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水漏れでピンチ「明治用水頭首工」がトレンド入り、SNSで不安の声 なぜ重要?

明治用水頭首工の画像

Tomio344456, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

5月18日「明治用水頭首工」という見慣れないワードがツイッターのトレンドになった。明治用水は愛知県にある大規模用水路で、「明治用水頭首工(とうしゅこう)」は矢作川から用水へと水を取り込む施設のことだ。突如注目が集まった理由はこの施設で水漏れがおき、一帯が水不足になる可能性が出てきたからである。

愛知県の発表によれば、漏水が発生したのは17日未明のこと。仮設ポンプ設置などの応急処置を試みたものの、必要な用水の確保が困難になっているという。(文:昼間たかし)

トヨタ関連工場も含む131事業所への給水がストップか?

愛知県の安城浄水場では、ここから取水した水を工業用水として県内の131の事業所に共有しているが、5月18日午後2時には給水停止の可能性もあると発表した。トヨタ自動車関連工場も多く含む事業所がストップすれば、その影響は甚大だ。愛知県によると、5月18日午後の時点では各事業所が水の使用を控えているため、給水ストップには至っていないという。

「明治用水頭首工」は、住所としては豊田市水源町にある。矢作川から工業用水を引き込む施設で、管理しているのは愛知県になる。この施設では水門を閉じて川の流れをせき止めることで取水口に水が流れ込む仕組みになっている。今回は、なんらかの理由で水門の下の川底に穴が開いてしまい、水が溜まらずに流れ出してしまっているとみられる。

もともと明治用水は、水に恵まれなかった愛知県東部に農業目的で建設された。用水路は江戸時代末期に、現在の安城市の豪農が計画したが農民の反対で頓挫した。その計画が明治になって再び立ち上がり、結局1880年に完成した。頭首工はこのときに作られたが、今回漏水しているのは1958年に全面リニューアルされたものだ。

明治用水頭首工の完成により、このエリアは、夏は豊富な水を生かした稲作、秋冬は野菜の栽培が行われ、「日本のデンマーク」と呼ばれるようになった。その後、工業用水の取水にも用いられるようになって現在に至っている。

そうした用水路なので、不安は工場関係者だけでなく、農業関係者にも広がっている。にもちょうど田植えを控えた時期でもあり、水田にひく水を確保できるかが危惧されているのだ。

SNS上では、「こんなに水位が低いのは初めて見た」「(田植え)が、漏水の影響で中止になりました」といった現地の声も見られた。重要なインフラのトラブルが招いたまさかの事態に、多くの人が行方を見まもっている。

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