慌てて電車を飛び降りると、向かいのホームに戻りの電車が到着したのが見えて、女性はパニックになった。
「急いでエスカレーターを駆け下りて、逆行きのホームへ駆け上っていた途中で。思いっきりコケました。しかもエスカレーターに膝が刺さりました」
痛かったものの、必死にホームへ駆け上がったが、一瞬の差で無情にも電車のドアは閉まってしまった。
「そのまま夜の冷たい風が吹きっさらし、他の電車待ちの客すらいないホームで20分ほど待つことに。空港まで行ってしまえばよかったのにと後悔」
その後、次に来た電車に乗ると、周囲の乗客から突き刺さるような視線を感じた。不思議に思って足元を見ると、衝撃の光景が広がっていた。
「自分の足元を見たら血がぼたぼたと…どうやら本当にエスカレーターが刺さったようで、まだこのときは痛すぎてしびれが勝っていて気づかなかった様子」
「エスカレーターってよく見ると、細い鉄の板が並んでいて噛み合って収納される仕組みなんです。人間の皮膚って柔らかいんだなと思います」
結局、帰宅後に救急外来で診てもらい、「何針か縫う羽目になりました」と顛末を書いている。過労が招いた、まさに踏んだり蹴ったりの年の瀬だったようだ。
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