「悟空のきもち 銀座店」は東京メトロ有楽町線銀座1丁目から徒歩2分。普通のビル内にお店があるのですが、着いた瞬間に見えるのが、仏様の大きなご尊顔。軽くビビりました。このエントランスは「審判の間」といい、ここで順番を待ちます。
仏様の顔と、仏様の右手の間には「ゆるしの扉」があります。ここが”死後の世界”につながっているとのこと。扉を開けると、目の前に広がるのは”死後の無限回廊”。真っ暗の中、壁が鏡張りになっており、どこまでも続いている気がします。
壁には蓮の花や陰陽、幾何学的な文様の映像が流れています。さらによく映画やアニメでなにか神聖な場所に行った時に流れるような、シンプルだけどゆったりとした、それでいて荘厳な音がずっと流れています。
暗闇の中で佇んでいると、自分はちゃんと立っているのか、ちゃんと存在しているのか、ていうか私って何……?という気分になりました。宇宙とか、それこそ死後の世界に放り投げられた気分です。
進んでいくと、目の前には千手観音。道を誤らないように導いてくれるために御座しているそうです。なんだかとてもありがたい気分になりました。そんな空間を通って、死んだような眠りを体験する「奇跡の間」へたどり着きました。
「はい、こちらで施術終了です」の声が聞こえてやっと体に魂が戻ったような気分
薄暗い施術室にあるふかふかの椅子に座り、リクライニングで背もたれが倒れます。施術は、顔にタオルを乗せられ、つむじとこめかみで「この強さで大丈夫ですか?」と圧の確認をしてもらうことから始まります。私は「痛気持ちめ」が好きなのですが、この時点で既に気持ちいい。
ヘッドスパは頭頂部、こめかみ、目の周りのほか、首の付根、デコルテから肩といった毎日猫背気味でデスクワークをする人間からすれば嬉しいところが中心となっています。力の入れ方が絶妙で、少しずつほぐれていくのがわかります。
すると段々体の力が抜けていきました。私は普段、美容室のシャンプーや整体などで、よく「体の力抜いてください」と言われるくらいうまく力が抜けないのですが、このときは椅子に体を預けきってしまうほど脱力状態でした。
意識はたしかにあるはずなのに、体は力が抜けきっていて、ヘッドスパで頭がほぐされていく。暑くも寒くもない休日の朝、二度寝でまどろむ気持ちよさに似ています。でも、それとは少し違った、体はここにあるのに意識は体の外に漂っている感じがしました。
そんな精神状態で、絶妙な力加減で施術をうけ、流れている音楽も心が浄化されるような気がして、段々夢と現実が曖昧になっていきます。スタッフさんの「はい、こちらで施術終了です」の声が聞こえてやっと体に魂が戻ったような気がしました。今回受けたのは30分の施術ですが、それより短い気もするし、長い気もしました。
そして、来る時に通った”無限回廊”を通ってエントランスへ。気分として本当に「いま魂が体に戻ってきた」なので、まさに”死後の眠りからの生還”でした。施術後は少しぼんやりしていましたが、しばらくすると頭がスッとしました。
ちなみに私は「めちゃくちゃ疲れてる人の頭ですね。だいぶほぐれましたけど芯みたいな硬さがありました」と言われました。デスクワークだからこその負担がかかっていたようです。
私はどちらかというと爆睡というより、体が眠った状態でずっと気持ちよさだけが与えられる感じでした。施術後は少しぼんやりしていますが、めちゃくちゃ気持ちよかったことは覚えています。本当に魂が離れていたのでは、と思う”落ち方”でした。
この施術は、「温かく頭を触られながら眠ることから夢の中で幸せな幼少期など過去の原風景を見るお客様の声も多く、快感のなかできっと『あなただけの三途の川』をお楽しみいただけます」とのこと。一度この体験を味わってみてはいかがでしょうか。