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「マジでお前の家庭潰すぞ」傲慢な友人と同じ職場になり絶縁した男性【後編】

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陰口を言うのは良いことではない。しかし、世の中には愚痴の一つでも吐かなければ付き合っていけないような相手もいる。それが友人で同僚ならたまったものではない。

山口県に住む30代後半の男性(営業/年収400万円)は新卒で入った会社で仲良くなった同期(以下B)の紹介でAと仲良くなり、長い間3人は親密な関係を続けていた。その後、男性は転職を経て、Aの紹介で同じ職場で働くことに。しかし、その頃からAの言動に変化が起こる。上司が見ている前で「俺の言うこと聞いとけばええから」「お前こんなこともわからんの?」などとキツく当たってくるAに、ストレスを感じた男性。「会社の仲の良い人に話して発散していました」と折り合いをつけながら、Aとの関係を続けた。(文:國伊レン)

陰口がバレて「マジでお前の家庭潰すぞ」

友人であり同僚でもあるAを露骨に拒否するわけにはいかなかったのだろう。

「その間もずっと飲みやキャンプの誘いがあり、どんどん嫌になっていきましたが見せかけの関係は続けていました」

そんななか男性は同じ職場の女性と結ばれる。上司に結婚を報告する際に「最初にAに言わないとめんどくさい」と思いながらも、上司、Aの順に伝えた。だがAに、

「◯子さんと結婚する。ずっと付き合ってたことを隠しててごめん。1番にAに伝えたかったから今初めて言う」

と嘘をついた男性。Aからは「マジか!やったな!おめでとう!」という返事だったが、その場しのぎの嘘は往々にして暴かれるものだ。ほっとしたのもつかの間、1週間後に家の近くのコンビニに呼び出され、行くとAとBが待っていた。「面と向かうとなかなか言えんわ…ほんと俺は悲しい」と切り出すA。「なにが?」と尋ねると、Aはこう捲し立てた。

「お前は嘘ばっかりだな。1番に言うと言っといて上司に先に言ったな。それだけじゃない、お前色んなところで俺の悪口あることないこと言ってるんて?マジでお前の家庭潰すぞ」

男性は「なんでバレた」と思いつつ、苦し紛れに「誤解だ。酔った勢いで言ったかも」と誤魔化すが、Aの勢いは止まらない。

A「まぁそれは百歩譲ってええとしても、なんで付き合ってたことをいままで隠してた?俺は友人やろ?今の会社に入れたのも俺のおかげぞ?」

男性「会社でバレたくなかった。Aに話してどこからか話がバレるとAを疑ってしまうから」

A「俺らはその程度の関係やったん?ふざけんなよ」

続けてAに「お前はこれからどうしたいん?」と聞かれ、「これからも今まで通り仲良くしてほしいとウソをつく」男性。しかし「俺はもう戻れる気がせん。考えさせてくれ」と返され、仕方なく帰路についた。動揺が顔や態度に出ていたのだろう、家に帰ると妻が「どうしたの?」と聞いてきたため、すべてを打ち明けた。

「そんなの友達じゃない。そんな友達いる?」

男性にとって、ずっと誰かに言って欲しかったセリフだろう。妻の一言をきっかけに全て吹っ切れ、絶縁に至る。「Aの兄は弁護士なので本気で訴えられても面倒ですので、関係を切ってよかったと思います」と、後悔はなさそうだ。それから3年経ち……

「今でも同じ空間で働いていますが、Aは役員の息子なので出世コースで色んな部署を転々としています。話しても挨拶程度です。会社の人をヘタに信用した私の爪の甘さもありますし、そこは反省しております」

「ほぼAと共通の友達しか私にはいませんでしたので、今では1人も近くに友人がいません。それでも家族を守るために頑張っていこうと思います」

友人に対する誤魔化しや嘘は信頼を損なう。しかし、男性に対して無遠慮な言葉を吐き続けるAに、それを責める資格はあったのだろうか。威圧的な言動をする人の前では本当の自分でいることは難しいだろう。

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