Jリーグの試合結果によって当選が決まるスポーツくじ「MEGA BIG」の当選確率が、台風の影響で通常の256倍になったことが大きな話題を呼んだ。そこに「7350万円を投入し、2億2190万円を得た」と投稿し、ネットで大反響を呼んだYouTuberがいる。なぜ、そのような行動に出たのか、YouTuberで大学生投資家の造船太郎さんに話を聞いてみた。
台風&キャリーオーバー58億円で千載一遇のチャンスだった
MEGA BIGはJリーグ12試合の試合内容(得点差・4択)を、コンピューターがランダム予測する。すべて当たれば1等だ。1口300円で購入できる。
通常、12試合全ての結果が当たって1等になる確率は約1680分の1(4の12乗)となっている。しかし、8月24日に発売された第1476回のMEGA BIGは、台風の影響で12試合中4試合が中止となり、1等当選の確率が256倍となる約6万5536分の1(4の8乗)にまで跳ね上がっていた。
MEGA BIGは通常、購入金額の半分が配当に回される。ただ、MEGA BIGには「キャリーオーバー(繰越金)」という仕組みがあり、当選者がでなかった場合は配当金がプールされていくという特徴がある。そのキャリーオーバーが今回は約58億円分発生していた。その2つが組み合わさった結果、今回の販売は「大きなチャンス」となっていたのだ。
造船太郎さんはYouTube投稿で今回の売上が50億円になると予測。その半額である25億円とキャリーオーバーの58億円を合わせ、賞金総額は83億円にまで膨れ上がると考えた。
仮に50億円の売上に対して83億円が分配されるのであれば、期待値は1.66になる。確率的には大きなチャンスだ。結果的に今回のMEGA BIGの売上は約47億1000万円。このため期待値は、造船太郎さんの予想を上回る約1.73となっていた。
ただし、1等が269本も出て、配当金は1本あたり2480万円となった。造船太郎さんによると、彼自身は1等を8本引き当て、2~6等も含めると2億2190万円の払い戻しになるという。
前日夜に「MEGA BIGのチャンスが来たよ」と先輩からLINE
編集部では今回、造船太郎さん本人に直接、話を聞いてみた。なお造船太郎さんは9月6日、Xに下記投稿をしている。
以下は、造船太郎さんとの一問一答。
――今回のチャンス、どういう経緯で気づいたのでしょうか。
販売終了が土曜日(8月31日)で、前日の金曜日に仮面浪人のときに通っていた大学の株サークルの先輩からLINEを頂いたんです。その人はMEGA BIGをウォッチしている人で、期待値についても知っていて、チャンスが来たよと教えてくれました。
連絡があったのが金曜の18時だったので、余裕は全然なかったですね。銀行もやってないしどうやってお金を動かそう、というところからで、そこから色々と工面しました。土曜日にはロレックス3本を1500万円で売って、最終的に7350万円を準備しました。
――7000万円超もの金額を投入することに迷いはありませんでしたか。
全然なかったですね。株とか、ほかの投資案件に比べてリスクとリターンの割合がすごくよかった。ここに投資しないでいつ投資するんだという感じでした。
――当選確認のYouTube配信では割と淡々としていました。当たりがわかったときはどんな心境だったのでしょうか。
お金が減らなかった、負けなかったと安堵しましたが、そのときはスプレッドシートで確認作業をしていたので自分も信用しきれなくて、ちょっと本当かなという部分はありました。でも確認したら当たっていた。今回は1等が1本も当たらないぐらいの確率を上振れで引いたんで、相当良かったです。
「すぐ動かせるだけの現金を準備しておかないといけないと思いました」
――今回の2億円は今後どうするつもりでしょうか。
タワマンに引っ越したいというのが一つ。後は、このまま今まで通り株を続けていくかなと思います。ロレックスも買い直したいですね。教えてくれた先輩にもロレックスをプレゼントしたいので一緒に買いに行きたいです。
――今後の展望を教えて下さい。
実はこういうチャンスはMEGA BIGだけ見ても過去にあったんです。チャンスは急に飛んでくるから、そのときのためにすぐ動かせるだけの現金を準備しておかないといけないと思いました。
僕自身は株式投資のセンスはそんなにないと感じています。それよりも、こういう期待値を追うようなことをしていったほうがいいなと思いました。仮想通貨とか時代ごとに稼げるところはあるので、そういうところを逃さないようにしたいですね。