「自宅の横がパチンコ屋、30秒で行ける悲しい環境」――30年以上通い続けて「大きな家が建つくらいの金額は負けてる」と語る男性
パチンコ依存症が長年続くとどうなるか、考えるだけでも恐ろしい。50代前半の男性(正社員・職員/年収1100万円)は、30年以上パチンコ店に通い続けた結果、人生がどう変化したかをあけすけに語ってくれた。(文:ミッチー)
男性は、18歳から30年以上パチンコ店に通っている自称「(パチンコ)バカ」。ご存知の通り、パチンコ店には18歳未満は立ち入り禁止なので、男性は合法的に遊べる年齢になってからずっと通い続けているのである。
それだけ通うと、一体どうなるのか。
「計算したことはないが、大きな家が建つくらいの金額は負けてる」そうだ。言い換えれば、30年以上かけて、パチンコ店に架空の家のローンを払い続けたという見方もできる。残念ながら、毎月コツコツ支払ったはずの家はどこにも無いけれど。
そんな男性に転機が訪れたのは、数年前のこと。大病を患ったせいで、パチンコ店に通うのを辞めたという。
わずか半年でパチ屋通いへ逆戻り
しかしパチ屋通いの生活から脱却できたのは、わずか半年間だった。男性をパチンコ店へと引きずり戻したのは、ギャンブル依存症にとっては耐えがたい環境が原因だった。
「自宅の横がパチ屋、30秒で行ける悲しい環境」だという。これだけ近いとパチンコ店独特のジャラジャラとした音や、店内アナウンスなどが、自宅まで届くのかもしれない。またパチンコ店に通う人々の姿を、否が応でも目にする機会は多いだろう。
そんな状況にいれば、居ても立ってもいられないのがギャンブル好きの性。しかも男性は仕事が暇になったのも影響して、「なんとなく毎晩行くように(パチ屋通いしていた頃の生活が)戻ってしまった」のだ。
ただし、以前までの遊び方とは少し異なっていた。「今は1パチ、5スロに変えた」そうだ。するとそれからの3年間は「お金がすごーく貯まった」という。具体的な金額は明かされていないが、もう負け続ける日々からは卒業できたのだろう。さらに男性はこう続ける。
「株式投資などもはじめて配当金を受け取る楽しさも知った」
以前よりも賢くお金を運用できているようだ。
なんだ、結果的によかったじゃないか。ここまで読んだ読者は、パチンコ店通いも悪くないのか、と思いそうになるかもしれない。しかし、男性は最後に自虐を綴っている。
「パチ屋に通う時間がもったいないのに、歯磨きするかのように行く自分が怖い」
男性は自分のことを「ギャンブル依存症であり、生活習慣病でもある」という。今はたまたま勝っているだけかもしれず、以前のように負けが込む生活がいつまた戻ってくるかわからない。架空の家のローン支払いがまた発生しないように、祈る次第である。
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