高級車ディーラーで「お子さんを乗せないで」と貧乏人扱い→別の店で即買いした男性の復讐劇【後編】
男性が隣の駐車場に停めてあった愛車に乗り込んだ瞬間、事態は急変した。彼が乗っていたのは、当時入手困難とも言われ、車好きなら誰もが憧れる日産の「R32スカイラインGT-R」だったのだ。
子どもを車に乗せてドアを閉めると、先ほどの営業担当が走って追いかけてきた。
「袋に入れたカタログと来店記念のノベルティを持ってきました。『ぜひお持ち帰りください』営業の顔をじっと見ていると、やっちまった感が表情に出ていました。その後すぐに店長らしき人も出てきて、子供用のノベルティを袋に入れて持ってきました」
店長らは慌てて取りすがったようだが、男性はきっぱりと断った。
「先ほど言いましたが、ここでは買う気ないです。〇〇(別の正規ディーラー)で買います」
そう告げると、そのまま車を出した。その直後に向かった別のディーラーでは、同じTシャツ短パン姿でも丁寧に対応され、案内の女性が息子の靴を脱がせて車に乗せてくれたという。愛車を見られていたようではあったが、店側の誠意に納得し、その場で実車の購入を決めた。
納車後、男性は驚きの行動に出る。さっそく新しく買った高級外車に乗り、息子と例のディーラーへ行くと、強烈な嫌味を放ったのだ。
「最初購入したのはワインレッドのミニカーでしたが、今度は実車と同じガンメタリックのミニカーを購入、すぐに出てきた店長と営業ににっこり笑って『〇〇はパワー・ハンドリング・乗り心地、最高ですね』と告げて店を出ました」
それ以来、その店には一度も行っていないという。
もちろん、高級車を扱う店側としては、商品を守らなければならない事情もある。当時20代でラフな服装の男性を「冷やかしの若者」と警戒してしまったのも、無理はない側面はあるだろう。
だが、人は見かけによらないもの。逃がした魚の大きさに、店員たちは悔やんでも悔やみきれなかったことだろう。
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