しかも、常に妻が出した料理を不信感たっぷりな表情で、毒味をするように食べ始める。彼にとって妻がクックパッドを参考にした料理は「普通」ではなく、母が作っていた煮魚や肉じゃが、ひじきの煮物、ハンバーグなどが「普通」なのだ。妻は「それらが簡単にできると思っている」と憤っている。
仕事終わりには子どもにご飯を食べさせ、習い事の送迎などに忙殺される中、夫の帰宅時間に合わせて調理しなくてはならないため、たびたび不満を訴えるものの、夫は
「俺は悪いことはしていない、間違ったことは言ってない、誰にでも聞いてみろ、みんなそう言うに違いない」
と強気だ。相談者は我慢の限界で、
「主人の言う通り、男性は皆そうなんですか?それが当たり前ですか?」
「もう主人の食事作りたくないんですけど、わがままでしょうか?」
と問いかけている。
この相談には、多くの回答者から
「作らなくていいです。そんなにお母さんの料理が好きで食べたいなら実家に帰っちまえ」
「同じ男から見ても嫌いなタイプの男ですわ。(中略)男はこんな人間ばかりじゃありません」
など、夫に対する批判が相次いだ。
夫の好みに合わせるなら専業主婦でもなければ無理で、「私が仕事を辞めれば家計の負担はあなたひとりが負うことになる」と言うように助言する人も。いまどき専業主婦だって作りおきくらいするし、「夫1人の都合に合わせて生活できません」と説く人もいて、筆者も同感だ。
しかし専業主婦であろうとなかろうと、せっかく神経を使って出来立てを出しているのに、文句ばかり言われればやる気が無くなるのも無理はない。
夫は、頑張っている妻を認めるだけで良かったのかもしれない
他方、「どうして12年も我慢したの?」「もっとちゃんと、旦那さんを躾けるべきだったのではないでしょうか」など、甘やかしてきた妻側にも問題があるというお説教も。確かにそれしか出さなければ、やむを得ず食べたのかもしれない。とはいえ、妻が頑張り過ぎたことがいけないと言われては気の毒だ。
内閣府によると、共働きが専業主婦の世帯数を上回ったのは1996年。以来共働きは増え続け、2017年は1188世帯、専業主婦世帯が641世帯となり、いまや完全に共働きが多数派となっている。地域の助け合いも希薄になった今、冷凍保存や作り置きは当たり前だ。冷蔵庫が普及していない昭和初期でもあるまいし、夫が共感を得ることは難しいだろう。
なお、相談者は多くの励ましに対して、「『十分頑張っていますよ』の言葉で、怒りに震える私も思わず涙が出てしまいました」としている。この夫は、頑張っている妻を認めるだけで良かったのかもしれない。