NHKが都内の国公私立大学119校を対象に調査したところ、79校は、ボランティアに参加しやすいよう、大会期間中は授業や試験を実施しない予定だという。また、ボランティアへの参加を単位として認める大学は4校、検討している大学も55校に上った。
国士舘大学も、単位認定を検討中だ。大会期間中に授業を行なわないことはすでに決めており、2020年は7月23日までに春期授業・定期試験を終了。大会期間中の7月24日~8月9日は「特別課題研究期間」として授業は行なわず、課題で対応する。さらにボランティアの事前研修への参加で授業を欠席する場合は公欠として取り扱う。
しかし単位認定について報道されると、反発の声が相次いだ。立憲民主党の蓮舫参議院議員は9月7日、ツイッターに「ボランティアで単位認定、か。なんだか、どんどん違う方向に向かってないだろうか…」と投稿した。
大学教員からも怒りの声が上がっている。立命館大学の末近浩太教授(中東・イスラーム地域研究)は9月6日、「『ボランティア』の単位認定、ツッコミどころが多すぎて言葉を失う。労働の対価として、カネの代わりに単位で支払われるというかたちになる。運営側の腹は痛まない。それにしても、大学はいろんなかたちで食い物にされつつあるな」とツイートした。
「ボランティアって自発的に行うものじゃないの?」
一般のネットユーザーからも疑問の声が噴出している。特に多いのが、「ボランティアって自発的に行うものじゃないの?」という意見だ。単位で学生を釣るのであれば、それは自発的とは言えないだろう。
また「災害ボランティアも単位認定してはどうだろうか?」「同時期に行われる他のボランティアの単位認定もすべき」とオリンピックだけ特別扱いすることに疑問を持つ人もいた。
そもそも大学は学問を学ぶ場所。オリンピックのボランティア参加で単位を認定することは、大学の本来の姿からかけ離れているのではないか。
「大学は何をする場なのか、ぜひ大学運営側には考えていただきたいな」
「ボランティアで単位取れるとか完全に意味わからないな。それは大学では無いのでは?」
東京五輪・パラリンピックのボランティア応募自体は今年9月中旬から始まる。募集人数8万人は無事集まるのだろうか。