人生はくじ引きみたいなもので、どの親の下に産まれるかでその後がかなり左右される。金持ちの子に産まれれば恵まれた環境で行き届いた教育を受け、それが当たり前の水準に感じられる人生を歩むのも容易い。かたや貧乏の家に産まれる子供はそうは行かない。
環境というものは、人の一生を左右する。さて、一生を左右するほどではないものの、これもまた初期配置が物を言う事例がある。それが”どこで産まれたか”という概念だ。『信長の野望』でも初期配置は重要になる。それと同じことだ。(文:松本ミゾレ)
都市部で育てば、それだけで人生は彩り多いものになる
先日、おーぷん2ちゃんねるで「東京に産まれるか否かで人生の難易度変わるよな」というスレッドを見つけた。これが結構地方出身者の怨嗟の声で埋まっていたので、同じ田舎者として大変に共感をした。
スレ主は「進学、就職、どちらも選択肢が地方とは段違い」「上京して親元を離れる必要がある」など、都会者のメリットと地方出身者のデメリットを比較している。
まあ、こんなの序の口である。書き並べようと思えばいくらでも不満が出る話題だ。田舎だと娯楽だってろくすっぽない。働くにしても賃金は低い。持ち家ごと引っ越しはできないため、上京すれば、東京出身の人と比較すると、貯金面で絶対に劣ってしまう。
そしてそんな田舎者を見て連中は言うのだ。「なんでいっつもそんなカネないの?」と。まるでこちらが自堕落で金の管理ができない芋野郎みたいな存在のように扱われるのだから最高だ。
金がないことが理解できないというのも幸福なことで、それが田舎者の恨みを買っていることを素で理解できていないのもまた幸せな話である。
都会は人と人とのつながりが希薄? 田舎の監視社会に一度来てみては
ではここで、スレッド内に寄せられている書き込みの一部を紹介していきたい。ぜひこれ、都会育ちの人に読んでもらいたい。
「東京←車不要、給料高い、子供の進学先に困らない。地方←車必須、給料安い、子供の進学先は少ないもしくは無い。比較にも成らんやろこれ」
「受験も就職も地方のが不利なのは事実」
「田舎は仕事がない」
と、こういう感じで地方出身者と思しきネットユーザーからの書き込みはいくつか目につく。
これらに対して「世田谷育ちだけど田舎に逃げたいわ~」みたいな書き込みも目に入った。ううむ、やっぱり根本的に田舎者のコンプレックスの甚大さと、田舎者特有の恨み、怨念を把握できていないのかもしれない。
僕なんて、関東圏に生まれ育った人間誰しもに少なからず劣等感を抱いているし、ちょっとでも酒が入ると「都会育ちの、青瓢箪どもがよ」と食ってかかったりもする。こういう僕に対して、東京生まれ東京育ちの奴の半数ぐらいは「別にそこまで都会育ちだからって人生楽じゃないよ」と笑って返す。
いや断言するが、楽に決まってるのだ。電車は数分おきに来る。賃金は地方と比べるまでもなく高い。娯楽も多い。何より都会育ちの人間は、地方の同世代よりも学があって文化的教養が高い者が多いではないか。それを可能にするのが都会という土地ではないのか。
「でも都会は人と人とのつながりが希薄だから」みたいな反論をされたことがあるが、田舎は昔から閉鎖的だし監視社会だ。その点についても都会育ちは根本を理解していない。幸せ者め。
地方のメリットなんて、都会のそれと比べると屁のようなものでしかない。そういう歴然とした差を、どうぞ東京出身のみなさんもお認めになってください。そしてどうぞ、老後は田舎にお越しください。正直今、僕が主張している意見を半分も理解できていないことだろうが、実際に”こっち”に来れば分かるはずだ。