ユニクロ「週休3日制」の導入に期待の声 ただし「週の労働時間」は短くならず
1992年5月に国家公務員の完全週休2日制が実現してから、23年。土曜日の「半ドン」を経験した50代以上のサラリーマンからは、「今の若い者は休みすぎ」という嘆きが聞かれることもある。
しかしそんな歴史も、さらに塗り替えられるかもしれない。「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングは、今年10月から「週休3日制」を導入すると各紙が報じている。
「うらやましい」という声もあるが
対象になるのは、転勤のない「地域正社員」として勤務する約1万人。会社はこのうち2000人ほどが「週休3日制」を選択することを見込んでいる。休みの日は原則として月曜から金曜までの平日とし、混雑する土日には出勤してもらうようにするという。
週の勤務日を1日減らす代わりに、1日8時間の所定労働時間を10時間とし、時間外労働とならないよう「変形労働制」を採用する。週の勤務時間はトータルで40時間と変わらず、給与水準も変わらない。今後はジーユーや本部の社員も選べるように検討していく。
このニュースには、「週休3日制いいな」との声が多く寄せられていた。
「UNIQLO週休3日!?働きたい」「週休3日制、もっと広めようぜ!」
「働き方ってどんどん変わっていくなあ。給与水準変わらないし、これいいな」
「勤務時間延ばして、週休3日か。残業とは縁のない今の職場に取り入れて欲しい」
中には「お賃金が4~5日分減ってたとしても週休3日にしたいわー」というコメントまであった。週5日間勤務でも「働き過ぎ」「もっと休んでもいいはず」と考える人は少なくないようだ。
育児や介護で「正社員」諦める人をつなぎ止められるか
週休3日制といえば、オランダですでに導入され、かなり定着しているようだ。2009年度の統計を比較すると、日本の年間実労働時間が1714時間なのに対して、オランダは1378時間で日本よりも2割も短い。
しかし国民1人あたりのGDP(2012年)は日本の3万5203ドルに対し、オランダは4万3146ドルと22.5%も上回っている。休みを多く取ることで、生産性も上がるのであれば一石二鳥となる。
ただし気になるのが、ファストリの「週休3日制」では1日10時間労働が前提となっているため、労働時間の短縮にはつながらないことだ。
同社は制度導入の目的として、介護や育児を理由に「正社員」を諦める層をつなぎ止める効果を期待しているが、ネットにはその点への疑問もあがっていた。
「ファストリ、週休3日ってあるからすげえと思ったら1日10時間労働になっててそれでどうやって育児介護するの??ってなったの俺だけか」
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