたから」

と元親友の情事と借金理由に不信感を募らせた。最後に、

「男と金。親友との仲もこんな事で、切れるんですね」

と無念をにじませ述懐している。